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#6 腕立てしかしたことない高校生が半年でベンチ100㎏あげられるようになった話。

今日はタイトルにもある通り17歳の普通の高校生がたった半年でベンチプレス100㎏あげられるようになった話をしていきます。

これは実話で私が高校生の時に見た本当の話なので信用していただきたいです。それでは始めていきます。

あれは高校2年生の夏が終わりをむかえかけていた時期だった。少し肌寒くなってきて夕日が沈むのがだんだんと早くなってきた。

当時私が仲良くしていた彼は運動部に所属していた。しかし、これといって体格に恵まれているわけではなかった。
私の記憶が正しければ確か170㎝もなかったと思うし体重も60㎏前後と普通の体型だった。それでも彼の運動神経や人間としての魅力に誰もが憧れていた。

私と彼はその頃からよく一緒に洋画を見ていた。なかでも、「ワイルドスピード」、「トランスポーター」など私たちの年代では少し早すぎると感じるかもしれないが、車やそれを乗りこなす俳優の筋肉に目を奪われていた。

私は冗談混じりで彼に

「君ならあいつのような体になれるんじゃないか?なってくれよ!」

と言った。

すると彼は二つ返事で

「いいね!!」 と言ったのだった。

それが全ての始まりだった。

そこから彼は寝る前に、毎日100回腕立てを始めたらしい。

動画や写真で「今日もやった!」

と報告してくる彼に、

私は「こいつ可愛いやつだなぁ」とLINEをしていたのを覚えている。
始めは私も彼が本気でやるとは思っていなかった。

しかし彼は、来る日も来る日も腕立てをした。

約二週間が経った時、まだ目に見える変化はなかったが、衝撃の光景を目の当たりにした。
それは体育の授業での体力測定にて起きたのだった。
その日は握力を測定していたのだが、彼の左手が叩き出した数値はなんと

「75㎏!!!」

ダントツの学校1番だった。彼はもともと運動を確かにしていたが、それでもこの数値や伸びには度肝を抜かれた。

野球部など、握力自慢の高校生達と大差を離しての1番には、私もどこか誇らしくなってしまう部分があった。

すると1人の野球部員が「ベンチプレスやってみろよ」
と声を上げた。
私にはそれは野球部の彼らが握力で負けた腹いせで、自分の得意分野に持ち込み彼を負かしたいのかと感じた。

しかしここも逞しい彼は二つ返事で

「いいね!!!!!」

と言っていた。

どこまでお前はメンタルが強いんだ、と私は感じた。

放課後、普段入ったことのないトレーニングルームには人だかりができていた。

野球部のベンチプレス自慢と彼が対決をすると聞きつけた友人。またトレーニングルームの横で練習している他部活までもがその対決を見守った。

手慣れた様子でベンチプレスの準備をしていく野球部の彼らの姿を楽しそうに見る彼の姿を見て私はすごく緊張していた。

確かに彼のポテンシャルがすごいことは証明されたが、ここはもう野球部のテリトリーで圧倒的なアウェイ。スポーツで言ったら劣勢。

マイナスなことばかり考えてしまう私は、惨めな思いをするのではとすごく心配していた。

そんな中彼は私に

「楽しんでくるぜFamily」

クソダサいセリフを吐いて、出て行ったのだった。

もう終わった。あんなダサいこと言ってもう本末転倒だ。

頭を抱えて逃げ出そうかと目を逸らしていると、すごい歓声の声が上がっていた。

彼は初めてのベンチプレスで85㎏を上げ、野球部を負かしたのだ。

彼は帰ってきて

「言っただろFamily!!」

またしてもクソダサいセリフを吐いた。しかし、私たちはとびきりのハグをして喜んだ。

それ以来、彼は本気で100㎏を目指すようになり、しっかりと器具を使ったトレーニングをするようになった

そして3ヶ月後の高校2年生の3月にベンチプレス100㎏を上げたのだった。

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