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Web3とソーシャルインパクトを探るAMAセッション

2024年6月24日、Web3の技術とその社会的影響に焦点を当てたオンライントークセッションが開催されました。このディスカッションには、4名のスピーカーが参加し、Web3がどのように社会にポジティブな影響を与えているのか、またその可能性について話し合いました。今回のテーマは「Web3とソーシャルインパクト」で、技術が社会にどう影響を与えるかを掘り下げる場となりました。6/26の19:00からのオフラインイベントに先駆けての情報共有のためのものとなります。

Xで行われたトークセッションの録画は↓のリンクから!
https://x.com/harvesthall_io/status/1805194066109358234?s=46


登壇者紹介:

  • 渋谷さん(shibutatsu.eth): 東京大学3年生、AI+DAOATHON運営チーム。本郷Web3バレーの代表。

  • 田村さん(DAO兄さん, Kazzy): AI + DAOATHONの運営を担当し、BanklessJapanとパシフィックメタでも活動。DAOに造詣が深い。

  • 浜田さん(F太郎): Klima DAO Japan株式会社の設立者で、ReFi(再生金融)に焦点を当てる。

  • 南出聖希さん(masa): Apas PortのCTO兼Harvest Flowのプロダクトマネージャー。ドイツのクリプトバレーでの経験を持つ。

イントロダクション

AMAは、これらのプロジェクトがどのように社会的、環境的課題に取り組んでいるかの例を通じて、参加者にインスピレーションを与えました。また、今後のイベントやプロジェクトの展開についても触れられ、Web3のさらなる可能性についての議論が交わされました。

このセッションは、Web3がただの技術的な興味の対象ではなく、具体的な社会的影響をもたらすツールとしての機能を持つことを強調しました。参加者はWeb3を用いて、さまざまな形で世界にポジティブな変化をもたらす方法について考える機会となりました。


浜田さん(F太郎)の経歴とKlima DAOの取り組み

F太郎さんは、元々異なる業界で働いていた人物ですが、2017年頃からブロックチェーンとクリプトカレンシーに関心を持ち始めました。彼は、ブロックチェーン技術を使って社会に良い影響を与える方法を探求し、多くのプロジェクトにリサーチやサポートで関わってきました。特に、再生可能金融(ReFi)に強い関心を抱き、これが彼をKlimaDAOへと導きました。KlimaDAOは、ブロックチェーンを活用して気候変動対策を進める組織で、カーボンクレジット市場をより透明で効率的にすることを目的としています。F太郎さんは、Klima DAOの一員として、カーボンクレジットをトークン化し、KLIMAトークンを発行しています。これにより、一般の人々も気候変動対策に容易に参加できるようになりました。また、コミュニティ主導のガバナンスモデルを採用しており、トークン保有者は重要な意思決定に参加することが可能です。彼は約2500万トンのカーボンクレジットをブロックチェーンに移行し、150以上の組織がこれを利用して気候変動対策に貢献しています。最近では、日本法人Klima DAO JAPANを立ち上げ、日本国内でも気候変動対策の普及を目指しています。

ー小さなきっかけが大きな社会的ポジティブなインパクトに繋がることを感じます。今後の計画や目標などはいかがでしょうか?

Klima DAOとして、引き続きソーシャルグッドなプロジェクトを実施していきます。まず、日本で安心して使えるデジタルカーボンクレジットのマーケットプレイスを開発中です。現在のグローバルなマーケットプレイスは、日本の規制に適応しておらず使用しにくいので、法的整理を進めています。

次に、グリーンNFTのプロジェクトを計画しています。イベントで参加者が獲得できるNFTにカーボンクレジットを紐付ける仕組みで、参加者が楽しみながら気候変動対策に貢献できるようにします。このアイデアは、IVSのサイドイベントで実証的に開始し、参加者の反応と実用性を確認しつつ改良を重ねていく予定です。

Mochi司会: ありがとうございます。ReFiや気候変動対策、Web3技術について興味深いキーワードがたくさん出てきましたが、カーボンクレジットについて簡単にご説明いただけますか?

F太郎: はい、カーボンクレジットは、ある会社がCO2排出を削減したときに、その削減分をクレジット(権利)として売買できる仕組みです。これはWeb3に限らず、世界中で使われている仕組みです。

Mochi司会: カーボンクレジットが特に注目されている理由は何ですか?

F太郎: 目に見えないものなので、いろいろな課題があります。例えば、ダブルカウントという問題があります。一つのカーボンクレジットが複数の人に利用されて、実際に誰がその権利を持っているのか分からなくなることです。

Mochi司会: その問題に対して、どのように解決していますか?

F太郎: ブロックチェーン技術を使うことで、改ざんできない透明性の高い仕組みを提供しています。これにより、カーボンクレジットの利用が世界的に広がり、ブロックチェーン上での活用が進んでいます。

南出聖希(Masa)さんの経歴とHarvest Flowへの取り組み

南出聖希(Masa)さんは、Apas PortのCTO兼Harvest Flowのプロダクトマネージャーとして活動しています。彼は2017年にドイツのベルリンでクリプト業界に入り、ブロックチェーンエンジニアとしてのキャリアをスタートさせました。その後、日本に帰国してポルカドットのアンバサダーや東大のブロックチェーン機構寄附講座に参加し、ブロックチェーン技術の普及に貢献してきました。2023年にApas Portを共同創業し、現在はHarvest Flowを開発しています。

 ーHarvest Flowさんにも今後の計画目標についてお伺いできればと思います。

現在開発中のHarvest Flowですが、今週ランディングページを公開予定で、プロジェクトの詳細を順次公開していきます。最初のプロジェクトはカンボジアのトゥクトゥクロ―ン事業で、経済的・社会的インパクトの両方を大事にするプロジェクトを集めます。カンボジアは観光客が多いものの、インフラが整っておらず、経済成長のポテンシャルがあるため、現地の人々がビジネスで自立できるよう支援します。7月下旬に最初のプロジェクトをローンチ予定です。

Mochi司会: ありがとうございます。7月にローンチ予定なので、皆さんもぜひチェックしてみてください。私もHarvest Flowのことを知っていますが、トゥクトゥクのドライバーになると、収入が2倍から3倍に増えることで、ソーシャルインパクトがありますよね。

南出さん: そうですね。カンボジアでは教師や運転手の月収が平均200ドルほどで、子供を学校に通わせるには十分ではありません。
しかし、トゥクトゥクのドライバーになると、月収が400ドルから600ドルに増えることが可能です。これにより、子供を学校に通わせることができるようになり、経済的に自立できるようになります。

Mochi司会: そうですね。このプロジェクトが、トゥクトゥクのドライバーとして経済的リーダーを育てる助けとなるのが楽しみです。来月のローンチを楽しみにしています。

田村(DAO兄さん, Kazzy): 日本国内での分散型組織の推進

田村は、分散型オーガナイゼーション(DAO)に関する活動を紹介しました。彼が関与しているAI + DAOATHONは、DAOを利用して、様々なステークホルダーが共同でプロジェクトを管理し、実行するプラットフォームを提供しています。この具体的な事実から、田村はDAOが伝統的な組織構造に対する革新的な代替案としてどのように機能しているかを分析しました。
彼の主張は、「DAOは組織の未来である」というもので、より透明で民主的な意思決定プロセスが可能になることを指摘しました。

ー前回と比べて去年と比べて何か進化した部分とか、違う部分はあるのでしょうか?

昨年のイベントでは100名以上の参加者が集まりましたが、今年の目立った変化は、ハッカソン部門の追加です。以前はエンジニアでも非エンジニアでも参加できる形式でしたが、今年はより専門的な内容に焦点を当てています。特に、参加者にはプロトコルやプロダクトのコーディングに実際に挑戦してもらい、フレームワークを使用してビジネスモデルを作成するといった、より実践的なアプローチが求められています。これにより、実際の現実社会に対してどのような影響を与えることができるかを探ることが今年の大きな目標となっています。


渋谷(shibutatsu.eth):AI+DAOATHONの今後の展望/カーボンオフセットについて

Mochi司会:
最後に、AI+DAOATHONさんの今後の目標についてお伺いできればと思います。

渋谷:
はい、ありがとうございます。私たちはAI + DAOATHONを毎週開催しており、次回のイベントは8月7日から20日までの期間で開催予定です。さらに、第3回目の開催についても構想段階ではありますが、海外での開催を検討しています。これにより、国内外の学生やパートナーを巻き込み、よりグローバルな視点でのイベントにしたいと考えています。
具体的には、8月20日のイベントにはマーシャルアイランドのDAO企業支援者であるアダムさんなど、海外のゲストをお招きします。また、審査員としてDAO作成ツールのアラゴンからマーケティングリーダーを迎える予定です。これにより、グローバルと国内のDAOの結びつきを強化し、社会課題に対する有益なアプローチを模索していきます。

Mochi司会: はい、ありがとうございました。気になったのですが、F太郎さん、グリーンNFTというのは私たちでも使ってイベントなどで盛り上げることができるのでしょうか?また、どのようにコラボレーションできるか教えてください。

F太郎: もちろんです。Apas Portさんが開催するイベントやクライアントさんが開催するイベントで、グリーンNFTを利用してカーボンニュートラルなイベントを実施することができます。この構想は以前からあり、すでにKlima DAOではデジタルカーボンクレジットを使ってイベントのカーボンオフセットを行っています。
例えば、シンガポールで行われたToken2049や昨年のDAO Tokyoでもカーボンオフセットを実施しました。今回のAI+DAOATHONでも、我々がカーボンオフセットを担当します。今後の連携についてもぜひお話させていただければ嬉しいです。

Mochi司会: はい、ありがとうございます。今回のイベントもカーボンニュートラルになるんですね。これまでイベントに参加するだけでCO2排出量が増えるなんて考えたことがありませんでした。

F太郎: そうですね。ただ、意識しすぎて人が来なくなるのは本末転倒です。しかし、素晴らしいイベントは人が集まってもやるべきですし、そこから新たな脱炭素ソリューションも生まれる可能性があります。完全にイベントが悪いわけではなく、気候変動に対するインパクトを減らすために、こういったソリューションが展開できると考えています。

まとめ・次回の展望

Mochi司会:皆さん、本日はお集まりいただきありがとうございました。オンラインで繋がっているとはいえ、登壇で初めて顔を合わせるのもWeb3の魅力です。オンラインで簡単に繋がれるのは素敵なことだと思います。
26日の登壇は7時から永田町のグリッドで行われますので、ぜひチェックしてください。また、Harvest FlowとKlima DAOのツイッターもぜひフォローしてみてください。

次回のオフラインイベントでは、これらのテーマをさらに深く掘り下げ、参加者と共にリアルタイムで議論を交わす機会を提供します。新たな視点や意見を交換することで、Web3の未来に対する理解を深め、具体的な行動につなげていくことができます。参加される皆様には、技術の可能性を体感し、共に学び、成長する貴重な時間となること間違いなし。ぜひ期待して、次回のイベントにご参加ください。

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