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「やっぱりサッカーが好き」仕事とサッカーを両立する、働くアスリート

働くアスリート?アスリートが働く?

ある打ち合わせの中で、日本ベネックスがスポンサーを務めるつくばフットボールクラブの選手が「働きながらサッカーをしている」と知りました。

「働くだけでも大変なのに、サッカー選手もやっているとは一体どういうこと!?」「普段どのような生活をしているの?」ととても気になり、そこから実現した今回のインタビュー。

つくばフットボールクラブのうち、女子トップチームのつくばFCレディースに所属する3名の選手に話を伺いました!

(左から)DF#4 藤井 志保さん、FW#13 三浦 晴香さん、FW#26 古寺 未佳さん 

つくばフットボールクラブ(つくばFC)
茨城県つくば市を拠点とするフットボールクラブ。「すべての人が、生涯、素晴らしい環境でスポーツを楽しめるようにする」ことを理念に掲げる。サッカーチームの運営だけでなく、スポーツを通した地域貢献活動を幅広く行う。トップチームは、ジョイフル本田つくばFC・つくばFCレディース。

つくばFCレディース
つくばFCの女子チーム。2021年より「なでしこリーグ2部」に所属し、1部、ひいてはプロリーグである「WEリーグ」を目指している。

(聞き手:環境エネルギー事業部 庄司)




1.どんな仕事?どんな働き方?

 
——:
どんなお仕事をされていますか。

藤井さん

藤井:
NPO法人つくばフットボールクラブ(つくばFC)で、営業・広告・集客といった業務を幅広く担当しています。新卒で入って今年で11年目です。


三浦さん

三浦:
私もつくばFCで働いていています。
つくばFCは学童事業も展開していて、私は主に子どもを見る仕事を担当しています。宿題をさせたり、おやつを食べて一緒に遊んだり。
また、男子チーム(ジョイフル本田つくばFC)の練習後の食事準備も手伝っています。

(左)子どもたちはクラブハウスに着くと、まずこの部屋で宿題を終わらせます。
(右)体操やボール遊びができる部屋で、子どもたちと一緒に運動する三浦さん。


古寺さん

古寺:
ユニフォームパートナーである茨城ダイハツ販売株式会社で、店舗受付や洗車のお手伝いなどをしています。本社に行って経営管理部の方々とイベントの企画をすることもあります。今年2月に入ったばかりです。

——:
つくばFCのクラブやパートナー企業で働いている方が多いのでしょうか。全く関係ない企業で働く方もいらっしゃいますか。 

藤井:
つくばFCで働く選手は少なくて、女子では私と三浦だけなんです。パートナー企業で働く選手が8割くらいで、それ以外の企業に勤めている人もいます。
以前は、小学校の講師をしながらサッカーをして、サッカー引退後に教員採用試験を受けて中学校の先生になった方もいました。 

——:
人それぞれなんですね。 

クラブハウス。新しくて綺麗です!


——:
1日や1週間単位でのスケジュールを教えていただけますか。

藤井:
サッカーの練習が火・水・木の19時-21時にあるので、ほとんどの選手は平日9時-18時などのフルタイムで働いて、そのあと練習に来ています。土日はだいたい練習や試合が入っていますね。

女子サッカーってマイナースポーツで、プロリーグができたのもほんの3年前なんです。だから今でもサッカーをしながら働くのは当たり前で、こういった生活がスタンダードだと思います。

古寺:
私は少し特殊で、ダイハツの店舗が月・火お休みなので水・木・金にお仕事をしています。土日はサッカー優先ですが、車の販売イベントが開催されることが多いので、これからは練習後に仕事を手伝うことが増えそうです。

藤井:
ダイハツさんには「サッカーと仕事の両立」をご理解いただき、週3日+土日のイベント時という特別な形で雇用してもらっています。体を休める時間が多い分、サッカーにより専念できる古寺の働き方は理想的ですね。

企業によって雇用形態は違いますが、いろいろな形でサポートしていただいています。三浦は学童のおやつがいつでも食べられるのがいちばん嬉しいサポートですかね?

三浦:
そうですね(笑)。

トレーニングウェアの背中をよく見ると……左上に、ベネックスのロゴが!


2.サッカーと仕事、2つの両立


——:
サッカーと仕事の両方をしているからこそ良かったことはありますか。

古寺:
仕事を通じて、サッカーだけでは出会えない人と関わる機会が増え、刺激をもらえることですね。
先日は人事の方から「学習の4段階」という話を聞きました。課題をどう意識して克服し、習慣にもっていくかという話で、仕事だけでなくサッカーにも活かせるなと。何でもサッカーに繋げちゃうので、自分は本当に「サッカーバカ」だなと思います(笑)。

【学習の4段階】
①無意識的無能(知らないしできない)
②意識的無能(知っているができない)
③意識的有能(考えればできる)
④無意識的有能(考えなくてもできる)
⇒各段階で戦略を立てて学習し、④の無意識的有能の状態に持っていくことを目指す。

三浦:
仕事ではつくばFCを応援してくれている学童の子どもたちを間近で見られるので、活力をもらっています。「もっと頑張らなきゃ!」という気持ちが膨らみます。

藤井:
コミュニケーションのとり方は、サッカーでの経験が仕事に活きるし、逆も然りです。
社会人チームは特に、いろいろな場所でサッカーをしてきた選手が集まるので、選手によってサッカー観が違うんですよ。その中でコミュニケーションをとって、勝利を目指さないといけない。「どうすればチームが1つになるか」「どんな雰囲気をつくれば良いか」などプレー以外で考えることがたくさんあるのですが、それって職場や営業先の方と話すときにも必要なことだなって思います。

——:
様々な経験が繋がって活かされているんですね。

クラブハウスからひょっこり。

——:
サッカー・仕事・プライベートの切り替えって、どうされているんですか。

古寺:
サッカーのことを考えない時間はないので、切り替えられていないかもしれません。仕事に集中しながらも頭の片隅でサッカーのことを考えています。休みの日も、直前の試合を思い出して「あの時もっとこうすれば…」と考えてしまうのが悩みです…。

三浦:
私も切り替えられてはいません。仕事のあとに練習して…という生活に慣れるまで時間がかかりました。怪我をしていることもあり、オフの日でもサッカーのために体を動かさないと不安になってしまいます。

藤井:
私は逆で、休みの日にサッカーのことは全く考えません!昔は切り替えるのが難しかったのですが、段々とできるようになりました。
むしろ、休みの日は仕事のことを考えています。例えば電車の中で「あの広告枠はいくらぐらいなんだろう」とか、ショッピングモールでのスポーツイベントを見て「どういう風にお客さんを集めているかな」とか。そういうことを考えるのが楽しいです。

だから2人と同じような悩みはありませんが、「とにかく時間が無いな」とは感じています。仕事ももっとやりたいし、オフはオフで充実させたいし、でもサッカーのためにトレーニングもしたいし…と。

——:
藤井さんは切り替えているとはいえつくばFCで働いているので、サッカーのことが頭から離れないのではないかと思います。
それだけずっとサッカーが頭の中を占めていると、嫌になることはありませんか。

藤井:
幸せなことに、ないんですよ。
たしかに、仕事ではサッカーから離れたいという人もいます。ただ私の場合、三浦も言っていたようにつくばFCの中にいるからこそ周りからの応援を身近に感じられるので、サッカーが嫌になるというより、むしろクラブ愛が深まっていきますね

古寺:
感情的になってサッカーが嫌になることはたまにありますが、落ち着いてよく考えると、やっぱりサッカーは楽しいし好きだなと思います。プレーがイメージ通りうまく繋がると気持ちいいし、そういう楽しさを味わうと辞められません。

三浦:
怪我をしていると、少しだけ「このまま辞めようかな」と思うこともあります。でもまだまだサッカーを楽しみたいし上手くなりたいので、その気持ちがある限り辞めることはないと思います。

——:
かっこいいです…! 


3.つくばFCはあたたかい


——:
つくばFCは茨城県以外の出身の方も多いですよね。三浦さんは茨城出身ですが、藤井さんは大阪、古寺さんは千葉のご出身と伺っています。どういう経緯でつくばFCに入ることになったんですか。

藤井:
どのリーグに所属しているかというのと、プレースタイルや人柄を見て決めました。
当時のつくばFCは関東2部に属していて、上位のなでしこリーグ参入を目指していました。加入前に練習に参加したときにつくばFCのプレーが好きだと感じたし、メンバーの人柄やチームの雰囲気もすごく良かったんです。

自分のレベルに合ったリーグで、上を目指していて、人柄も良くて…。それにサッカーに関する仕事ができるということで、もう唯一無二というか。「ここに決めよう!」と思いました。

三浦:
茨城出身ですが、高校・大学時代は茨城県外のチームに所属しながら同時に茨城代表として国体にも出ていました。その国体の茨城チームの中につくばFCの選手が何人かいたのですが、そのチームがすごくあたたかくて心地よかったんです。
それで「サッカーを続けるなら地元が良い」「茨城の女子サッカーを発展させたい」と思うようになりました。

つくばFCは人もあたたかいし、クラブハウスがきちんとあって環境も良いなと。練習終わりには1食500円で管理栄養士のつくったごはんを食べられるのも、すごくありがたいです!

クラブハウス内のカフェはとてもオシャレ。
練習終わりにここでごはんを食べられるなんて、羨ましいです!

古寺:
実はつくばFCに入るのは2回目なんです。
1回目は、怪我をして休んでいた頃に仲が良かったつくばFCの選手に繋げてもらいました。それから1年半、すごくお世話になったのですが、上位のリーグで挑戦するため別のチームに移籍しました。

そこで2年間プレーしたのですが、改めて自分のキャリアを考えたときに「いつか引退するなら、最後はお世話になったチームに恩返しして終わりたいな」と思ったんです。

つくばFCって本当にあたたかいチームで、「もう一度ここでプレーして恩返ししたい」と思ったので、ここに戻ることにしました。

——:
みなさんのお話を聞いていても仲の良さが分かるし、本当に素敵なチームなんだと伝わってきます。

藤井:
古寺は以前所属していたときにも別のメインパートナー企業で働いていたのですが、そこでの評価がすごく高くて。選手の働きぶりが、スポンサー継続といった話にも繋がるんです。
しっかり働いてくれると自信をもって推薦できる選手なので、今回もメインパートナーであるダイハツさんで働いてもらっています。

——:
なるほど、信頼されているんですね。
すごく良いお話を聞けました!

明るく楽しく穏やかな雰囲気で、仲の良さが伝わってきます。

——:
それでは最後に、サッカーと仕事の今後の目標をお願いします。 

古寺:
サッカーでは、つくばFCとしてなでしこリーグ2部から1部に昇格することが目標です。仕事では、パートナー企業であるダイハツさんとつくばFCとの絆を深めてより応援してもらえるように頑張ります。

三浦:
昨年つくばFCに加入してから怪我で試合に出られていないので、まずは怪我を治して復帰して、チームに貢献したいです。仕事では子どもと関わる機会が多いので、つくばFCを通じて子供の笑顔を増やしてサッカーをもっと好きになってもらうことを目指します。

藤井:
サッカーのほうは、選手全員がいきいきと活躍できるチームにすることがいちばんの目標です。その結果として昇格できたらいいなと思っています。
仕事では、つくばFCをよりたくさんの方に知ってもらって、応援してくださる人を増やしたいです。

グラウンド。奥には桜が見えます! ※取材:2024年4月


4.おわりに


御三方の話を聞いて、つくばFCが本当にあたたかくて素敵なチームであること、選手の皆さんがサッカーにも仕事にも真剣に誠実に取り組まれていることが強く伝わってきました。

好きなことでも、目標を持って続けるのは簡単ではありません。それでも常にまっすぐに向き合い、忙しい中でも努力することをやめない皆さんは本当にかっこよく、見習わなければならないと思いました。
 

日本ベネックスは、これからもつくばFCを応援します!

(お読みいただきありがとうございました。)


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