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【長崎移住】移住サポートセンターだからこそできること

ながさき移住サポートセンターの職員、宅島毅さんに取材をしました。

2年半前、東京にいた社長室・木下(筆者)は、ながさき移住サポートセンターを通じ、宅島さんに出会いました。この出会いがきっかけとなり、木下は長崎へUターン移住し、日本ベネックスに入社することに。

移住の決め手は何だったのか、そのとき感じたことや考えたこととは。移住サポートセンターを利用してよかった点は…。

長崎移住を考えているかたのヒントになったら、うれしいです。

(取材・編集:社長室 木下)



1.移住サポートセンターとは?

画面右:ながさき移住サポートセンターの宅島さん


――:
ご無沙汰しております。今日は、移住についてのお話をいろいろと聞かせてください。

宅島:
お久しぶりですね。お役に立てるかわかりませんが。

――:
いえいえ。宅島さんがいらっしゃる「ながさき移住サポートセンター」は、県の組織なんですか?

宅島:
正確にいうと任意団体です。 運営資金は県が半分出し、残りの半分は長崎県の21の市町が出して運営しています。

――:
なるほど。移住に対する世間の関心が高まっていますよね。長崎県も移住者の数は増えていますか?

宅島:
聞かれると思い、データを用意してきました(笑)。

令和元年度は1479人、令和2年度が1452人。令和3年度は1740人です。微減の年があったものの、サポートセンターができた平成28年からは基本的に増えています。

令和4年度の正確な数字はまだわかりませんが、令和3年度と同水準だと思います。

――:
移住相談者にはどんな属性の方が多いんですか?

宅島:
サポートセンターへ相談に来られる方のボリュームゾーンは30~40代です。結婚や子育て、親の介護など「ライフスタイルの変わり目に」という方も多くいます。

――:
やはりファミリー層が多いんですか?

宅島:
実は最近、単身層が増えています。先ほどのデータの累積でいうと単身者が半分、2人世帯、3人世帯以上のファミリー層が半分です。

――:
単身者が半分とは、意外です。

宅島:
コロナを経て「転職なき移住」 という選択肢が生まれました。まだメインストリームではありませんが、増えてきています。


2.よりよいマッチングのために

――:
わたしが移住サポートセンターを利用したのは、有楽町(東京都千代田区)の交通会館にある「ふるさと回帰支援センター」にふらっと立ち寄ったのがきっかけでした。

ふるさと回帰支援センターとは:
「団塊世代が大都市からふるさとに帰る仕組みづくりを」と、2002年に創立。農協・漁協・森林組合、経団連、生協などさまざま団体が、ふるさと回帰運動をきっかけに地域から国を再生しようと創立を支援した。東京・有楽町のふるさと回帰支援センターでは日本全国44都道府県1政令市の専属相談員が常駐し、移住相談を受け付けている。

https://www.furusatokaiki.net/about/purpose/

宅島:
はい、はい。

――:
当時はコロナが流行し始めた頃で、ふるさと回帰支援センターの窓口もガランとしていました。さすがに「話も聞かずに帰るのは気まずいな」と思い、とりあえず長崎県の窓口に座ってみようと…(笑)。

すると窓口にいた職員さんが本当に親切で、いろいろと丁寧に話してくださって…。

宅島:
その時はどんなお話を?

――:
長崎県内の経済状況、産業の特徴、そして移住のサポート体制についてです。その方に、転職の担当者として宅島さんを紹介していただきました。

宅島:
そうでしたね。

――:
長崎県内に「どんな企業があるのか」を聞こうと、宅島さんに連絡したはずが、逆にわたしが「どんな人物か」「何を得意としているか」をヒアリングされ、そして瞬時に理解してくださったのを強烈に覚えています。

自分の強み・特徴を、宅島さんがどんどん言語化してくれたおかげで、自分の強みに改めて気がつきました(笑)。

なぜ一度のヒアリングで、あそこまで理解できるんですか?

宅島:
ぼくは以前、民間で人材紹介をしていました。キャリアコンサルタントとしては、必須のスキルなんです。

――:
バックボーンがあったんですね。

ヒアリング力もさることながら、県内企業について持っている情報の質と量に感動しました。

大手転職サイトや、ハローワークに記載されている情報を眺めても、正直ピンときていませんでしたが、宅島さんは経営者のタイプや人柄、その会社の展望まで細かく教えてくれたので、転職するイメージの解像度がグッと高くなりました。

宅島:
実は、もともと大手の人材紹介会社にいたんです。国内ナンバー2と3の会社に在籍したことがあります。

ナンバー3の会社にいる頃、ナンバー1、2のように求人票をばらまいて「数で勝負」ができないので、「企業を深く知っている」ことで差別化していました。

――:
そのときの仕事のやり方が、今もベースにあるんですね。

宅島:
そうなんです。

その後、人材紹介会社を退職して「ながさき移住サポートセンター」の立ち上げに参加しました。

移住といっても、仕事が見つからなければ移住できないですよね。でも逆に「仕事が見つかれば移住するのでは」と考え、行政で無料職業紹介所を立ち上げることになりました。

長崎の人材紹介の実情としては、大手のエージェントも入っていない、インフラはハローワークしかない。ハローワークの求人票って、内容を細かく書けないので、企業の魅力を伝えきれないですよね?

――:
はい。

宅島:
それでは絶対に「仕事が見つからん」となるのはわかっていました。 自分はエージェントでキャリアを積んでいたし、都会の人は転職する際、エージェントを利用するのに慣れているから、「エージェントスタイルの転職支援を作りましょう」ということで始めました。

――:
なるほど、それで。

宅島:
ハローワークで仕事が決まる人もいれば、木下さんみたいに「ハローワークの求人票だけでは決められない」という人もいます。一方で、県内企業の経営者は、外で経験を積んだ人材を欲しがっています。

そこをマッチさせて少しずつでも長崎で活躍する人を増やせたら、「長崎でも働く場所あるよね」となるんじゃないかと思っています。


3.理想的な転職支援

――:
わたしは宅島さんが教えてくれた、県内企業や経営者の「ウェブには載っていない情報」が、転職・移住の決め手となりました。

企業情報は調べれば何となくは理解できますが、経営者の人柄や、ビジョンなどの情報は、なかなか握れないと思います。

宅島:
もともと経営者と話すことが好きなんです。

人材紹介会社で一時期エグゼクティブクラスを担当していて、経営者が何をしようと考えていて、人的リソースは何が足りないのか、どんな人だったらそれができるのか、そんなことを経営者とずっと話すんです。

――:
全部つながるんですね(笑)。
そういえばベネックスの採用面談前日に、宅島さんに電話しましたよね。

宅島:
ああ、しましたね。

――:
「小林社長ってどんな経営者か、もう一度教えてもらえますか?」と聞いた記憶があります。

「小林社長は、薄っぺらで表面的な会話は嫌いです」って宅島さんが言ったことを今でも覚えていて(笑)。

なんでそんなことを知っているんだろうと、不思議に思っていました。

宅島:
小林社長とお話しするなかで、ぼくがそう感じたんでしょうね。お互い本音で喋っていたからこそ、そういうところも見えたのかもしれません。

移住って普通の転職と違い、結構なお金と労力をかけてするものですから、ミスマッチは極力避けたいですよね。会社の経営者、移住の相談者、両方の希望にあったマッチングをするためには、お互いの本音を聞かないことにはできません。

それと我々は転職させたからといって紹介料をもらうわけではないので、数を追う必要がないんです。相談者にも「ここがダメだったら、次」というスタンスでどんどん仕事を紹介するということはしません。

――:
ああ、より相談者に寄り添えるというか…。

宅島:
だから、理想的ではありますよね。



4.もっと自慢していい

――:
自分はもともと「長崎に帰りたい」と思っていたわけではなく、「移住もあり」というスタンスでした。そんなときに宅島さんから日本ベネックスを紹介していただき、「ここで働きたい」と強く思い、移住を決めました。

そういう企業、仕事を目指して移住するパターンは多いですか?

宅島:
そういう移住が増えてくれると嬉しいのですが、「長崎に帰る」ということが先にあって、転職は何らかの妥協をして‥というのがまだ多いですね。

「地方にも活躍の場がある」ということを、語れる企業も増えてほしいです。

――:
まさに。「ここで働きたい」と思えたのは、東京で働いているころと同じ、もしくはそれ以上のモチベーションで働けると思ったからです。

企業として「仕事内容」だけではなく、そういう部分も発信しないといけませんね。当社もUIターン人材の採用には力も入れていますし。

宅島:
長崎にも素晴らしい会社はありますが、アピールが…あまり上手じゃないかなと思います。ぼくは大阪に長く居たんですけど、大阪の会社はアピールがすごいですよ(笑)。

県民性の違いもあるかもしれませんが、「もっと自慢したらいいのに」って思います。仕事内容も経営者も、おもしろい会社はたくさんありますよ。

――:
日本ベネックスに入社して、会社を知れば知るほど「もっと外に向けて発信するべき」と思う部分はたくさんあります。

とはいえ、社長の小林は表に立って自ら発信することがあまり好きではないタイプなので、こういうオウンドメディアに登場してもらい、半ば強引に話を聞きだす、ということをやっています(笑)。

宅島:
ああ(笑)。小林社長の話を聞いたり、noteの記事を読んだりして思うのは、何でも「機が熟すまで待つ」ということを大事にされていますよね。

会社としてやりたいこと、やるべきことは色々とあるんでしょうけど、それを無理に推し進めることなく、中から声が上がってきたタイミングや、組織や人が育ってきたタイミングでやる、というような。

――:
「理想は抱きつつ、やることは堅実に」ということは大事にしている気がします。

最後に、5月28日(日)に東京で開催される移住相談イベント、「九州・山口・沖縄合同移住フェア」に当社も出展させていただきます。

宅島:
ようやくリアル開催のイベントができるようになったので、うれしいです。

――:
今回以外にもおすすめのイベントがあれば教えてください!

宅島:
全部おすすめですが、6月10日(土)に福岡で「ながさき暮らし相談会」を開催します。長崎移住をお考えの方にぜひ参加していただけたらと思います。

――:
今日はお忙しいなか、本当にありがとうございました!

宅島:
こちらこそ、久しぶりに会えて楽しかったです。ありがとうございました。


(お読みいただきありがとうございました!)


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