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5月 車窓、読書、文章、自意識


あっという間に5月も終わる。前回投稿から1ヶ月。「5月31日までに投稿すると、12ヶ月連続投稿ですよ」という通知が頭の隅に居座り続けており、モヤモヤを払拭したい一心でキーボードを打っている。

記事のタイトルに○月と入れるようにした。今のモチベーションでは1ヶ月1投稿が限度だろうという諦念と、流石に1つくらいは何かしら書いておきたいという焦りから、試運転的にやっている。デメリットとしては、その1ヶ月を象徴するようなタイトルがそう浮かばないということ。結局単語の羅列に甘んじている。

車窓

バス、電車、新幹線、車。車窓から景色を眺めるのが昔から好きだった。中でも神戸の街を見る時は、過去の思い出と相まって懐かしく寂しく、思わず泣きそうな心地になる。実家から大阪に戻る際はバスが必ず阪神高速3号神戸線を通るため、右にメリケンパーク、左に歩道橋とビル群が広がる瞬間がある。感情をぐしゃぐしゃにしながら、流れゆく景色をひたすら目で追う。その束の間の時間が好きだった。

バスからの写真が無いので、高いところからの写真を。


今年のGWも実家で過ごし、気力十分で戻ってきたのだけど、その日は眼前に広がる光景からなぜか何も感じることが出来なかった。街が変わったわけではない。目に見えるものは変わらない。おそらく思い出が薄まったのだろう。

当時、新型感染症が猛威を振るっていたこともあり、諸々が強烈な印象として記憶されていた。他者との関わりは隔たれ、全てが画面越しとなり、恋人と別れ、卒論を提出し、大学を卒業した。何がなんだかわからないまま、記憶に刻まれた様々な感情。それらをうまく昇華しきれないまま、月日はきちんと流れた。

感染症も知らぬ間にステージが変わり、記憶の中で留まっていた思い出も、いよいよ過去になっていく。整理できずに残ったカタマリとしての思い出は、ときほぐされることなく消えていく。

2019年度末以降、様々なものがこぼれ落ち続ける中で、かろうじて残った尊い思い出。なんとか飲み込んで、これからの生活にきちんと目を向けたいけれども、果たして。

淀屋橋にて。

資本論

カール・マルクスの資本論を読んでいる。岩波文庫の向坂逸郎訳で、合計9分冊。これまで解説本をいくつか読み齧り、分かった気になっていたが、ここで本腰を入れて取り組むことに。難解と名高い、歴史の大著。今年度中に読み終われば御の字だろう。多少間が空いてもいいので読み切ることを目標とする。

5月30日現在、第1章 商品まで読み終えた。商品には価値と使用価値があり、価値は物自体に、使用価値は人によって規定される。価値は人の労働時間によってその大いさが決まり、単純な物々交換、例えば布○メートルは服1着に等しいというような簡単な等式が、現在の我々が当たり前のように行なっている貨幣経済の萌芽であるという内容。

1文字ずつ追っていけば案外理解できるのだが、いかんせん時間がかかり過ぎるので読み解き本を購入した。著者の経歴からして解釈にフィルターがかかっている可能性があるが、そこも差し引いても読みやすい。今後は並行して読んでいく。

note

4ヶ月くらい前、正月。
コタツでくたばっている時に「今年は文章たくさん書きたいな〜」とをぼんやり考えていた。それもnoteに。

とりあえず今まで通り、読んだ本の感想をまとめたい。これまでは佐藤優氏を参考に、アナログノートに本の抜き書きを残す方法を取り入れていた。これはインプットの側面が強く、山口周さん風に言わせればイケスに魚を放り込むようなもので、単に見返すだけではアウトプットできるレベルにまでは至らない。

抜き書きは続けるとしても、より対外的に説明する機会が必要だなと考えていた。そこでnote。IPadならキーボードが使えるので、スマホの小さな画面でちまちま書く必要もない。これは良いぞと思っていた。コタツの中で。

簡潔で分かりやすく、筋の通った文章。自分が誰かに話して聞かせる際、思い出しやすい流れでまとめたい。上司から、文章が長くてクドくて分かりにくいと酷評を受けたこともあって、今に見てろと燃えていた。コタツの中で。

言わずもがな、そう簡単にいけば苦労はない。そもそも「note書こう」という気持ちにならない。そしてIPadでの作業は、なかなかどうしてハードルが高いのだ。アプリを押し、下書きにまで画面を進めて、書く内容を頭に思い浮かべ、キーボードに言葉を移植する。改めて書き出してみるとかなり面倒くさい。意志が脱落せずにここまで辿り着けなくてはならないのだ。


書いては消して、書いては消して。たまに眺めて。丸ごと消したり、言葉尻を弄ったり。読むに耐え得るクオリティにまで推敲を繰り返し、初めて文の塊を外界に送り出す。このハードルが恐ろしく高い。

書いてる途中で恥ずかしくなってお蔵入りするものもあれば、書くのを先延ばしているうちに内容に対する興味を失い、記事そのものが消滅することもある。ライティングの哲学で語られていたような、書くことの苦しさが少しだけ分かる気がする。

そんなこんなで今年はnote継続頑張ります。

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また更新します。








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