【フュリオサ】子役の顔をAIで似せていた件【これちょっとした詐欺では?】
フュリオサの子役がアニャ・テイラー=ジョイにあまりに似てるので、よく見つけてきたなあと感心していたのですが、どうやらCGで子役の顔を成長に合わせて35〜80%加工していたそうです。
●あるアメリカのテレビ番組で
2024年5月のThe Kelly Clarkson Showで、この話題が取り上げられました。
番組ホストであるケリー・クラークソンは映画を観て非常に似ている子役に驚きつつも、後からそれがAIだったと知ってそれ以上に驚き、むしろ怖くなったと語ります。これに対してゲストのテイラー=ジョイは俳優の顔をAIに取り込むのはハリウッドのストライキの原因にもなった事象であり、使用する際には俳優とのコンセンサスが必要だと強調していました。
うーん、間違ったことは言ってませんよ。
でも、そこじゃないんですよね、私の懸念ポイントは。
テイラー=ジョイはAIに仕事を奪われる恐怖の話をしてますけど、
私はAI利用を怖がってるんじゃなくて、騙された感じがするから、嫌なのです。
●観客が本当に求めるものとは?
AIによる顔のコピーは、技術としては興味深いし、俳優の肖像権の問題として重要です。でもそれ以上に、一人の観客(消費者)として、俳優の演技やそれを期待する観客をバカにしてる感じがするのであまり良くないと私は思います。
ちなみに私は劇中でV8エンジンを組み立てる場面ではアニャ本人が演じて、それをCGか何かで小さくしてるのかと思ってたのですが、まさか別人の顔をアニャにしていたシーンもあったとは、驚きました。
まあCGの作業効率を考えればそっちが正解なんですけど、やっぱり顔をバレないように弄るのには抵抗があるなあ。だって、要するにディープフェイク映像じゃん。
これが例えばアバターみたいに、最初から「CGキャラに乗せまっせ」と宣言してるなら全く抵抗ないんですけど。騙された感じが嫌なのかもしれませんね。(*もし事前に大々的に宣伝してたら、申し訳ありません)
私がなぜ映画を好きなのかといえば、映画とは基本的に虚構の世界でありながらその中で本物の人間性(ヒューマニティ)が美しく見える瞬間があるからです。その意味で、俳優というのはVFXがどんなに進化しても最後まで残る人間らしさなので、それをCGにすることには抵抗があります。
役者から人間性が溢れる瞬間を見たくて映画を観てるのに、AIでジェネレートされた画像だけ見せられてるなら、それってちょっとした詐欺じゃないですか??
それだけを理由に映画の評価を著しく下げるということはしませんが、観ていて心地良いものではないですし、もう一度観たいという欲求は結構ドラスティックに消えてしまう事実でした。
●参考資料
Furiosa's Ground-Breaking CGI To Make Young Actor Look Like Anya Taylor-Joy Revealed - SCREENRANT
●過去記事
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(了)
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