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小胸筋の触診

前回は肩甲挙筋について整理してみました。
どうだったでしょう?臨床で意識してみると意外に上角あたりの圧痛を訴える方が多く、アプローチしてみると肩関節の可動性が改善するケースが多い部位です。ぜひ意識されてみてください。
今回のテーマは肩甲挙筋と協働して肩甲骨下方回旋に作用する小胸筋について整理していきましょう。

1 触れることの臨床意義

作用としては烏口突起を前方に引き、肩甲骨下角を胸郭から離すように働きます。そのほかにも上記で説明した通り、菱形筋、肩甲挙筋と恊働して肩甲骨下方回旋に作用します。
肩関節不安定症の中には、小胸筋、肩甲挙筋の攣縮による不良姿勢が原因で、二次的に肩甲上腕関節の不安定性が生じていることもあります。
肩甲骨のアライメント異常が疑われた場合はしっかりと触診し、状態を把握しておきたいですね。

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(引用:visible body 2021)

2 特徴

小胸筋の起始である烏口突起の下には腕神経叢が走行しています。

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(引用:visible body 2021)

そのため、小胸筋が不全になると、上肢に疼痛を引き起こす病態である小胸筋症候群が生じます。上肢外転時に症状の発現が多いことが特徴です。
また、触診時も注意が必要であり、烏口突起周辺での触診は避けていきましょう。

3 実際の触診方法

では、実際に触れていきましょう。小胸筋は大胸筋の深部にあり、大胸筋を介しての触診となります。そのため、小胸筋を触れる際には徐々に指を沈めていくことが触診のコツです。
① 烏口突起を確認
② 烏口突起から乳頭に向かう線上に外側縁を確認
③ 烏口突起から約45°内側の線上に内側縁を確認
④ 肩甲骨下方回旋にて収縮を確認

スクリーンショット 2021-09-27 6.34.11

4 まとめ

深部にある筋を触れる場合、3Dのイメージが非常に大切です。大胸筋はどのくらいの厚みがあるのか?それを介して触れるためにはどのくらい沈めていけばいいのか?ぜひ、ご自身でも整理してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。最後まで読んでいただきありとうございました。

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