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黒井夢日記

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興味深い夢を見たら、そのたびにここで公開します。
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漂流の夢

漂流の夢

(これは今朝僕が見た夢の記録である。今朝の夢は、「俺」を自称する僕以外の人物の一人称によって進行していった。また僕から見たその夢は、カメラワークその他において非常に映画的な性質を持っていた。それゆえ今回の夢日記は小説ではなく脚本の体裁を取る)

○1 洋上

鉛色の曇天と黄色く濁った海、その海の上を「俺」のボートと「教授」のボートが二艘並んで進んでいる。俺は髭を伸ばしている。教授も決して綺麗な姿で

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村人の夢

村人の夢

※今回の夢は著しく寓話性が高いです。よって読者の中には僕の創作を疑う人もいるかもしれません。しかし今までと同様、僕は最低限の体裁を整える程度の脚色しか行なっていません。むしろ僕は自分の無意識の中にこのような寓話性を生む契機があったのか、と驚いてすらいるのです。以上の旨ご理解ください。

 僕は夢の中で小説を読んでいた。それと同時に、僕は夢の中の小説の主人公でもあった。よってこの夢には行動し苦悩する

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注射の夢

注射の夢

 学校から課題として提示された夏期のレポートを書き上げるために、僕は友人たちとともに図書室へと足を運んだ。図書室は狭いが充実していた。特に東洋文庫と古いSFが多く並んでいる。そのためか、図書室の一隅ではSF好きの先輩二人がSFに求める美意識を巡って論争を繰り広げていた。どうやら一方はハードSFを、もう一方はスペースオペラを好んでいるらしい。僕はSFではなくもっぱら東洋文庫に興味を抱いた。
 図書室

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多幸の夢

多幸の夢

 今朝、僕は夢の中で明らかな麻薬を摂取しました。あくまでも夢の中の話なので法には触れないのですが、それによって僕は今まで感じた中で最大の快楽を享受しました。今も僕は快楽の余韻に浸りながらPCに向かっています。あの快楽はなんだったのか。あれにまた至ることは出来るのか。そのことを知るために僕はこの文章を記録として残します。

 僕の夢の中でその麻薬は「多幸ガム」と呼ばれていました。実際それはガムの形を

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連峰の夢

連峰の夢

 今日、僕は途中に覚醒を挟みながらも連続性のある夢を三つ見続けた。物語そのものには多少の断絶があるのだが、それらの夢には一つ重要な共通点があった。夢の舞台となる「地形」が三者ともに一致していたのだ。
 北に岩山が聳えている。僕はその岩山のことを火山だと認識している。南には高地が広がっており、高地にも小さな峰が連なっている。高地の北の縁には学校が建っている。学校と岩山の間の谷には低地が広がっている。

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加速の夢

加速の夢

 今朝も夢を見た。
 夢の中で僕は母校を訪れていた。かつて所属していた吹奏楽部に顔を出すと、生徒たちが練習に励んでいた。そこで僕は自らが作曲した楽譜を彼らに手渡して「これを演奏してくれ」と頼んだ。演奏が始まる。スペシャルズやマッドネスのようなスカだ。これを自分が作曲したのか、と僕は得意な気持ちになった。
 僕は学校教育のために制作されたアニメを生徒たちとともに観ている。おそらく僕は教師の役を任され

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存在の夢

存在の夢

 こんな夢を見た。
 僕はコンクリートの階段を下へ下へとくだっていた。階段は長く急だった。
 僕は観衆に告げるように大きな声で語った。
「皆様を責めるまでもありません。かく言う私も、小さい頃は『存在』の声に耳を傾けていたのです」
階段は奥底へと続いていく。奥底には僕の見たくないものがある。僕はそれから目を逸らしている。しかし僕は歩を進めることをやめられない。
「僕はかつて『存在』の声に耳を傾けてい

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邯鄲の夢

邯鄲の夢

 おはようございます、黒井瓶です。
 今朝、僕は夢の中である女性と知り合い、親しくなり、すれ違い、和解し、結婚し、子を儲け……そして僕はその女性に先立たれました。
 起きてから僕は一切が夢であったことを知りました。僕はいったい何をすればよいのでしょうか。

 僕は妻と高校時代に知り合いました。
 僕はかつて熊谷高校という男子校に通っていました。(これは現実とも一致しています。)僕は成績も悪く、さら

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柄杓の夢

柄杓の夢

 僕は夜道を散歩するのが好きだ。夜道といえどそこまで暗くはない。青緑と灰色の入り交じったような奇妙な色の空の下をぼんやりと歩いていく。周囲も明るいのに街灯の下はさらに際だって明るい。そのようなさまを僕は面白く感じていたのだ。
 しかし、そのような夜道を歩いているときには変な人と出くわすことが多い。変な人は怖い。何をしてくるか分からないからだ。
「どうすれば変な人と遭遇しなくなるだろう」
ある日、僕

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断層の夢

断層の夢

 今朝は奇妙な夢を三つほど見た。

第一の夢 僕は世界地図を眺めている。誰かが僕に少数民族のことを説明している。非インド=ヨーロッパ系民族が大半を占める地域に、ぽつんとインド=ヨーロッパ系民族の村が点在している。その民族は滅亡の危機に瀕している。その民族は日本について何かを知っている。

第二の夢 僕は高崎を歩いている。高崎の中心には大規模な商業施設や高いビルが立ち並んでいるが、周辺に向かえば向か

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小僧の夢

小僧の夢

 興味深い夢を見たのでブログ記事として公開しておく。

 祖父の家の畳に寝そべっている。
 祖父の家は田舎の一角に建っている。古風な日本家屋だ。仏間があり、縁側があり、庭には石灯籠がある。その一室で僕はひとり家族の帰りを待っていた。要するに留守番だ。季節は夏。おそらく僕は小学校の高学年。
 ガラガラガラと表戸を開ける音がした。家族が帰ってきたのかと思い戸へ向かうと、そこには甚平姿の小僧が立っていた

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西瓜の夢

西瓜の夢

 あけましておめでとうございます、黒井瓶です。
 先ほどまで僕は怖い夢を見ていました。そこで僕はその夢の内容をブログに書き記すことにしました。新年最初の投稿にしては暗い内容となっておりますが、ご了承ください。
 ちなみに初夢とは一般的に「1/1と1/2の間の夜に見た夢」のことだとされています。「12/31と1/1の間の夜に見た夢」は初夢ではないのです。本当によかった。

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 女の

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隕石の夢

隕石の夢

 印象深い夢を見たのでブログ記事として公開しておく。

 隕石が常に降り続ける時代となった。火山灰のようにゆっくりとした小粒のものからミサイルのように速い大粒のものまで、さまざまな種類の隕石が人類の頭上に落ちてくる。
 僕は高校生だった。僕たちの学校の名物だった体育館のガラス屋根には小粒の隕石のせいでヒビが入ってしまっている。僕は仲の良い用務員の女性に頼まれ、屋根からこぼれるガラスの破片を一緒に拾

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