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食べ物がゴミになる瞬間【愚痴】

外出制限が始まり9日ほど過ぎました。近所にある幼稚園も小学校が休校なことに加て昨日から3人以上の会合禁止が始まったこともあり、世の中がとても静かになりました。

ここ直近10日のこの制限の成果なのか、今日は新型ウイルスに感染した人たちの数が横ばいになってきたとニュースで流れていました。
とても収束に向かっているとは思えませんが、ひとまずは良いニュースなようです。

先週と今週で大きく変わったことは、スーパーの混雑が減ったことです。10日前の週末が一番混んでいました。
そのときに買い溜めされた食べ物の一部がすでにゴミとなってそろそろ捨てられ始めているのも問題になってきているようです。

実際に私も公園でお年を召された女性がパンを小川の魚に「エサ」として投げているところに遭遇しました。それは本来のエサの量とはいえない、切ってもない大きなままのパン、ちぎってさえいないそのままのパンをどぼん、どぼんと何個も小川に投げ込む様子はあまり魚に愛情があるように見えず「いやいやおばあちゃんパンは買い溜めできないから」と心の中で思いつつ、なんだかちょっと心が痛みました。
不安でいっぱい買っちゃったけど食べ切れないし、「ゴミ」としては捨てられないけど「エサ」として魚にやろう、そんな気持ちのかなと思います。

どうして人は食糧危機ではないのになぜ食糧を買い溜めするのか?

それは食べ物がなくなっちゃう心配があるからだと思いますが、食糧不足ではないのにどうして同じ日に多くの人が食べ物の買い溜めに走るのか。

なんの自慢にもなりませんが「食べ物がなくなっちゃう心配」といっても私くらい病的なレベルになりますと、食糧は常に数ヶ月分の備蓄があります。でもこの備蓄している食べ物の出番は今のところありません。未だかつてないというのが正しいです。
食糧危機や食糧不足ではなく、普通に流通しているからです。

でも本当は備蓄や買い溜めなどしなくても、たとえ土曜日に売り切れているものがあっても、月曜日には現在のような状況でもほとんどのものがまた入荷されていますから(ドイツのスーパーは駅中や観光地を除き基本的に日曜休日は休みです)、無駄に週末に買い溜めする行為が私にはいまいち理解できません。

それにパスタ類が売り切れていたといっても、うちの近隣でいえば人気がない形のパスタはいつも売れ残っていました。売り切れているのはスパゲティやマカロニ類で、ラザニアはいつもぽつんと売れ残っていました。箱が棚に接着剤でくっつけられているのかと思うほどたったので、つんつんと押してみたらもちろん接着などされてません、ただの売れ残っているだけです。他にも人気がない形のパスタはよく売れ残っていました。
そして有機パスタなどの高額なものは、結局売り切れることなんて1度もなかったです。

買い溜めのピークの週末から時間が経ってそろそろ捨てられ始める食べ物たち。
当初からずっと言われていましたが、食べ物が「ゴミ」になる前に「Tafel ターフェル 」というような、恵まれない人たちに食料品を配給する団体に寄付するよう呼びかけも一層強くなってきています。

人間のわがまま、エゴなのか、私たちはただ踊らされているだけなのか、その両方なのかよくわかりませんが食べ物を捨てるということが、私にはとても心が痛みます。うちのおばあちゃんに怒られちゃうわそんなことしたら…
とりあえずパスタ類は日持ちするので、買い溜めした人たちはぜひ責任をもって消費してもらいたいと、本気でそう思います。

制限が厳しくなって10日後の、だんだんと表にあらわれてきた悲しい人間のエゴの話でした。

余談:今日の表紙の写真はご近所さんのお宅の桜です。

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