「明日、私は、目隠しをされる」
今年の誕生日、前日のこと。
眠る前に次女が
「明日、隠れん坊しようね。でね、ママはポンチョで目隠しして。」
という。
「え?ポンチョ?」
「えーっと、なんだっけ。なんでもいいから目隠しするからね。隠れん坊しなくてもいいから、とにかく、目隠しするから、いいよ、って言ったら取ってね。おやすみ!」
って。
きっと長女と何かサプライズを考えていて「ママには内緒だよ」と言われ、尚且つ、二人の間の作戦会議の中では、隠れん坊という口実で私にアイマスク(間違いなくポンチョじゃないね!)で目隠しをして連れてこようみたいな算段になっているのだろう。
黙っていなくちゃいけないのに、あまりにもフルオープンな7歳児の秘事や、溢れ出してしまっているわくわくを思いつつ、ベッドに入り目を閉じて
「明日、私は、目隠しをされる」
と心の中で呟くと、私までわくわくが止まらなかった。
翌朝、誕生日の朝。
朝一番に姉からのLINE。お誕生日のお祝いの言葉と共に、子供頃の懐かしい話。もう二度と戻ることのない時間に涙が出そうになりながら
「子供の頃の楽しい思い出は大人になってからも自分を支えてくれるね」
と返事をした。
さて、隠れん坊という隠れ蓑のことなど、すっかり頭から消え去ってしまった次女は、朝、目が覚めた時から「目隠し」の連呼で、何にも気が付かないように過ごすことの方が苦行のようだったけれど、お昼ごはんを食べ終わって、少しした頃、ついにその時がやってきた。
「ママ、目隠しするからこっちにきて!」
と寝室に連れて行かれて、タオルで目隠しをされた。さらに、危ないからベッドに横になっていて、と小さな手が私の手をギュッと握りしめた。一体、どんな危ないことが起こるのかしら、とドキドキしていたのに、特に何も起こらず、そのまま二階のリビングまで連れて行かれた。
パンパンパーーン!!!
というクラッカーの音とともに開かれた目隠し。そこには、おめでとうとありがとうのかわいいかわいいパーティーが待っていたのでした。
「サプライズ、びっくりした?」
っと子供たち。
全然サプライズじゃなかったよ、と思いつつ、びっくりしたよーーー、と答えた私はきっとものすごくほっとした顔だった気がする。だって、昨日の夜から一緒にサプライズを守り通したのだもの。
おめでとう、私。
ありがとう、みんな。
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