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全訳トム・ケニオン「The Aethos: Thoughts and Observations(アーエートス:トムによる見解と考察)」

記事の概要

 ハトホルのチャネラーであり、サウンドヒーラー、エリクソン催眠療法家のトム・ケニオンの記事の全訳をお届けします。

 2012/09/20に公開された「The Aethos and Non-dual States of Consciousness(アーエートスと非二元的な意識状態)」で言及されているサウンド・メディテーションについてのさらなる考察と、これを聞いた人たちからの体験で生じたことが検討されています。

 まだこの記事をお読みでなければ、先にこの「アーエートスと非二元的な意識状態」をお読みになることをお勧めします。

 「アーエートス」や非二元性についてだけでなく、トムの長年にわたる脳や意識・心理状態との研究・観察の一端も見ることができる記事です。


トム・ケニオン

「The Aethos: Thoughts and Observations(アーエートス:トムによる見解と考察)」

翻訳者:jacob_truth 翻訳完了日:2021/09/05(日)

訳注1:文中で、「Orchidium(オーキディウム) 2013/06/27」を参照記事として挙げているので、このトムの「アーエートス」についての考察記事は、2013/06/27以降に公開されたと推測され得る。

原文:

瞑想使用音源:
 ” The Aethos Sound Meditation” (05:04)
 “The Hathor Heart Chakra Healing Sound Meditation” (14:42)

 私が初めて「アーエートス(Aethos)」と出会ったのは、2011年、ある周期的な実存的落ち込みの時でした。憂鬱な気分に浸っていた数時間後、ハトホルのメンターの一人が私を、光の領域を通って10次元に連れて行きました。そこで彼は私に、「アーエートス」と一緒に「座る」ように指示したのです。

 すぐに心が落ち着きました。そして、まもなくサマディ(ヨガのトランス状態)のような状態になり、非二元的な意識状態に深く深く沈んでいきました。

 数時間に渡って私の心を支配していた動揺が、数分後には、一気に解消されたのです。それも、私が「アーエートス」の現前の中にいるだけで実現してしまったのです。

 非二元論の考え方は、古代インドのウパニシャッドやバガヴァッド・ギーター、様々な神秘家や賢者の非二元論の教え、そして、仏教の本質的な教えなど、様々な「永遠の哲学(Perennial Philosophies)」に現れています。

 私が"座った"「アーエートス」は、先に述べたように10次元のハトホルです。私がこの存在を透視的に感じる時はいつも、13個の逆回転する球体が互いに埋め込まれた光の球として"それ"をはっきりと見ることができます。私の感覚では、この逆回転する球体が作る比率が組み合わさって、非二元的なエネルギーを生み出しているように感じられ、それが私に強い影響を与えたのです。

 ジェンダーを感じさせないこの存在を、私は「それ」と言及しました。4次元から9次元で出会ったハトホルたちは、性別のある擬人化された形の光の体と、幾何学的な光の構成の両方を持っています。10次元・11次元・12次元で出会ったハトホルたちは、幾何学的な光の形としてのみ存在しています。つまり、肉体を持たないのです。

The Aethos Sound Meditation
 私が『The Aethos Sound Meditation』を録音した時、この10次元のハトホルが全プロセスで私を導いてくれました。エンジニアリングの観点から見ても、それは魅力的な経験でした。

 8つのトラックのそれぞれを録音すると、この存在は私の声を、以前に録音された音とは異なる方法・異なる比率で変化させました。基礎となるトラックを置いた後、「それ」の存在を構成する光の揺らぎに近づけるために、「それ」の導きに従ってトラックを重ね、ループさせただけです。サウンドの電子的操作は一切ありません。つまり、何らかの方法でEQを変えたり、声にリバーブなどのエフェクトをかけたりはしていないということです。『The Aethos Sound Meditation』で聞こえてくる音は、聴いた後では理解しにくいかもしれませんが、完全に自然で、何のエフェクトもかけていません。

2年後
 この文章を書いている時点で、「アーエートス」との最初の出会いから約2年が経過しています。この間、複数の場面で、「アーエートス」と『The Aethos Sound Meditation』との交流がありました。

 このユニークなサウンド・メディテーションについて、私が発見したことをいくつか御紹介します。私の観察が、この触媒的なサウンド・ピースが開く意識領域を探究したい人たちの役に立つことを願っています。

 しかし、その前に、2012/9/20の、ハトホルのオリジナルメッセージに注目してみましょう。

 ハトホルのメッセージ(タイトルは「The Aethos and Non-Dual States of Consciousness(アーエートスと非二元的な意識状態)」)の全文は、ウェブサイトのハトホルのセクションで御覧いただけます(この記事では翻訳にリンクしてあります)。以下は、オリジナルのメッセージからの抜粋です。


2012/09/20のハトホルメッセージからの抜粋
マインドと意識
 私たちにとって、意識(consciousness)はあらゆる現象を超越したものであり、神経系の活動に縛られることはありません。

 さらに、意識は、あなたが認識している時間と空間の両方を超越しています。そして、自分の意識という乗り物を使って、受肉した存在という制約の外につながるエネルギーの渦を旅することができるのです。

 私たちが使う「心(mind)」とは、神経系の明確な変化の結果として得られる、感覚的・精神的・感情的な経験のことを指します。実際、あなたがこの言葉を読んでいる時、あなたは、自分の肉体の脳と神経系の働きによって、その意味を作り出しているのです。

 あなたは「心の窓(window of your mind)」を通して私たちの言葉の意味を作り出しています。しかし、この窓は、あなたの神経系の限界によって作られ、また制約されています。

 私たちのメッセージは言語的にコード化されており、コミュニケーションのシンタックス(秩序)の各所には、一時的に心を超えて、無限の神秘である意識に入ることができる渦(ワームホール)があります。

私たちはいかにして高次元を捉えるか?
 私たちの経験では、私たちは複数の意識次元の中に存在しています。個人の進化レベルに応じて、4次元から12次元に具現化します。9次元では、人間のような外見をした姿と、純粋な光の体(light body)を交互に使うことができます。

 私たちが10次元に移行すると、人間的な外見をした形とのつながりが全て解消されます。私たちは、どこから見ても、幾何学的な光の形になります。

 私たちは、自分自身の進化に応じて、10次元・11次元・12次元を通して、様々な方法で自分自身を表現することができます。

 意識が上に進むたびに、全ての存在と宇宙の全ての側面が相互につながっていることを、より深く理解することができます。10次元に入ると、存在の奇妙な逆説がはっきりと見えてきます。

相互結合性と非二元性
 私たちがこの情報を共有しているのは、あなたが自分の存在の高次元に移行する際に、同じようなことが起こるからです。10次元から12次元では、「相互につながっている」という意識が広がり、「万物の母(the Mother of All Things)」である非二元性(non-duality)の意識も高まります。

 これは、先に述べた「意識(存在)の逆説」であり、あなた方の「永遠の哲学(Perennial Philosophies)」のいくつかでも取り上げられているものです。

 私たちにとって、非二元性の達成は最終目的地ではなく、より大きな熟達と、善い結果を創造する方法を理解するためのカンチレバーなのです。

私たちはいかにして非二元性を捉えるか?
 非二元的な意識状態では、私たちは、あなたと同じように、対立の消滅を経験します。非二元的な意識状態では、相対的な存在の中で経験される二元性が消えます。そして、私たちは、中心にある意識と静寂の偉大な感覚に入ります。

 非二元の最も深い状態では、純粋意識が自分自身を経験しているだけです。

 非二元的な意識状態は、知覚者に呼応するものであることを認識することが重要です。もしあなたがハートチャクラを通して非二元性を体験したら、非個人的な愛(impersonal love)、つまり宇宙とのつながりを深く感じることができるかもしれません。

 確かに、非二元性と心(heart)が一体となった状態では、宇宙に夢中になり、恋に落ちます。そして、その心(heart)の逆説の中で、あなたは「最愛の人(Beloved)」となり、あなたが見るもの、目撃しているもの全てが「最愛の人(Beloved)」でもあるのです。

 これは美しい意識状態ではありますが、純粋な非二元性ではありません。

 高次のチャクラに上がれば、非二元性の経験は変化します。

 クラウンチャクラにいると、非二元性が純粋な形で経験されます。つまり、純粋意識が自分自身を認識します。このような高次元の非二元性には、個人的な自己(personal self)という感覚はありません。

 「創造の逆説(The paradox of creation)」とは、最も純粋な非二元性の状態から、最も偏った存在の状態へと展開することです。このように、あなたの意識の中には、相対的な存在(=時間と空間の中に具現化した人生)と、全ての極性や葛藤が消滅する非二元的な意識状態という、一見相反する2つの状態が存在しています。

 先に述べたように、非二元的な意識状態は、創造をよりマスターするためのカンチレバーであり、進化の終着点やゴールではないというのが、私たちの見解です。

相互結合性 対 ワンネス
 ここで、「相互結合性(interconnectedness)」と「ワンネス(oneness)」の概念の、重要な区別をする必要があると考えます。私たちはこの2つの言葉を、同じ意味で捉えているわけではありません。地球上には様々な「ワンネス(oneness)」の定義があり、その微妙さと差異の全てを取り上げることはできません。

 その代わりに、私たちが基本的な特質だと考える点に注目します。ある人は、「相互結合性」は「ワンネス(oneness)」と同じであり、高次の意識状態や高次元の存在に入ると、光の塊に融合し、そこでは全ての区別がなくなると考えています。これは私たちの見解ではありません。

 「相互連結(Interconnection)」あるいは「相互結合性(Interconnectedness)」とは、全ての存在と宇宙の全ての側面が相互に関連しており、同時に、存在にはユニークな違いがあるという認識です。これらの違いは、魅力的でユニークなものです。

 それは時に煩わしいものであり、時に豊かなものでもあります。しかし、これらの違いは顕在化した現実のタペストリーの一部であり、余計なものではありません。

 現在、ニューエイジや自己成長コミュニティの一部の人々によって広められている「ワンネス(oneness)」という概念の難しさの一つは、人々の間のユニークな違いが否定されること、そして、全てが「ワン(one)」であるがゆえに、個人の間の適切なエネルギー的境界が、しばしば無視されてしまうことです。

 さらに、この信念システム(=「ワンネス(oneness)」)を、個人の責任や責務を回避するための言い訳に使う人もいます。全ての次元における自分自身の経験において、私たちはユニークな個人であり続けます。そして、高次元の存在は、私たちの独自性を消し去るものではなく、むしろ創造のためのより大きな機会を提供するものなのです。

アーエートス
 ここでは、私たちの最大の文化的財産の一つである「アーエートス(Aethos)」(AH-EE-THOSと発音します)にアクセスする方法を御紹介します。

「アーエートス」とは、純粋な非二元性に固定された意識の帯域です。

 ハトホルが10次元に入ると、多くの機会と方法で現実化することができます。

 ある人々は、一時的に、振動のコミュニティに参加することを選びます。このコミュニティは、10次元・11次元・12次元にいる個々のハトホルで構成されています。これらの個々人は、自らの意志で非二元性に入り、他の存在のために一定期間、この意識の振動に留まることを選択します。

 ほとんどの人は一時的に「アーエートス」に留まりますが、少数の人は離れる気配がありません。「アーエートス」に入ると、個人的な区別は全て取り払われます。「アーエートス」の中にいる存在には名前がありません。全ての個人的アイデンティティーは、非二元性への完全な没入に置き換えられています。これらの存在は、他の人々の利益のために、この非二元性の振動を「保持」しています。なぜなら、非二元性は、「万物の母」であり、全ての存在の基礎となる構造だからです。

 「アーエートス」という現前の中にいるとは、非二元性へと引き上げられることを意味します。

 あなたが「アーエートス」と共にいる時の経験は、あなた自身の進化レベルと、あなたが直面している二元性の問題に基づいており、他の人の経験とは異なります。

 しかし、あなたの個人的な問題がどれほど複雑で困難なものであっても、「アーエートス」という現前の中にいることで、あなたは高められるでしょう。だからこそ、このタイミングでこの情報をお伝えしているのです。

 上級者の中には、「アーエートス」という名前を聞き、その非二元的な性質を理解するだけで、この手段で非二元性との交わりに移行することができるでしょう。

 しかし、多くの人にとって、そのような道や方法は、本質的に難しいものです。そこで、私たちは、あなた方を支援するための音の宝物を提供します。

 このサウンド・メディテーションは、「アーエートス」が存在する光の領域の類似物です。

 「アーエートス」は光の振動を発しています。その振動は人間の可聴域までステップダウンすることができます。従って、『The Aethos Sound Meditation』を聴いている時に聞こえてくるのは、光を音に変換したものなのです。それは、10次元に現れた「アーエートス」の調和的なエッセンスです。

 このユニークな音の宝物を、いろいろな方法で試してみてはいかがでしょうか。まず第一に、音に意識を集中して聴くという方法があります。音に意識を向けます。そして、心(mind)がさ迷い出したら、音に意識を戻します。

 第二の聴き方は、胸の中心にあるハートチャクラに意識を向けます。

 そして、喉のチャクラに意識を向けて、聴いてみて下さい。

 次に、鼻梁の、目と目の間にある、「サードアイ(アジュナー)」に意識を向けて聴いてみましょう。

 そして最後に、頭頂部のクラウンチャクラに意識を向けて、『The Aethos Sound Meditation』を聴いてみましょう。

 それぞれのチャクラから『The Aethos Sound Meditation』を聴いた時に生じる違いを感じて下さい。多くの方は、いずれかのチャクラに意識を向けて『The Aethos Sound Meditation』を聴くと、より自然な感じがすることでしょう。

 この度、『The Aethos Sound Meditation』を皆様にお届けすることができ、大変嬉しく、また期待しております。この瞑想が、あなたに平穏な感覚をもたらし、あなたの世界の混沌とした出来事に対処する能力を高めてくれることを信じています。

 また、「アーエートス」はあなた自身の非二元性への道を開きます。そして、顕在化した創造者としてあなたが、自分の人生のユニークさと非二元性の力という2つの要素を結びつけることを期待しています。

 この結合があなたとあなたの全ての関係者に恩恵をもたらすものでありますように。

ハトホル


更なる見解と考察
 まず最初に、『The Aethos Sound Meditation』に取り組むことを選択した人には、ちょっとした注意が必要だと思います。この注意は、ちょっと逆説的なものです。

 サウンド・メディテーションは、非二元的な意識の表現であり、あなたを非二元性と静寂の直接的な体験へと導くものです。ただ、このサウンド・ピースを聴くことで、あなたが抱えている「もの」の量やサウンド・メディテーションを聴く頻度に応じて、様々な程度の「精神と靈の解毒」効果が得られることがあります。

 ハトホルの惑星メッセージで『The Aethos Sound Meditation』をリリースした後、世界中から何百通ものメールを受け取りました。人々はこの謎めいたサウンド・ピースの体験を共有し、今も共有し続けています。

 『The Aethos Sound Meditation』は、多くの人が深い落ち着きと感情的な滋養を感じると報告しています。

 サウンド・メディテーションは、人生の葛藤が一瞬中断されるような、深遠な非二元性の状態に連れて行ってくれるという報告もあります。また、『The Aethos Sound Meditation』を聴いている間、意識が非常に拡大し、時間・空間・場所などの通常の知覚を超越した状態になるという報告もあります。

 トランスパーソナル心理学の立場から言えば、彼らは「非局在意識(non-localized consciousness)」を体験したと言えるでしょう。

 「非局在意識」とは、神経系の感覚入力に縛られない、あるいは制限されない意識の側面を指しています。これはどういうことでしょうか?

 日常生活の中で、私たちの神経系は、五感を介して常に情報を受け取っています。この情報入力は、私たちが生物として生き延びるためにも、私たちが生きている物理的世界をうまくナビゲートするためにも重要です。

 これが「局在化された意識(localized awareness)」であり、これがなければ、私たちはこの世界で長く生きていけないでしょう。

 しかし、時間や空間、あるいは感覚神経系の制約に縛られない、意識の別の側面があるようです。この非局在化した意識の側面は、太古の昔から多くの神秘的・宗教的な伝統によって記述されてきました。実際、非局在化した意識という存在は、多くの「永遠の哲学」の基礎となっています。

 この記事の最後に、非局在化した意識という考えを取り巻く科学的な難問を簡単に御紹介します。しかし、議論を深めるために、そのような意識状態(時間・空間・場所などの日常的な知覚を超越したもの)が、実際に存在するとしましょう。

 『The Aethos Sound Meditation』を聴いた多くの人々が、この超越的な意識状態とそれに伴う平和、穏やかさ、深い幸福感を体験したと報告する一方で、怒り、悲しみ、動揺などの不穏な感情が意識の表面に出てきたと報告する人もいます。

 非二元的な意識状態は、その性質上、穏やかで落ち着いたものであるにもかかわらず、これは奇妙なことです。ここでは何が起こっているのでしょうか?

心(mind)の振動状態
 『The Aethos Sound Meditation』は、非常に高い振動状態にあると私は考えています。この場合、物理学でいうところの「音程」のことではなく、私が「精神・靈の状態(psycho-spiritual state)」と呼んでいる精神的・感情的な意識のタイプのことです。「精神・靈の状態」とは、瞑想や観照的な祈り、高度な儀式、心(mind)を変える音や音楽、精神活性物質、あるいは人生を変えるような出来事などが引き金となって、通常の現実感覚が一時的に停止して、個人の意識が超自然的・超越的な(つまり非局在的な)意識領域につながるような、変容した意識状態を意味します。

 多くの人は、「靈的(spiritual)」という言葉から「宗教(religion)」を連想しますが、私はこの2つを区別しています。

 「靈的意識状態」は、何らかの形で個人を肯定する、思いやりのある、人生を肯定する性質を持っています。いくつかの靈的伝統では、この個人を肯定することを、「救済」または「恩寵」と呼んでいます。このような救済や恩寵は、しばしば「救世主」や靈的存在に由来するように思われます。それと同様に、仲介者を必要とせず、宇宙とのつながりを直接体験することに由来することもあります。このような精神・靈的な出会いは、多くの場合、幸福感や深い平和の感覚をもたらします。

 人が心(mind)を変えるようなパワフルな精神・靈的状態を経験すると、その人は直接、超自然的・超越的な領域へと導かれることがあります。しかし、時には、その人が無意識の内に抱えている抑圧された感情やネガティブな思考形態を呼び起こしてしまうこともあります。

 このようなケースでは、邂逅(超越的領域との遭遇)によって気分が高揚するどころか、未解決の問題が感情の負担となってしまいます。

 私が20代の頃に経験したことが、この言葉の意味を明確にしてくれるかもしれません。

 私は26歳の時、クライアントのハートチャクラを開く仕事をする、才能あるサイキックヒーラーに会いに行きました。最初のセッションでは、彼は実際に私に触れることなく、手を使って私の胸にエネルギーを流しました。私は、はっきりとした暖かさと癒しのエネルギーが胸に入ってくるのを感じました。また、白い光がハートに入ってくるのを「心の目」で透視しました。

 その日は美しい春の日でした。私は世界に対して完全に開かれた気持ちでセッションを終えて、家に帰りました。まるで世界全体が私のハートチャクラの中にあるかのように、それは宇宙全体を含むかのように拡大しているように感じられました。私は、この世界への開放的な浸透性に感嘆し、自分のハートがこれほどまでに広がったことを実感しました。それと同時に、私の知性はこの経験をどのように解釈したらよいのかわからず、考え込んでいました。論理的に考えて、私のハートチャクラ(ハートチャクラというものがあるとすれば)が宇宙全体にまで広がることはあり得ません。

 それにもかかわらず、その認識は数時間続きました。そして、何の前触れもなく突然、自分がとても小さくなったように感じ、不安になりました。そして、とても悲しくなりました。全てが初めての経験で、どうしたらいいのかわかりませんでした。この不安な気持ちが収まるまでには、数日かかりました。しかし、それが過ぎ去った後、私は感情面でより完全な状態になっていました。

 それから何年も経って、私は全ての感情には、靈的な意味で、それぞれ固有の振動数があることを理解しました。そして最終的には、高揚した靈的状態が、抑圧された感情を解放するきっかけになることを理解しました。

 「精神・靈的状態は感情的な浄化のための触媒である」という概念は、ある簡単な比喩に見事に集約されています。この比喩は、自己成長サークルでよく使われているので、御存知の方も多いと思います。

 私たちの感情的な質料(抑圧された感情や記憶、ネガティブな思考形態のこと)は、樽の底にある泥のようなものです。しばらくすると、水が澄んできます。しかし、何かがやってきて水をかき混ぜると、泥が底から表面に浮き出てきます。澄んでいたものが濁ってしまうのです。

 もしある個人が、非常に荷の重い精神的・靈的な出会いから感情の浄化を経験して、そのプロセスを理解していない場合、精神的・感情的な浄化を誤って解釈してしまう可能性があります。本人は、全ての経験がネガティブなものであると考えているかもしれませんが、実際にはポジティブなものです。というのも、その経験は、最終的にはポジティブな結果、すなわち、より大きな全体性への回帰につながっているからです。

 靈的体験と感情の浄化の関係はとても重要だと感じているので、このテーマについて、「精神と靈の解毒:見解と考察(Psycho-spiritual Detoxification: Thoughts and Observations)」という記事を書きました。

 感情の浄化を体験した20代から数十年後、様々な感情のエネルギー的な影響についての科学的な研究を通して、そのプロセスをより深く理解することができました。

 大量かつ多様な情報をまとめると、感情の状態は、「首尾一貫しているもの(coherent)」と「首尾一貫していないもの(incoherent)」の2つに分けられます。

 喜び・愛・感謝・恩といった「まとまった感情(coherent emotions)」は、私たちの免疫システムや問題解決能力にまでポジティブな影響を与えます。ところで、これらの種類の感情が健康や問題解決に及ぼすポジティブな影響は、よく知られており、幅広い分野の研究者によって、研究され続けています。

 この研究の背景にある科学に興味のある読者は、ハートマス研究所(The Heart Math Institute)の継続的な活動や、細胞生物学者ブルース・リプトン(Bruce Lipton)の先駆的な活動、ダン・ウィンター(Dan Winter)とインプロージョン・グループ(Implosion Group)の独創的なアプローチが参考になるでしょう。

 「まとまりのある感情」は幸福を高める傾向にありますが、怒りや憎しみ、憤りなどの「まとまりのない感情(incoherent emotions)」は幸福を低下させ、脳の処理に悪影響を及ぼします。

 ちなみに、この直前の段落は、先ほど述べた感情状態が身体・心理に及ぼす影響に関する最新の研究結果に基づいています。それらの記述は科学的根拠に基づいていますが、私の次のコメントはそうではありません。これは、精神・靈的体験の本質と人間意識の超自然的な性質を、何十年にも渡って探求してきた結果に基づいた個人的な意見です。

 意識的・無意識的を問わず、「まとまりのない感情(incoherent emotions)」は、人間の経験の中で、超自然的な領域とつながることを妨げます。ここに、精神・靈的状態に関するパラドックスの核心があります。

 強い神秘的な出会い(高エネルギーの精神・靈的状態)の最中や後に、人はアガペー(神の愛)の感情につながり、自分が愛に満ちた宇宙に浸っていることを経験するかもしれません。しかし、その一方で、ある人は正反対の経験をして、実存的な地獄の世界に身を置くことになるかもしれません。

 私の考えでは、この2つの相反する心理状態は、2つの要因の相互作用によって部分的に説明することができます。つまり、1)精神的・靈的な出会いそのものの強さ、2)未解決・未所有の心理的質料の深さ、です。

 個人の「感情的地下世界(the emotional underworld)」が葛藤している場合、靈的な出会い(高度にチャージされた精神的・靈的体験)は、有毒な感情の「パンドラの箱」を開けることになります。

 私は30年以上前に、この心理的な二項対立に興味を抱き、「神話、英雄、そして嘘(The Myth, the Hero and the Lie)」という記事を書きました。

 私の考えでは、怒り・嫉妬・憎しみなどの「まとまりのない感情」は、人間の感情という殿堂における紛れもない現実です。つまり、これらの感情は、好むと好まざるとにかかわらず、時折、発生するものなのです。

 一部の「まとまりのない感情」(怒りなど)は、個人の境界線が侵害されたと認識されたことに対する真正の感情的反応です。このように、それらは個人の自律性を守る哺乳類に備わった感情の保護者なのです。さらに、怒りのような「まとまりのない感情」を適切に行使すれば、私の経験では、それが個人の成長や変容につながることもあります。

 しかし、「まとまりのない感情」を自由に使いすぎると、簡単に習慣的な反応(破壊的な習慣)になってしまい、他の方法で世界を感じ取る能力が低下してしまいます。

 これが、多くの靈的伝統や様々な宗教、そして一部の神経心理学者が、人生において喜び・感謝・恩・思いやりを培うように助言している理由なのかもしれません。このような「まとまりのある感情状態」は、少なくとも私の経験では、本物の靈的な心(mind)の状態を特徴づける、深いつながりの感覚と健康への直接的な道筋です。

感情的な解毒のための視聴戦略
 ここでは、『The Aethos Sound Meditation』を聴いている時に「ネガティブなもの」が出てきた場合、どのように対処するかという実践的な問題に目を向けてみましょう。

 先に述べたように、多くの人が聴きながら非二元的な心の状態に直接アクセスすることを報告しています。また、心の底から穏やかな気持ちになったという人も少なくありません。

 しかし、中にはネガティブな考えや感情、時には身体的な不快感を覚える人もいます。もし、このような現象が起きた場合には、次のように対処することをお勧めします。

 完全に聞くのをやめて、数日休みます。その後、再びサウンド・メディテーションを聴く時は、2分半程度にとどめます。つまり、5分間のサウンド・メディテーションの途中で、聞くのをやめることになります。

 アーエートスの瞑想CDをお使いの方は、30分バージョンを聴かないで下さい。これは、サウンド・メディテーションを長く聞けば聞くほど、より多くの感情的なものをかき立ててしまうからです。最初はベイビーステップで行うのがよいでしょう。

 もし、たった2分半のサウンド・ピースを聴いただけで、感情的質料や精神的・靈的な解毒を経験したなら、おそらくあなたは、対処すべき多くの感情的な問題を抱えているのでしょう。

 このような問題は非常に複雑な場合があるため、本稿では取り上げません。しかし、多くの人が、『Hathor Heart Chakra Healing Sound Meditation』に取り組むことで助けられたと報告しています。

 また、感情的な問題を抱える多くの人々が、CD『Freedom To Be/Freedom To Change』に取り組むことで大きな助けを得たと言っています。このCDは、CDとmp3の両方のフォーマットで、ウェブサイトの「Store」で購入できます。この録音では、エリクソニアン(訳注2:エリクソン催眠を使う人)の音声イメージと心理音響学的な音楽を用いて、精神的・感情的な問題の変容を促します。

 抑圧された感情は、自分一人で対処するには限界がある場合があります。そのような場合には、訓練を受けた専門家と一緒に問題に対処するために、カウンセリングを受けると良いでしょう。

現実化
 『The Aethos Sound Meditation』は、ポジティブな結果を現実化させる目的で意識を変えるための素晴らしいツールです。そのようなことに興味がある方にとって、このサウンド・ピースはその意味で探求する価値があります。

 ハトホルは、2012/11/15のメッセージ「非二元性と創造のマトリックス(Non-duality and the Matrix of Creation)」の中で、創造の手段としてこのサウンド・ピースを使用することを説明しています。

 これをお読みになった方の中には、現実化のプロセスを促進する手段として、すぐに『The Aethos Sound Meditation』を試してみたいと思われる方もいらっしゃると思います。しかし、私はまず、『The Aethos Sound Meditation』を使って非二元的な意識状態に入ることをマスターしていただきたいと思います。このレベルの習得は、過度な悪影響を受けずに、成功裏に現実化を行うために必要です。つまり、何かを二元的な現実(=私たちが生きている世界)で現実化すると、反対の力が発生してしまうということです。非二元性の状態に入り、非二元的な心で結果を創造することで、創造物に対する反発力の反応を、大幅に減らすことができるのです。

 人間が本来持っている能力である「現実化というテーマ」についてのハトホルの見解を御紹介します。ここでは、ハトホルの「新しい現実の種蒔き術(The Art of Seeding New Realities)」という集中講座でのワークショップの録音を御紹介します。

 このワークショップは、全てのアーエートス情報の源です。そして、私が最初にアーエートスと接触したのは、冒頭で述べたように、このワークショップの準備がきっかけでした。

 この10枚のCDセットは、ハトホルが2012年に初めて公開した、ポジティブな結果を現実化するためのパワフルな技法を段階的に紹介しています。また、いくつかの有力なハトホルのサウンド・メディテーションも収録されており、非常に創造的な意識状態に入るのを後押ししてくれます。

 私自身は、ハトホルの創造に対するアプローチをより深く理解したいと思っている人にとって、このCDセットは欠かせないものだと思います。『The Sphere of All Possibilities』と題されたこのセットの詳細は、ウェブサイトの「Store」で御覧いただけます。

より大きな背景
 ハトホルが最初に与えてくれたアーエートスの情報と、サウンド・メディテーション自体は、いくつかのメッセージの中でハトホルによって伝えられた大きな情報の一部です。これらのメッセージのタイトルとリンクは以下の通りです。『The Aethos Sound Meditation』の元となる幅広い知識を理解したい方は、これまでのメッセージをお読みになると、大変充実したものになると思います。

 The Art of Jumping Timelines(時間軸を飛び越えるアート) 2010/08/03
 Transition States of Consciousness(意識の転換期) 201104/20
 The Sphere of All Possibilities(全ての可能性の球体) 2012/08/18
 The Aethos and Non-dual States of Consciousness(アーエートスと非二元的な意識状態) 2012/09/20
 Non-duality and the Matrix of Creation September(非二元性と創造のマトリックス) 2012/11/15
 The Transformation of Self-Limiting Thought Forms and Beliefs(自分を制限する思考形態と信念の変容) 2013/02/20
 The Healing Power of the Human Heart(人の心の癒しの力) 2013/04/13
 Orchidium(オーキディウム) 2013/06/27


 以上で、『The Aethos Sound Meditation』の使用に関する私の考えと観察、そして実践的な提案を終わります。私と同じように、皆さんが『The Aethos Sound Meditation』で、変容と有益なものを体験してくれると、信じています。


科学的考察
 この記事の最初の方で、非局在意識の概念にまつわる科学的な難問のいくつかを取り上げると言いました。もし、あなたがそのようなことに御興味がないのであれば、この最後の部分は読み飛ばして下さい。この部分は、『The Aethos Sound Meditation』を直接扱うものではなく、非局在化した心の状態をめぐる知的な考察を行うものだからです。

 現代の神経心理学の立場からすると、非局在意識の実在については、まだ評決が下されていません。

 実際、神経心理学の研究者の多くは、非局在意識は一種の「精神的な蜃気楼(mental mirage)」であり、脳の機能とは無関係に作動する意識の側面は存在しないと考えています。

 事故や病気で脳の一部が破壊されると、その部分に関連した精神的能力が失われるということを、彼らは、正確に指摘しています。つまり、私たちが世界を(そして私たち自身を)経験するには、脳が正常に機能しているかどうかにかかっていると彼らは考えているのです。

 しかし、非局在意識は実際に存在すると主張する神経心理学の研究者たちがいます。彼らは、「リモートビューイング(remote viewing)」と「臨死体験(near death experiences)」という2つの分野の人間経験を「重要な指標(significant indicators)」としています。

 人間意識の中で、非局在意識の真実を指し示していると思われる最初の分野は、リモートビューイング(遠隔透視)です。

 遠隔透視では、体と心(mind)をリラックスさせて、遠くにあるものの心象を得られるように訓練します。

 研究者たちは、これらの遠隔透視された物体を、透視者から離れた様々な場所に配置しました。隣の部屋にあることもあれば、時には何マイルも離れた場所に置かれました。しかし、どの成功した遠隔透視の場合も、肉眼では見ることができなかった対象物の側面を説明することができました。いったいどうやって?

 人間には、物理的な神経系の制約を受けずに活動する非局在意識の側面があると主張する研究者たちは、遠隔透視を自分たちの見解の証明としています。

 非局在意識の存在を示唆していると思われる人間意識の2つ目の領域は、臨死体験に見られます。

 多くの(全てではない)臨死体験では、体験者が、現在の神経学的な人間意識モデル(つまり、脳機能がなければ意識は存在しない)では説明できない、死の間際の出来事を思い出すことが多い。

 このような場合、その人は臨床的には死んでおり、測定可能な脳の活動がないことを意味します。おそらく、脳への感覚入力がないか、あったとしても情報を受け取る脳細胞が機能していないのでしょう。

 しかし、臨死体験をすると、臨床的には死んでいたはずの自分の周りで起きていたことを正確に説明できる人たちがいます。また、不思議なことに、周りの人が何を言っていたか、どんな服を着ていたかまで正確に覚えているケースもあります。場合によっては、「死んだ」本人が、周囲の人がその時に考えていたことを説明できることもあります。

 脳死状態になってしまったら、どうやってその情報を取り出すのでしょうか?

 非局在意識の存在を仮定している研究者たちは、このような事象が彼らの見解を擁護するものだと言います。

 しかし、臨死体験を科学的なプロセスで見ると、本質的な問題があります。

 これは、科学的手法では、毎回同じ結果が得られることを確認するために、実験を繰り返す必要があるからです。このような実験では、全ての変数を可能な限りコントロールします。人間の死の瞬間は予測不可能であり、そのような体験は、その性質上、再現不可能なものです。

 これは、この種の研究を行う者にとって、大きな問題となります。

 将来的には、臨死体験や非局在意識の現象をより正確に研究するための何らかの方法論が開発されると思います。しかし、現時点では――少なくとも科学的な観点からは――、最後の一票が、まだ数えられていません。

最終的考察
 私は、18歳の時に自然発生的にサマディ(ヨガのトランス状態)を体験したのを皮切りに、この長い年月の間に、多くの非局在的な体験をしてきました。実際、この非日常的な体験は、私の人生を様々な意味で方向付けることになりました。私は、あの至福の超越の瞬間に自分に何が起こったのか、そしてそれが、この世界での、私の日々の人間経験とどう関係しているのかを理解する旅に出ました。その結果、私はありとあらゆる主要な靈的・神秘的な伝統を探求するようになりました。最終的には不可解なことを説明する手段として、神経科学と量子物理学にたどり着きました。

 私は、私たちが経験する世界は、脳の機能に基づいて定義されていると信じています。しかし、私たちの存在には、脳の機能を超え、生物学を超え、さらには時間と空間の認識を超えた側面もあると信じています。


※なお、音楽は、運転中や複雑な機械を扱う作業中には聴かないでください。操作を誤る可能性があります。瞑想や静かなワーク、あるいは、リラックスのためにお聞きください。

※瞑想音源は、個人使用に限り、無料で使用できます(トムの公式サイトの「リスニングセクション」注意書きより)。


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