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【業界研究①:コンサルティング】

 こんにちは、Jackです。日系事業会社・外資戦略ファーム複数社での経験を踏まえ、業界研究シリーズを投稿していきたいと思います。

 シリーズ第一回目はコンサルティング業界に焦点を当て、特にこれからコンサルティング業界にエントリーしようと思っている学生中途入社を検討している社会人の方々に対して、何かしらの気付きに繋がれば幸いです。

目次
①コンサルティングとはどのような仕事か
②業界にはどのようなプレーヤーが存在するか
③外資戦略ファーム経験者がお勧めするファーム

①コンサルティングとはどのような仕事か

 コンサルティングの仕事は、端的に言うと、一定期間内に顧客企業の課題解決の支援を行う仕事です。
 支援領域はファームによって様々で、戦略立案、業務改善、戦略・戦術実行支援、M&A、IT等、支援領域によってある程度プレーヤーの棲み分けがされています(後述)。また、プロジェクトの期間には長短はありますが、一般的には2-3か月のプロジェクトが多いと思います。戦略・戦術実行支援、IT支援等はもう少し足の長い印象(半年とか1年とか)です。
 私は戦略の立案や再構築、新規事業立上げ支援が主だったので、2-3か月のプロジェクトがほとんどでした。新規事業立上げ支援のケースのみ、半年とか1年とか予め契約を握っておき、2-3か月毎に契約を更新しながら進めていく形を取っていました。

 コンサルタントに求められるレベルは、顧客企業の経営層に近いプロジェクトであればあるほど、当然のことながら高まっていきます。それ故に、業務改善や戦略実行支援と比して、戦略立案・再構築や大型M&A等の支援は、得てしてカウンターパートが社長・副社長、最低でも役員クラス以上のケースがほとんどなので、求められるレベルは非常に高いと言えます。

 そのためコンサルタントの働き方として、昨今の働き方改革が進んでいるものの、相当なハードワークは覚悟する必要があります。
 私の場合、比較的働き方改革が進められているファームに在籍していたものの、朝9時くらいから稼働して、仕事を終えるのは慣らすと24時くらいが常態化していました。繁忙期は貫徹も普通にありましたし、地味に辛かったのは夜中の2時過ぎにパートナー除くメンバーレベルでミーティングをして3時過ぎに内容を固め、日中パートナーの時間枠を確保できないので早朝6時からパートナーとミーティングが設定された時に仮眠するべきか本気で悩みました笑。
 起きれないリスクと中途半端に寝た時の起きる苦痛具合諸々が頭をよぎり、物凄く悩んだ事も(結果貫徹はパフォーマンスが落ちるので寝ました)今となっては非常に懐かしいです。

②業界にはどのようなプレーヤーが存在するか

 コンサルティング業界は、主に支援領域(提供する機能軸)によって棲み分けがなされています。支援領域の大きな括りとしては、戦略、業務改善、戦略実行、M&A、IT等があり、更に領域を絞って組織や人事に特化したファームも少数派ですが存在します。

 私も在籍していた外資戦略コンサルと呼ばれるファームは、Mckinsey、Bain、BCG、Kearney、RB、ADL、Strategy&の7社を指します。特に、冒頭の3社はMBBと称され、戦略コンサルの御三家的な存在となっています。
 就職難易度の観点で言うと、当時面接を受けた肌感覚ではMckinseyが突出してハードルが高く、次いでBainです。BCGは近年オペレーション(戦略実行支援)の案件獲得を図り大量採用しているため難易度は低下しており、逆に少数精鋭のKearney、RB、Strategy&の方が高くなっている印象です。ADLは理系よりの人材獲得を狙っているので、文系の人からすると元々敷居が高い、という感じです。

 上記以外で戦略コンサルにカウントされ得るファームとして、アクセンチュアの戦略部隊、デロイトの戦略部門、DI等が挙げられますが、アクセンチュアやデロイトは一般的にIT系ファームや総合系ファームと称されている点、また会社全体ではなくあくまでその中の一部の人員が戦略支援をしている点を鑑みると、戦略ファームという括りから除外しても良いのかなと、個人的には考えています。DIも昨今インキュベーション部隊を増員しており、戦略ファームとは一線を画している印象を持っています。

 その他のコンサルティング業界のプレーヤーは、以下記載の外部サイトにまとまっているのでご参考にどうぞ。
https://reashu.com/consulting-gaishi-ranking/

 偏差値で語るとチープさは増しますが、とはいえ過去に各社を受けた経験や各社に勤める・勤めた友人・知人のレベル感を踏まえると、難易度に違和感があるので、以下戦略コンサル出身者なりの勝手な難易度を記載します。

【コンサルティング業界の就職難易度】
77 Mckinsey ※圧倒的に難易度は高い、頭二つ以上抜けている感じ
76 ***
75 ***
74 Bain ※次いで難易度は高く、他社と頭一つ抜けている
73 ***
72 BCG、Strategy&、Roland Berger、Kearney ※BCG以外は少数精鋭
71 ***
70 ADL、Alix partners ※Alixは事業再成系の超少数精鋭

69 ***
68 ドリームインキュベータ(BP≒戦略部門)
67 ***
66 アクセンチュア(戦略部門)
65 ***
64 デロイト(戦略部門)、ZSアソシエイツ
63 経営共創基盤、三菱総研、コーポレートディレクション
62 野村総研
61 エムセオリー
60 ドリームインキュベータ(非戦略)

59 日本総研、NTTデータ研究所、クニエ
58 アクセンチュア(非戦略)、デロイト(非戦略=コンサルティング部隊のほとんど)、フロンティアマネジメント
57 PWC、P&E、シグマクシス、三菱UFJリサーチコンサルティング
56 IBMコンサルティング
55 ***
54 KPMG、EYアドバイザリー
53 以下略

③外資戦略ファーム経験者がお勧めするファーム

 最後に、本記事をご覧になっている学生さん、中途入社を考えていらっしゃる社会人の方々に対して、ファーム選びのTIPsを残して本記事を締めくくりたいと思います。

 基本的に、コンサルティングファームに入社して己の力量を高めたい、コンサルティングファームを踏み台にしてネクストステップで飛躍したいと考えているのであれば、是非外資戦略ファームにチャレンジしてみて下さい。
(上記偏差値で言うと、70以上のファーム群)

 理由は大きく二つあり、一つ目は他者との圧倒的な差別化を図ることができる点、二つ目は力量を磨く場として引き続き最適な場である点です。

 一つ目に関しては、昨今、顧客企業のコンサルティング慣れも相まって、日本のコンサルティング市場はグローバルでみても突出して右肩上がりで拡大を続けています。
 これは裏を返せば、その分コンサルタントの人数も必要になってきており、総合コンサル5社と呼ばれるアクセンチュア、デロイト、PWC、アビーム、KPMGは大量採用に踏み切っています。
 前述の通り、コンサルティングという職種は頭も身体も大変ハードワークを要求されるため離職率(=流動性)も非常に高く、大体2-3年でスキルを習得したら次のキャリアにステップアップする事が一般的です。そのため、転職市場では元コンサルティングファーム経験者が激増しており、結果として他者との差別化が非常に難しくなっていると言えます。また、コンサル出身者を選ぶ側も見る目は年々肥えてきており、人材獲得の機会も昔に比べて増えているので、慎重に吟味して採用する傾向にあると感じています。

 他方で、外資戦略ファームは市場の拡大曲線と比較して、人員の拡大曲線は非常に緩やかです(増えてはいますが)。
 理由はシンプルで、人数を増やしたくても人材の質を担保しようとするとなかなか増やせないからです。BCGは最近オペレーションやデジタルに力を入れて大量採用しているものの、戦略案件に従事する人材を400名程度と仮定すると、外資戦略ファームに在籍している人材は1,200名前後です。(Mck:300 / Bain100 / BCG400 / S&80 / RB80 / ATK200 / ADL70)

 アクセンチュアの社員数15,000名と比較すると一目瞭然の少なさ≒差別化要因と言えます。商社トップの三菱商事の全社員が5,500名程度の規模感なので、外資戦略ファーム7社束ねても商社一社の20%にも満たないほど、外資戦略ファームは希少性を担保し市場価値を維持し続けていると言えます。

 二つ目に関しては、力尽きましたので、、、訪問される方々の人数やコメント等を踏まえて追々アップデートできればと考えています。乞うご期待。

終わりに

 以下、今後コンサルティングファームにエントリーする学生・社会人の方々に資する書籍を紹介します。私自身も戦略ファームを受ける前に数多くの書籍を購入して参考にしてきましたが、以下の三つ書籍はとてもベーシックな内容が載っており非常にお勧めです。
 実際、私の周りにいるコンサル志望の仲間や後輩達にも、ファームを受ける前準備として以下書籍は基本として勧めています。



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