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#017 秋の香り

#日経COMEMO #NIKKEI #永井紗耶子 #香りを楽しむ
2023年10月26日 夕刊 プロムナード 約1200字

<すぎ>
人それぞれに思い出がよみがえる「香り」がありますね。
今日のエッセイは
散歩 → 銀杏 → キンモクセイ → アロマオイル → 香道 と
香りに関係する話がつながっていきます。

「香り」はいい意味、「臭い」は悪い意味で使うことが多く
「にぎやかな子」と「うるさい子」
「狭い間取り」と「コンパクトな間取り」のように
同じひとつの物事や事象に対して
どう感じているかによって表現が変わるところが
日本語の難しさであり、面白さですね。
それにしても「駆け抜ける」「漂って来る」「満ち足りる」など
複合動詞は何とかうまく説明したいと努力しているのですが
これがなかなか難しく、もどかしいです。

<ことば>
銀杏(ぎんなん):「銀杏」と書いて「いちょう」とも読みます。
 「いちょう」と読めば「木」ですし
 「ぎんなん」と読めば、
 形はサクランボだけれど、黄色くてとっても臭い「いちょうの木の実」
 その中にある硬い「タネの状態」(野菜売り場で売っていますね)
 タネの中の食べる部分(緑がきれいでおいしい)となります。
いかんせん:残念なことに
小走り(こばしり):急いでいるときに一歩一歩を短く走ること
並木道(なみきみち):両側(りょうがわ)に木が植えてある道
駆け抜ける(かけぬける):走って通ること
~するくせに:~するけれど(まったく反対の考え方の行動をする人を悪く言うときの表現)
漂って来る(ただよってくる):空中をゆっくり浮かんでこちらに来る
巡り合う(めぐりあう):どこにあるのかさがして歩いて見つけること
雄弁(ゆうべん):とてもたくさんの内容を話す
傍ら(かたわら)に:そばに ちかくに
そんな風(ふう):そのように
容姿(ようし):顔や体、姿や形、外見の印象
甘ったるい(あまったるい):甘すぎて嫌な感じ
しつこい:なかなか消えないので嫌になる感じ
好ましい(このましい):その人にとって好きなタイプの
主観的な(しゅかんてきな):その人だけの感じ方
アロマオイルを焚(た)く:専用の道具で温めて、広がる香りを楽しむ
効能(こうのう):よい働き、効果や能力
~しがち:考えずに、つい、してしまう
香油(こうゆ):良い香りの油
雅(みやび):伝統的で高級で美しい
香道(こうどう):茶道、華道、書道などと同じで、「香」を楽しむ文化
組香(くみこう):いくつかの香を組み合わせて、その香りや、それに付いている名前を当てる遊び
源氏香(げんじこう):源氏物語と関連させた印と名前などを付けた組香
香炉(こうろ):香木(こうぼく)に火をつけて香りを楽しむ道具
香を聞く(こうをきく):香りをかぐこと
ひくひくと:鼻を動かして臭いをかぐ様子
素人(しろうと):初心者、それを仕事にしていない人
首(くび)をかしげる:「わからない」ときにする動き
香、満ちました(こう、みちました):香道での終わりのあいさつ
満ち足りる(みちたりる):満足し、心が豊かになること

※京都の鳩居堂(きゅうきょどう)

※源氏香について


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