『Jリーグジャッジリプレイ #35』感想【DAZN配信番組】
今回の放送では、欠席の原さんの代打で播戸さんが登場。いつも通りお元気で饒舌な播戸さんだったが、サッカーリテラシーの不十分さが気になった。
ベトナム-日本 40分のアレ
今回の大トロ。伊東純也の素晴らしいゴール!!かと思いきや、そのシュートコース近くに居た田中碧がオフサイドポジションで且つ相手ゴールキーパーに影響を与えたということでオフサイドでゴールは取り消し。田中碧のプレーが相手ゴールキーパーに影響を与えたかどうかに加えて、田中碧のポジションに関しても3Dラインを導入しているAFCのVARでないと判別できないような際どさだった為、多くの議論を呼んでいる。
また、伊東純也のシュートを僅かに田中碧にかすっているようにも見える。その場合、伊東純也のシュートコースを変えたことによる田中碧のゴールということになる。で、それだと田中碧の(純粋な)オフサイドになる為、VARでは田中碧がオフサイドポジションかどうかのファクトだけを確認すれば良い。従って、VARオンリーレビューでのジャッジということになる。ところが、当該シーンではVARオンフィールドレビューをしている。よって、田中碧がシュートコースを変えたことによるオフサイドでないことになる。つまり、「オンフィールドレビューをした=田中碧はボールに触っていない」ということになる。
ということで、当該シーンの論点は「田中碧のプレーが相手ゴールキーパーに影響を与えたかどうか」の一点になる。で、オフサイドジャッジの基準としての「影響を与えたかどうか」の判断材料に関してはちょうど前回解説があった。それを今回の当該シーンに当てはめれば「影響を与えたかどうかの」基準は、「田中碧がボールに向かってプレーする動きが相手ゴールキーパーのプレーを遅らせたかどうか」になるだろう。
田中碧がボールに向かってプレーしていたかどうかは個人的には否である気がする。結果的にボールに向かってプレーしているような感じにはなっているが。とはいえ、田中碧の存在が相手ゴールキーパーのプレーの選択肢を増やしたことは事実だろうから、オフサイドでゴール取り消しになっても仕方ないのかなという感じ。素晴らしいゴールだっただけにこのジャッジは少々厳しいが。。。
長崎-栃木 4分のアレ
谷内田(栃木)がクリアしきれなかったボールが毎熊(長崎)の手(肘の下辺り)に当たっているのは明らかであるが、「手がボールに行った」というよりは「ボールが手に来た」という感じ。つまり偶発的な手のボールへの接触となる。その状態で毎熊がゴールを決めると偶発的な接触であってもハンドを取られてゴールは取り消しになる。が、その後、2プレーした後に他の選手がゴールを決めている。その為、ハンドを取らずにゴールを認めた当該シーンのジャッジは妥当であったと言えるだろう。
山形-大宮 20分のアレ
山田拓巳(山形)が上げたクロスを西村(大宮)がクリアして軌道が変わったボールは明らかに小島(大宮)の手に当たっている。加えて、小島は手(腕)を大きく上げている為、大きなバリアを作ってるように見える。だから、当該シーンに関して個人的にはハンドではと初見では感じた。
当該シーンでは、西村のクリアにより軌道が変わったボールを、小島が手で触らないように避けることが可能だったのかどうかが大きな論点だろう。小島から見ればボールの軌道が変わったのは自身にボールが向かう直前で時間的にはほんの一瞬の出来事だっただろう。だが、クロスボールが蹴られた時点で、こうなることが予想できなくもないはずだ。そういう状態でバランスを取る為だったのかもしれないが結果として腕を大きく上げていることはそれなりにリスクのあるプレーになるだろう。よって、個人的にはやはりハンドなように感じる。
とはいえ先ほどと同様に「手がボールに行った」というよりは「ボールが手に来た」という感じではあるのでそこを踏まえた上で当該シーンではノーハンドになったのだろう。
因みに、播戸さんの見解は「こんなの誰が見てもハンドと思うんだからハンドにすべきやろ!」(意訳)とのこと。ただの感情論で、様々なジャッジに対して議論をする『ジャッジリプレイ』のコンセプトには合ってないような。。
ファン目線の意見としてはこれで良いのだろうけど、それは本来平畠さんのポジションな訳で。元サッカー選手の出演者による見解としては個人的に物足りないというか、これじゃない感が否めなかった。寧ろ、平畠さんの方がサッカーリテラシーの高い見解だった。
琉球-千葉 28分のアレ
結果的に福満(千葉)が手で清武(琉球)のシュートをブロックした形だが偶発的に当たったように見え、大きなバリアかどうかは何とも微妙というのが当該シーンの初見印象。で、スローで何度も見ているとだんだん大きなバリアなように見えてきた。また、奥谷さん曰く偶発的であっても大きなバリアでシュートブロックしていればハンド、そして決定的な得点機会の阻止ということでレッドカードの対象になるとのこと。偶発的な接触でもシュートブロックような重要なハンドだと罰則の対象になるのか、なるほど。レッドカード提示については平畠さんと播戸さんが仰っていたことと同感で厳しいと思うが、(仮にシュートが決まらなかった場合の)当該シーンでハンド取ると自動的にレッドカードになるから仕方ないのかなという感じ。で、今回はシュートがそのままゴールに入った。従って、得点機会の阻止とはならずにレッドカードではなくて反スポーツ的行為としてイエローカードが提示されるべきとのこと。だが、当該シーンでは福満に対してレッドカードもイエローカードも無し。ということは、手にボールが当たった瞬間をレフェリーが見てなかった(見えなかった)ということになるだろうか。レフェリーはかなり間近で当該シーンを見ていたと思うが。。。
因みに、当該シーンではレフェリーがペナルティエリア内に思いっきり入って見ており、桑原さんと奥谷さんから「入り過ぎでは」との指摘も。なるほど、レフェリーは単純に近くでプレーを見るようなポジショニングをすれば良いって訳ではないんだな。
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