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思考のしおり

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いろんな分野にわたって考えたことをまとめています!
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#コンテンツ会議

AI時代の情報リテラシー

最近、調べ物をするときに検索エンジンを使うのではなく、ChatGPTのように人工知能に質問するといった選択肢を取れるようになった。 人間と会話するように何かを調べることができるというのは便利なもので、「謝罪文 例」などと検索しても結局は出てきたものを手直しする必要がある。「謝罪文を書いて」とAIに指示すれば文章そのものを教えてくれる。人工知能の学習元に対象となるものがあれば答えまでを直接導き出すことができるのである。 唯一の弱点と言えば、言語モデルの知識はそれを構築したと

「ヒットの法則」は存在するのか

自分の作品が世に認められてほしいと願うのは自然なことである。近所の書店を少し歩けば、こんな希望を叶えてくれそうな「バズる文章術」や「ヒットする作品の秘訣」といった本がたくさん並んでいる。 ただ従うだけで人気を保証してくれるような法則があるのか疑問に思う人もいるだろう。実際これらは当てにならない内容のものがほとんどではあるが、だからと言っていわゆる「ヒットの法則」が存在しないと言い切ることはできない。 「ヒットの法則」なるものが本当にあるならそれは喜ばしいことだろう。創作者

人類最古の流行語大賞

その時代が実際にどんなものだったか、ということを正確に読み取ることは困難です。自分の過去ですら案外思い違いが起きるのですから、ましてや時代全体の把握など難しくて当然だと言えるでしょう。 一方で流行りというものはその時の雰囲気や状況を反映しているという点で一つの指針になります。問題があるとすれば、それが「流行」である以上は定着しにくく、記録しなければ消え去ってしまう危険性があることかもしれません。 時代を表す流行語日本でよく話題になる「流行語大賞」はこの点において貴重な資料

エンタメとアート

美は常に人間の目標の一つでした。数多くの芸術家や哲学者が生涯を捧げ、今も多くの人々が立ち向かっていることでしょう。しかこれと近いものに心地よさ、快楽といったものがあります。美をもたらすのが芸術だとすならば、単なる快楽を与えるものは娯楽と言ってよいでしょう。 娯楽、英語で言うところの「エンターテイメント」は日本では略されて「エンタメ」と呼ばれることもあります。芸術と娯楽は同じ場面で使われることがあります。例えば、この映画が芸術なのか、単なる娯楽なのかという批評家のコメントを目

今すぐできる!文章力を上げるコツ

表現や文体でライティングの印象は大きく変わります。文章力を高めるにはどうすればよいのでしょうか。今回は簡単にできる文章のコツを紹介します。 情報の整理 まずは、表現を箇条書きで書き出して整理してみましょう。 文章に何を書くか、何を述べたいか、その順序や構成を整理します。これによって文章内に同じ言葉を何度も使うようなことは避けることができます。 わかりやすい文章を書くために、はじめに結論、理由、補足、まとめの順で書いていくとよいでしょう。そして、読み手に説明するような形にし

AIに記事執筆を任せてみた

創作は楽しいものだが、決して楽なものではない。納得できるものが出来上がるまでに時間や労力をかなり費やすことになる。いわゆるスランプに陥ることもある。 三島由紀夫はスランプに対して否定的で、それを言い訳にすることを嫌っていた。しかし凡人の私たちはそうはいかない。また様々な情報が溢れる世の中では、ある程度の頻度で投稿しなければ目にしてもらえないかもしれない。 この葛藤の中で考えたのが「AIに記事執筆を任せる」ということである。技術的には可能である。禁じ手に近いような気もするが

小説の書き方と読み方

図書館で『小説読本』なる本を見つけた。著者は三島由紀夫。内容は小説についての考察がいくつか収録されたものであった。三島の作品には他に『文章読本』というものもある。こちらも似た内容だが、小説以外の形式にも触れている。 彼の生きた時代も小説家を志す青年は多かったらしい。インターネットという発表の場が増えた現代では、その数は当時と比べ物にならないかもしれない。私が本を手に取ったのも同じ理由ではある。 誰だったか覚えていないが、ある作家が「小説は見たものを書く」仕事だと言っていた

古典は必要なのか、それとも不要か

W・H・オーデンという人を知っていますか。1907年のイングランドに生まれた詩人である彼は、こんな言葉をのこしています。 不当に忘れ去られている本というのはいくつかあるが、 不当に記憶されている本はない。 このことばとは、時代も言葉も国さえも、遠く離れた現在の日本では「古典を学ぶ意義」というものが疑問視されています。 試しに検索してみれば、「古典 勉強する意味」という候補が出てきて、その結果は約33,100,000件(Google)もの数にのぼります。「古典は本当に必要