歌武輝

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歌武輝

4つのアプリの開発と運営を行なっています。現在学習中の言語はSwift、Python、ロシア語です。本の紹介なども記事にしているのでよければフォローお願いします! 開発アプリなど:https://kabuki.linksup.me

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  • 思考のしおり

    いろんな分野にわたって考えたことをまとめています!

  • 100の読書記録

    自分で読んだ本についての備忘録です。本選びの参考にどうぞ。既に読んだものを含めて百冊分になる予定。

  • プログラミング記事

    私の書いたプログラミングについての記事をまとめています。

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夜明け前の回想

目が覚めたのに夜だった。疲れて身支度もそこそこに寝たからか、中途半端な時間に起きてしまったらしい。仕方ない、と諦めて早起きをすることに決めた。考えごとをするには朝がいいと聞く。素晴らしいアイデアでも降ってくるかも、と自分を言いくるめて散歩に出かける。 夜明け前の東京は人が少ない。繁華街なら様相は違ったかもしれないが、控えめなこの町では、車は目にしても誰かとそれ違うことはない。湿った空気のせいか、街並みは薄くぼやけている。今日は雨だろうか。 早朝なので店は閉まっている。24

    • 大人になる方法について

      古本屋に寄って『蝿の王』を買ってきた。ほら貝を吹くまでの導入の部分でさえ、情景が目に焼き付くような鮮烈さを持っている。古典のひとつに数えられるような作品なので、その後の展開はおおよそ頭に入っている。しかし、もし何も知らずに読み進められた出版当時はかなりの衝撃を与えただろう。 大人になる、というのは何なのだろうか。これを書いている私は20代で、子供ではないが成熟した大人というには若すぎるかもしれない。この半端な人々には青年という表現が使われることもあった。もっとも、最近はあま

      • 明るい夜

        夜ほど明るい時間はない。1日が始まる朝は、楽しい時もあれば憂鬱な時もある。運よく朗らかな用事が入っていたとしても寝床から出ること自体が億劫だったりもする。それに比べると何もかも終わった夜というのは気楽でいい。つまらないことは明日に丸投げして、明るい気持ちで過ごすことができる。 一度東京の街をほとんど夜通し歩いたことがある。昼間は人がひしめく大都会も、深夜になると静まり返ってしまう。本来は人間がいるべき空間に、何もなく闇だけが広がっている光景には不思議な感覚を覚える。小洒落た

        • 冷たい野生

          秋になっても暑いままだと油断していたら、そんな人間を嘲笑うかのように急に寒くなってしまった。いつもなら冬の訪れは嫌いではないのが、あまりにも緩急が激しすぎて面食らってしまう。 この寒気で今年各地で大量発生していたカメムシが姿を消してしまった。一般的な殺虫剤も効かず、だからといって力ずくで立ち向かおうものなら悪臭で反撃してくる強敵であったが、とりあえず年内は休戦と見ていいらしい。 それにしても、このカメムシの大量発生は案外重要なことかもしれない。あの小さな虫たちが我が物顔で

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          スマホ依存の対策アレコレ

          富と名誉と集中力はいくらあっても困らない。ただし、前二つはともかく、集中力はスマートフォンの通知ひとつで綺麗さっぱり消えてしまうほどの儚いものでもある。あなたは気を散らさず、さらに一度もスマホに触れずに本を一冊読み切れるだろうか。できないなら少々依存気味なのかもしれない。 かくいう私も集中力をなくした一人であるから、その誘惑を断ち切るための方法を色々と試してみた。参考にしてもらえると幸いである。 スクリーンタイムiPhoneには「使いすぎ」を制限するためのスクリーンタイム

          スマホ依存の対策アレコレ

          アイデアを生み出す本たち

          今回はアイデアや発想に役立った本を紹介します。ほとんどは簡単に手に入るか、図書館などで読むことができるものを選定しています。レベルが高いほど応用的なものになるので、時間がない場合はまずレベル1を読むのがおすすめです。 レベル1『アイデアの作り方』:ジェームス・W・ヤング 非常に短い本で、本文はわずか60ページほどしかありません。しかし、書かれている内容は本質を端的に捉えています。時代や文化などに囚われない普遍的な内容が抑えられているため、読めばアイデアを出す際の基本的な方

          アイデアを生み出す本たち

          三島由紀夫『不道徳教育講座』

          子供のころ「道徳」の授業があった。他の教科と同じように教科書が1人ずつ配られて、たいていの授業はそれを読む形だったと思う。一応感想文のようなものを書いたはずだが、内容はあまり覚えていない。確か平和や差別についてなどさまざまな話題を扱っていたはずである。 頭に残っていないのは我々子供の不手際でもあるのだが、当時の素直な印象としては、先生方もその扱いに若干困っていたように見えた。算数などと違って明確に答えを出して答案で評価するわけにもいかないので当然だろう。 私の世代は一応は

          三島由紀夫『不道徳教育講座』

          AIアプリ『Eveki』大規模アップデート!

          自分だけのChat AIが作れるアプリ『Eveki』は今回大規模アップデートを行い、いくつかの機能が追加されました。ダウンロードおよびアップデートは画像もしくはこちらのリンクからどうぞ。今回はアプリの概要に加え、この新機能についても詳しく紹介していきます。 チャット機能 本アプリの目玉であるAIとのチャット機能ですが、今回ベースとなるプログラムに修正を行い、より自然な応答が可能になりました。より親密な会話を楽しめるようになっています。 さらにご要望の多かった「複数のAI

          AIアプリ『Eveki』大規模アップデート!

          海の向こうにいる友人の命を救った話

          先日のことである。私は所用で大阪の心斎橋に降り立った。ここから少し歩くと、あの大きな蟹やグリコの看板など「大阪」といった光景を見ることができる。それを目当てにやってきた外国人観光客で街はあふれていた。彼らを見て、私はSNSで知り合った外国人の友達に名所の写真を送ろうと考えついた。人混みをかき分け、なんとか一通り写真を撮って送信する。 しばらくすると「面白い」との返答があった。問題はその次である。その友人は「ありがたいが、もう返信することはない。自殺するつもりだから。」と続け

          海の向こうにいる友人の命を救った話

          一度読んだ本、あなたは読み返す?

          私は一年のうち読書に当てている時間そのものは人より多いと思ってはいるが、「年間何百冊」と高らかに宣言している人の輪には入れない。なぜなら、気に入った本を飽きずに何度も読み返してしまうからである。 まず1回目は内容を理解できるように読む。当たり前のようだが全ての本が易々とこの最初の関門を通してくれるわけではない。注釈の多い本はそれを確認しなければ十分に理解することはできない。もちろんそんなの気にせず先に進むという豪快な読書もよいだろうが、私の性分としてどうしても注釈まで読み込

          一度読んだ本、あなたは読み返す?

          三島由紀夫『小説家の休暇』

          4月から新しい手帳を買ったのだが、毎日書き続ける習慣がどうも身につかず結局2日ごとにまとめて書くような使い方をしている。生活の中で書き留めておくべきことも思いついたこともあったはずなのに紙とペンを手にすると何となく手が進まなくなってしまう。頭の中で無事だったアイデアも外に出せば消え去ってしまうこともよくある。 そう考えてみると小説家や思想家が遺した日記やメモがいかに偉大なものかよく分かる。出版を念頭に置いていなかった文章もあれば、ある程度読まれることも想定していたものもある

          三島由紀夫『小説家の休暇』

          ゲーテによる「全てがかっこいい本」

          「全文全てがかっこいい本。必ず影響を受けるはず。」これは昔読んだ図書館の本紹介に乗っていた文章である。取り上げられているのはゲーテの『ファウスト』であり、まんまと罠にかけられた私は無事に影響を受けた一人になった。 確かに『ファウスト』にはこれ一つから名言集を作れるような名文が詰まっている。この本ができた時代や文化が私たちのものとかけ離れているにも関わらず、感動を与え続けていることを思うとゲーテの巧みさがよくわかる。 『ファウスト』は、それ自体が一つの芸術作品として完成され

          ゲーテによる「全てがかっこいい本」

          「人生をいじくりまわすべきではない」

          先日大学の図書館の片隅で珍妙な題名の本を見つけた。それが「人生をいじくり回してはいけない」という水木しげるによるエッセイ集である。私はいわゆる鬼太郎5期と言われる、平成初期のアニメ版鬼太郎が好きだったので真っ先にこの本を読むことに決めた。表紙には水木しげる本人の笑った顔写真が掲載されていて不思議な雰囲気を醸し出している。 題名を見ると教訓めいたものを想像するが、本の内容はほとんど作者の人生にまつわるものである。水木しげるという人の歩んだ一生は決して平坦なものではない。戦場へ

          「人生をいじくりまわすべきではない」

          AI時代の情報リテラシー

          最近、調べ物をするときに検索エンジンを使うのではなく、ChatGPTのように人工知能に質問するといった選択肢を取れるようになった。 人間と会話するように何かを調べることができるというのは便利なもので、「謝罪文 例」などと検索しても結局は出てきたものを手直しする必要がある。「謝罪文を書いて」とAIに指示すれば文章そのものを教えてくれる。人工知能の学習元に対象となるものがあれば答えまでを直接導き出すことができるのである。 唯一の弱点と言えば、言語モデルの知識はそれを構築したと

          AI時代の情報リテラシー

          ChatGPTをスマホアプリから使う方法

          ChatGPTは一般常識はもちろん、簡単なプログラムまで書いてくれる便利なAIとして有名になりました。ただその回答は少し無機質なところがあります。聞きたいことを質問するには最適ですが、ちょっとした会話がしたいときにはさみしいものです。 また毎回サイトを開いてログインするのも面倒です。会話内容は保存されていますが、自動でタイトルが生成されるだけなので履歴もわかりにくくなっています。そこで今回はChatGPTをスマホアプリから楽しく、かつ手軽に使う方法を紹介します。 アプリ「

          ChatGPTをスマホアプリから使う方法

          AIキャラ作成アプリ「Eveki」の新機能

          開発、運営しているAIキャラ作成アプリ「Eveki」に大きなアップデートを行いました。具体的には言語モデルの高性能化、より高度な機能の追加です。今回はこれらについて詳しく説明していきたいと思います。 アプリは下のリンクからダウンロードできます。 Evekiとはまるで人間のように会話するAIキャラクターを誰でも簡単に作成できるiOSアプリです。プログラミングなどの知識がなくても、いくつかの設定をするだけで理想通りのキャラを作ることが可能です。 キャラクターに対してはさまざ

          AIキャラ作成アプリ「Eveki」の新機能