見出し画像

スマホ依存の対策アレコレ

富と名誉と集中力はいくらあっても困らない。ただし、前二つはともかく、集中力はスマートフォンの通知ひとつで綺麗さっぱり消えてしまうほどの儚いものでもある。あなたは気を散らさず、さらに一度もスマホに触れずに本を一冊読み切れるだろうか。できないなら少々依存気味なのかもしれない。

かくいう私も集中力をなくした一人であるから、その誘惑を断ち切るための方法を色々と試してみた。参考にしてもらえると幸いである。

スクリーンタイム

iPhoneには「使いすぎ」を制限するためのスクリーンタイムという機能が標準で搭載されている。画面を見ている時間の計測はもちろん、各アプリごとの分析や通知の数も教えてくれる。それを元に、個別に時間制限などを加えることも可能だ。デバイス間の共有もできるため、例えばiPadとiPhoneで情報共有して制限を行うこともできる。

私が使っているのは主にApple製品なので、これを使えば全てを制御できるに違いない。そう思って、まずはこれを試してみることにした。

結論から言えば、便利ではあるが自身の精神力に頼る部分が大きい。というのも、結局スクリーンタイムの制限は持ち主であれば簡単に解除できてしまうためである。一応パスコードを設定できるため、これを他の人に考えてもらうという手もある。しかし万が一の場合のためにApple IDでも解除できるようにされており、これが裏目に出て手軽に無効化できてしまうのである。

機能によっては制限が不安定な時もある。Safariでのアクセスはブロックできても、アプリ内ブラウザだとフィルタリングが効いていないこともあった。全体的には素晴らしい機能ではあるが、これだけに頼ると三日坊主で終わる可能性が高い。

Forestアプリ

スマホにおける集中用アプリは数多くリリースされているが、定番なのはForestだ。スマホを手放した時間だけ木が育つという仕組みで、ゲーム感覚で時間制限を行うことができる。類似アプリもあるが、やはりForestがデザインや機能が最も充実している。

実績に応じて木の品種を増やせてり、他のアプリを開くと気が枯れてしまうペナルティを課せるなど、継続のための工夫も充実している。ただし「木を育てる」という報酬は、他のスマホアプリの誘惑と本質的に似ていることは弱点だと感じた。

他のアプリの魅力がForestに勝ってしまうと、木が枯れても気にしなくなってしまう。いつも遊んでいる馴染みのゲームのアイテムや、気になる動画の続きと天秤にかけてた時、Forestを選ぶのかという問題である。

実際、アイテムが一通り揃うと使用頻度が落ちてしまった。ただし、ここは仕方がない部分であり、スマホ側でできる限界でもある。自分としては効果が低かったが、まだ依存が軽いという人なら効果は抜群だろう。

視覚効果を利用する

スマホアプリを製作した経験のある身からすると、色彩は重要なポイントである。鮮やかな見た目でユーザーの目を引いて、また使ってみようと思わせることができる。逆に言えば、ここを封じることでアプリの持つ「引力」を弱めることも可能ということだ。

iPhoneなら、設定のアクセシビリティからカラーフィルタをかけることで画面を白黒にすることができる。これによってかなり印象が変わった。大きく使用時間に変化が出たわけではないが、気が散っているという実感は減る。例えば、通知の赤い表示も、白黒になると緊急性が薄まって見える。

考えてみると、電話やメールといった重要な項目と、ゲームやSNSの不要なアピールが同列の表示なのはおかしかったのかもしれない。冷静な選択ができるという点では効果が高かった。

タイムロッキングコンテナ

ソフトウェアではここまでが限界なので、物理的な手段も試してみた。それが「タイムロッキングコンテナ」である。これは時間によって開閉を切り替えられるもののことで、例えば30経たないと開かないなどと設定することができる。

箱状のものは通販などで購入することができる。ただ、こちらを使うとサイズ的に入らないものも出てくる。画面の大きなiPadなどはその典型だろう。また、万が一コンテナが故障した場合などに取り出すのが困難になるという点も不安である。

そこで今回は南京錠タイプの時間制の錠前を購入し、ケース部分は自分で用意することにした。簡素なケースを選べば故障しても壊して取り出すことができる。小さなポーチなどに鍵をつければ持ち運ぶことも可能だ。

今回試した方法の中で最も効果が高かった。単純な方法だが、むしろそれがよいのかもしれない。

まとめ

様々な方法でスマホの使い方を見直して、思いの外これに依存していることがわかった。しかし、システムなどの面を見ても、これに自前の精神力だけで太刀打ちしようとするのは無謀だろう。やはり工夫が必要である。

詳しくは触れないが、もうひとつ重要なのが自分の考え方である。つまり「我慢する」のではなく「不要だ」と理解することだ。朝一番にタイムラインをのぞく必要はないだろうし、ゲームのイベントより優先すべきことは多いだろう。

「我慢」し続けるのは難しいが、「不要だ」とか「有害だ」と理解していることをしないのは簡単である。一方で考え方を改めるのが困難なのも事実なので、まずは紹介したような手段を取って、ゆっくりと態度や向き合い方を改善していくのがおすすめである。

いただいたご支援は書籍の購入に充てたいと考えています。よろしければサポートよろしくお願いします。