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理系男のカタルシス
こんばんは。イズクラジエイです。
今回のテーマは理系男が考える物語のカタルシスの話です。
カタルシスは小説を書く者にとって非常に重要な要素なので、これを紐解いて分析し、正しく理解した上で執筆に活かしていこうという小説論となります。
別に理系じゃなくても全然活かせると思いますが。
そもそもカタルシスとは何ぞや?って事なのですが、ウィキペディアを参照させていただくと『哲学および心理学において精神の浄化を意味する。』とあります。
これだけじゃ分かりにくいので『精神の浄化』を小説や漫画等の場合に合わせ、もっと砕いて説明させていただきます。
多くの人は何かしらトラブルがあって心に『不安』や『怖れ』や『嫌な事』とか問題ごとがあったりしますよね?
人の心の中では、その問題が解決された時に苦悩から解き放たれ、心が軽くなり、ハッピーな気分になると思います。
幸せとはいかないまでも何か心のつかえが取れるだとか、楽しい気分になるだとか、そういった人の心の変化をカタルシスを得ると表現したりするのです。
私なりの解釈だと『曇っていた心が晴れやかになる事』と言ったほうが現代人には伝わりやすいでしょう。
さて、じゃあその心の曇りが晴れになる瞬間のカタルシスをどうやって小説家は表現するのか。
どうやったら読者に感情移入してもらい、最終的に気分が晴れやかになって『面白かった~』と言ってもらえるのか。
それが昨今の小説家になろう界隈で流行しているあれです。
【追放】&【ざまぁ】です。
私はこのジャンルの物語を書いてないので、そんなに偉そうに語れる立場ではないのですが、あえてコレ分析させてもらうとこの【追放】&【ざまぁ】が心の曇りと晴れを見事に一言で表現しています。
よくある設定だと主人公がSランクパーティを追放されてボッチになった~からの色々酷い目にあったけど、最終的に成り上がって強くなったり、仕返しをして追放したやつらにこう言うのです「ざまぁみろ」と。
最近はそうハッキリとは言わないのかな。
それに類似する気分を伝えるだけで構わないので、表現方法はいくらでもあるかと思います。
とにかく読者がジャンルのタグを見た時【追放】&【ざまぁ】があるだけで物語の中で重要なウェイトをしめる感情の揺らぎである『カタルシス』の存在がほぼ約束されているのです。
これは流行を分析して始めて気付かされました。良くできたシステムだなぁと。改めて日本語は凄いなと。
ここまで分析できれば、頭の良い理系男の皆さんはお気づきだと思います。
面白い小説や物語における流行の正体はこの『カタルシス』の方だと。
【追放】&【ざまぁ】はあくまでそれらの要素がありますよ~
『曇っていた心が晴れやかになる物語』ですよ~
と、いうことを伝えるための一つの武器にすぎません。
もちろん、追放されなくても他の要素でもカタルシスは表現できます。
無理に仕返しやざまぁしなくても心は幸せになれます。
例えば……
◇貧乏神もびっくりの超絶貧乏だったけど頑張って大金持ちになったぜ!
◇凄い弱かった辺境の勇者は努力したら世界最強まで強くなりました!
◇愛に飢えていた獣は冒険に出て魔法で人間になりイケメンと結婚して幸せになったよ!
◇自動で毎日うんこ踏むだけのクソ能力だったけど覚醒して運MAXのチート能力になりました!
とか、たった今適当に考えたけどこんなカタルシスもあると思います。
物語の【画竜点睛】すなわち、事を完成するために最後に加える大切な仕上げは、この知識があるかどうかで決まるのです。
とりあえず流行しているから読む、なんか売れているから書いてみるでも良いとは思います。
しかし、理系男ならではの売れている作品は何故そうなっているのか?
という知的探究心から来る分析の結果でした。
カタルシスの仕組みを正しく理解することで見えてきた流行の小説との関係の話でした。
今回のテーマ理系男のカタルシス。どうだったでしょうか?
このコラムが小説を書く誰かのヒントとなり、役に立てればこれ幸いです。
それじゃまたね。
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