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タイトル 駅が

循環はどこ
次の駅次の駅駅がない
ある日、
ナマケモノは次の駅を探しはじめました。
1日に1本の電車に乗りたいと思ったのです!

ナマケモノの家はナマケモノが歩いて30分のところにありました。けれどもナマケモノは家を出るまでの時間を計算していないので、大体いつも家を出る時間が、その電車が駅を出発する時間でした。
ナマケモノは毎日歩きましたがいまだ着くことはありません。今日はまた30分くらい遅れた、今日は1時間かな、今日は家を出られなかった、今日は15分程度遅れただけだった、、、。
そして今日は、ナマケモノが駅に着いた瞬間に電車が通り過ぎるのが見えました。ナマケモノは現実を見ました。自分の限界の、最高スピードでも間に合わないことを!

ナマケモノは恨みました。電車の姿は見えるのに乗ることができない自分を、世の中の早すぎる時間を、そして電車に乗りたいと思った自分のことを。

ナマケモノはそれでも電車に乗るために歩かなければいけません。何故ならナマケモノは電車に乗りたいと思ったからです。

〈つづく〉

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