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世界的なWindowsダウンの混乱

2024年7月19日
世界中でWindowsがブルースクリーンになり起動できないというトラブルが多発した。 原因は、アメリカのセキュリティソフト会社CrowdStrikeのEDR製品のバグ。

ブルースクリーンの例(Microsoft supportより)

なぜセキュリティソフトがWindowsをダウンさせたのか?

EDR(Endpoint Detection and Response)とは、パソコンの挙動を監視し、サイバー攻撃から守るセキュリティソフトである。

EDRは、システムの深い部分まで監視するため、OSに対して強力な権限を持っている。 今回のトラブルは、CrowdStrikeのEDR製品のアップデートに含まれていたバグが、Windowsの重要なシステムファイルを誤って「危険なファイル」と認識し、ブロックしてしまった。

Windowsのシステムファイルは、家の土台や大黒柱のようなものであり、これが使えなくなるとWindowsが起動できなくなる。

なぜ影響が広範囲に及んだのか?

CrowdStrikeのEDR製品は、
多くの政府機関や大企業で使用されている。

そのため、
このバグの影響は世界中に広がった。
航空会社の予約システム停止、病院の診療システム停止、テレビ局の放送停止など、様々な分野で混乱が生じた。

日本では、欧米に比べて紙媒体での業務やFAXの利用が多いなど、アナログな業務プロセスが残っている企業も多いため、影響は比較的少なかった。
(技術的負債が逆に生き残るというパターンは意外と多い)

しかし、デジタル化が進んでいる大企業では、
少なからず影響があったと考えられる。

DX推進における教訓

今回のトラブルは、デジタル化が進む中で、セキュリティ対策の重要性をあらためて認識させる。 同時に、特定のベンダーの製品に依存することのリスクも浮き彫りになった。

企業は、セキュリティ対策を強化するために、複数のセキュリティベンダーの製品を組み合わせるなど、リスク分散を考慮した対策が必要になる。 これは、セキュリティソフトに限らず、あらゆるデジタルツールにも当てはまる考え方になる。

デジタル化のリスクと向き合う

今回のWindowsダウンは、デジタル化の恩恵を受ける一方で、そのリスクにも目を向けなければならないことをあらためて示した。


中小企業DX事典|Iwakami Sho|note
「DXが浸透しないのは言葉の定義が曖昧だからでは?」という仮説をもとに「デジタル活用=DX」という広い定義を設定しました。具体的なデジタル活用に役立つノウハウをまとめます。スキマ時間でサクッと読める内容を目指しています。

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