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中小企業DX事典

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「DXが浸透しないのは言葉の定義が曖昧だからでは?」と感じて「デジタル活用=DX」でデジタル活用に役立つ具体的なノウハウをまとめます。スキマ時間でサクッと読めます。
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記事一覧

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ご報告 中小企業で役立ちそうなDXに関連した記事が100を超えた。 よく読まれている記事 いいね数が多い記事を5つご紹介。

資料は蓄積してこそ価値がでてくる

近年、Napkin AIのような生成AIの登場により、一瞬で図解資料の作成が可能になった。 しかし、以前X(旧Twitter)に投稿したように、 簡単な論理構造を図にするだけでは、読み手にとっては文章と大差ないのかもしれない。 資料の真の価値は、長年にわたって積み上げられた知見や経験を反映し、それらをもとにテンプレート化や再利用を繰り返すことでブラッシュアップされるところにある。 自分なりの深い理解を言葉や図に落とし込んでこそ、資料は輝きを放つ。これは外れ値であって、

新しい技術に期待していいケース

「今はまだ使い物にならないな」 そういう技術でも、技術進化によって将来的には使える技術になるケースがある。 生成AI、たとえばテキストを生成するAIや画像を生成するAI、音楽を作るAIなどがある。 でも今のところ、まだ完璧じゃないことも多い。 例えば、生成AIの課題は、 確率の問題 生成AIが作り出す内容はランダム性もあって、意図しない内容が出てくる。正しい情報を提供する確率が不確かだったり、ちょっとズレた画像が生成されることも。 速度の問題 生成するのに時間がかかるこ

やがて訪れる人材不足への対策

熊本県菊陽町にあるラーメン店「天外天」が、TSMC進出による人材確保の困難を理由に閉店することになった。 このニュース、中小企業の課題を浮き彫りにしている。 人材不足が深刻化するなかで、事業をどのように設計し、成長戦略を描くべきか。 人材確保が困難 「天外天」の閉店は、中小企業が直面する人材確保の難しさがみえる。 大手企業が進出し、高待遇の求人が増える。すると、人材確保競争で不利な立場に立たされる。TSMC関連で高待遇のアルバイト求人が増加したため、最大時給1300円を

動画生成に特化した生成AIを調べた【2024/9時点】

動画生成AIは、テキストや画像から動画を自動生成する技術。Xでもよくバズっているが、近年(というか月単位で)急速に進化している。 調べてみて活用できそうなものをご紹介する。 ※情報の精度は導入前にしっかり確認いただくことを推奨。 「生成動画の品質」はデモ動画をみた主観です笑 主要な動画生成AIツールの比較 Runway Gen-3: 特徴: 高画質・高精細な動画を生成。特に「Gen-3 Alpha Turbo」バージョンでは生成スピードが大幅に向上。多様なスタイルの動

江戸時代の算数「和算」:遊びから生まれた高度な数学

和算の起源と発展:そろばんから天元術へ 和算は、14世紀頃に中国で発明されたそろばんの伝来をきっかけに、日本で独自の発展を遂げた数学体系である。 そろばんは、16世紀末に日本に伝わった。 その計算の速さと正確さから、商業や土木工事など、幅広い分野で活用された。 1627年に出版された『塵劫記』は、そろばんを使った計算方法などを解説した、江戸時代の数学の基礎を築いた書物である。 その後、中国の数学書『算学啓蒙』から「天元術」という代数方程式を解く技法が伝わり、和算はさらに

贈り物で社会が変わり続けてきた

文化人類学の研究によると、贈り物は単なるモノのやり取りではなく、贈る人と受け取る人の間に特別な関係を作る力があるらしい。 贈る人は名声を得て、受け取る人はお返しをする義務を負う。 このやり取りが繰り返されると、社会の構造が変化する。 研究では、贈り物の回数や、お返しの金額がどれくらいだと「適切」とされるかによって、社会の格差や構造が変わることがわかった。 最初は平等だった社会も、贈り物が増えると経済的な差が生まれて、それが社会的な地位の差に繋がる。最終的には、圧倒的な力

小泉進次郎氏のWebサイトはSTUDIO製

小泉進次郎氏のWebサイト。 小泉進次郎 | 自民党総裁選特設サイト (shinjiro.info) 背景の広大な青空からは、氏の政治活動における「勢い」や「未来への展望」を感じさせ、サイト全体を彩る青と白のカラーリングからは「爽やかさ」や「新しさ」が伝わってくる。 このWebサイト、ノーコードツール「STUDIO」で制作されている。 このWebサイトがSTUDIO製であることを見つけたのは「Wappalyzer」というWeb技術分析ツール。 Wappalyzerは、

補助金情報を一元化するシステムをデジタル庁がつくる

タイトルがすべてだ笑 デジタル庁は、企業や自治体にとって煩雑だった国の補助金申請プロセスを大幅に簡素化するシステムの構築に乗り出している。現在、5000種類以上とされる国の補助金情報を一元化し、将来的にはAIを活用して利用者ごとに最適な補助金を提案する機能も検討中らしい。 この新システムは、各府省庁の補助金に関する情報を集約し、利用者が検索や一括申請を簡単にできることを目指している。 特に、予算編成などで様々な補助金を活用する自治体にとっては、事務負担軽減に大きく貢献でき

図解に強い生成AIが便利なのか試してみた(Napkin AI)

デジタル技術を活用した業務効率化が不可欠だが、 そのなかでも、資料作成は時間と手間のかかる作業の一つ。 Napkin AIという図解に特化した生成AIを見つけたので、資料作成の負担を軽減し、視覚的に訴求力のある資料を簡単に作成できるのか?を試す。 Napkin AI Napkin AI - The visual AI for business storytelling Napkin AIは、テキストを入力するだけで、AIが自動的に文章の内容に合わせたグラフや図解、フロー

物流2024年問題をチャンスに変えた企業

2024年4月から施行されたトラックドライバーの労働時間規制は、物流業界に大きな影響を与えている。 特に、中小や零細の運送会社にとっては経営悪化の懸念も高まる。 こうした状況下で、 物流マッチングサービス「ハコベル」は、DXを駆使して物流業界全体の共存共栄を目指している。 ハコベルは、荷主が運送日時や場所を指定すると直接トラックドライバーに依頼できるサービス。 ドライバーは、帰り道に別の案件を引き受けることもできて効率的に配送ができる。 このサービスは、荷主とドライバ

結果にコミットするRIZAPのマーケコンサル

RIZAPといえば、パーソナルジムのイメージ。 だが、実は「マーケティングコンサル」事業も展開している。 しかも、初期費用不要、クリエイティブ制作/広告運用費はRIZAP負担という、まさに「結果にコミット」する成果報酬型のサービスだ。 自社で培ったノウハウを活かし、戦略立案からクリエイティブ制作、広告運用までが支援対象。 RIZAPのマーケティングコンサルは、特に中小企業にとって魅力的な選択肢となるだろう。 なぜなら、初期費用が不要、成果報酬型で運用代行も担ってくれる。

「私たちの未来に生成AIはない」と明言したProcreate

生成AIの進化は、コンテンツ制作やアートの世界に新たな可能性をもたらしている。 しかし、AIが人間の創造性を奪うのではないかという懸念もある。 iPad専用イラスト制作アプリ「Procreate」の公式発表は、この問題に対する一つの回答を示している。 Procreateの強気な姿勢 Procreateは、生成AIを「人々の創作力を奪略する」と批判する。 自社製品には生成AI機能を搭載しないことを明言した。 これは、ライバル製品がAI機能を競って搭載する中で、非常に挑

生成AIが人間の感情に深く介入する

生成AIは、人間の精神性にどんな影響を与えるのだろうか? 生成AIとの過剰な関係がもたらすリスク 生成AIとの対話は、人間関係の希薄化や孤独感を招く可能性がある。依存症のような状態を引き起こすリスクもある。 ベルギーで生成AIとの対話に没頭した男性が自ら命を絶った事件は、生成AIが人間の感情に深く介入する危険性を浮き彫りにした。 幸福と生産性の源泉 人間は「没頭」している時に最大のパフォーマンスを発揮できる。「フロー」や「ゾーン」とも呼ばれるこの状態は、周囲の雑念を