見出し画像

LIFE SHIFT 人生100年時代をどう生きる?

 長寿化により平均寿命が延び、100歳まで生きる人は増えていくであろう。

 これからの人生、長寿化の恩恵に浴するか、災厄にするかは、人生戦略によって大きく変わってくることは確実だと思います。

 本書は、長寿化を恩恵とするために行動するきっかけを与えてくれる本です。

 内容は詳しくは書きませんが、皆々様(特に若人)に恐怖を与え、地獄を見せ、この本に救いを求めるよう仕向けるために文章を書きたいと思います。

〇お金の話

・年金をあてにできる?リタイア後の長い間暮らす不安

 これまでの3ステージの人生戦略(教育、就職、引退)で考えると、例えば65歳で引退した後、100歳まで35年間無収入で生きていかなければならない可能性があります。年金が生活水準を維持するために必要な分出るかどうかや、老後資金については昨今のセンセーショナルな話題の一つとなっています。貯金ゼロの私にとっては、お先真っ暗にも程があります。餓死するしかないのでしょうか。人はここで、シワシワになってくたばっている己をまざまざと想像することでしょう。

・長いこと労働しなければならないのか。。。

 或いは、引退年齢が延び、75歳や80歳まで働かなければならなくなるかもしれません。私のように労働意欲の極めて低い労働者は、それを想像するだけで絶望的な気持ちになります。共産主義国家にいてレーニンを崇拝していたら、もう少し労働意欲が湧いていたかな?人はここで、死んだ目でうつむきながらノロノロと作業する瘦せこけた己をまざまざと想像することでしょう。

 これらのことから、私ほどではないにしても、長寿が災厄と感じてしまう人は多いのではないでしょうか。私がこのまま長寿化社会をよく生き延びることは到底無理な話で、退職と同時に切腹するか、「オンディーヌの呪い」にかかったかの如く死ぬまで働き続けるしか道はありません。人はここで、「長寿なんざくそくらえ、死んだほうがマシだ。」と思うことでしょう。

〇教育・仕事・引退のモデルの崩壊

 終身雇用の時代は終わったと言われていますが、今後それが現実的に感ぜられるようになってくるのではないでしょうか。世の中の変化のスピードはどんどん速くなっていると思います。例えば、1990年代はケータイ電話は然程普及していなかったようですが、いまやケータイどころか極めて高性能なスマホを誰もが携帯しています。電車内では気持ち悪いことにほぼ全ての人が見ています。また、子供のころはアシモなど見ては、動物園でサルを見るかのように喜んでいましたが、今やロボット同士で独自の言語をつくり会話しだす「事故」まで起こってしまいました。

 つまり、「教育」のステージで身に付けたスキルは「引退」まで有用なスキルであるとは限らないということです。人は、社会が変化することを前提に何かしら新しいスキルを身に付けていかなければ、仕事でお金を稼ぎ続けることは難しくなります。人はここで「では絶えず学び続けなければならないのか?」と絶望すると思いますが、その通りです。知識を身に付けたり、経験によってスキルを身に付け続ける必要があります。一つの仕事で力を発揮し続けるより、仕事を変えたり、学びに費やす時間を作ったり、多様な人生戦略が考えられると思います。「変化」が当たり前の世の中になるでしょう。

 そこそこの企業に勤めている若人はここで、「オイオイ、せっかく安泰な人生を送れると思ったのに、そうは行かんのかよ」と思うでしょうが、その通りです。

〇見えない「資産」

 さて、長寿化社会を話題にするとき、多くの人はお金の話ばかりするかもしれません。おそらく、幸福な生活を送り続けるにはお金が最も重要だと思っているからでしょう。日々ニュースなどで目にするのもここばかりな気がします(私にバイアスがかかっているせいか?)。

 しかしながら、お金以外に、お金と同じく大事な資産があります。本書では、それについてページ数を多く割いて、我々が長寿化社会を幸福に生きるために論じるべきことをわかりやすく書いています。

・生産性資産

 主たる構成要素はスキルと知識(他にもあるが)、仕事の生産性を高め、所得を向上させるのに役立つ資産です。先に述べたように、テクノロジーの進化によってスキルは「陳腐化」していくことが考えられるので、絶えず新しいスキルと知識を身に付ける必要があります。

・活力資産

 肉体的・精神的な健康と幸福の事です。家族との関係などが該当しますが、これが充実していなければ、仕事の生産性にも大きく影響するでしょうし、幸せな人生を送ることは難しくなります。家庭の中が常に険悪な雰囲気だったら、憂鬱な気分のまま仕事に行かねばならないでしょう?おっと、独り身でもそうかもしれませんね。

・変身資産

 100年生きるとなると、仕事を変えたり学びに集中したり、大きな変化を経験することになります。そのために必要な資産の事です。自分についてよく知っていること、多様性に富んだ人的ネットワークを持つこと、何より新しい経験に対して開かれた姿勢を持っていることが挙げられます。人はなかなか変化に対して恐れることが多く、親などもそうだと思います。親は3ステージの人間ですので恐れて当然ですが、我々若人はマルチステージの人間ですから、新しい経験を恐れることなく生活していくべきです。

〇おわりに

 世知辛き世間には、主に老後のお金の話が世の中に出回っていますが、それだけ考えていては長寿の恩恵を受けることは難しいのだと思います。幸福な人生を送るためには、お金だけでなく、様々な無形の資産が大事なのだと改めて思いました。無形の資産はこれまでも大事なものだったに違いありませんが、世の中が変わり人生戦略が変わってくる中、無形の資産が「資産」として捉えられるようになってきたのではないかと感じています。無形の資産が非常に多様な価値を生み出すものとして捉え、自分の人生を自分で良いものにしていきたいと思いました。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?