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自閉症は出来事を話すことが苦手

こんにちは。いわたコトバのそうだん室の岩田です。
すこーしだけ夏の匂いがしてきたような気がしますね。

今日は「自閉症は出来事を話すことが苦手」です。
先日教室に来てくれた自閉症のお子さんが
「赤い丸いのがたくさんあったの。すごいびっくりしたの。それでね〜」と楽しそうに話してくれることがありました。
でも、もじゃ先生は「赤い丸いの」が何のことなのか全く分かりません。なんの話か分からず困った顔をしていても、お構いなくどんどん話し続けています。

一通り話し終え、よくよく話を聞いてみると、教室に来る途中に赤い風船がたくさんついてるお店があったお話」だったようです。
綺麗なお店があったことを頑張って伝えたかったんですね😄

実は自閉症のお子さんはこのような一方的で相手に伝わりにくい話し方になってしまうことが多いんです。

お話(語り)が苦手な理由

自分の経験とかエピソードを話すことを「語り」と言います。
語りは「こんなことがあって(導入)」「こうしたら(原因)」「こうなった(結果)」「こう思った(考え)」というような一連の流れから自分の思っていることを相手に伝えます。

でもこれって実は自閉症の特性的に結構むずかしいものなんです。
出来事を話すことが苦手な理由を自閉症の特性とともに3つ説明していきます。

苦手な理由①相手の視点に立つのが苦手

自閉症のお子さんは相手の視点に立って物事を考えることが苦手です。
自分の目線でのお話が中心になってしまうので、相手に伝わりにくい表現を使ってしまったり、相手の知らない情報をすっ飛ばしてしまったりします。

さっきのお話の「赤い丸いのがたくさんあったの。すごいびっくりしたの。それでね〜」
という話では、導入である「教室に来る途中に」が抜けてしまっていることで聞き手は何の話なのかが全く理解できなくなってしまいます。

苦手な理由②情報をふるいわけられない

自閉症のお子さんは「木をみて森を見ず」と言われるように、細部にとらわれて全体に目を向けることが苦手な子が多いんです。

上手にお話をするには、そのお話をする上で必要な情報を選んで、あまり関係のないお話は捨てなければいけません。
言い換えると、細かすぎる情報は捨てたり、話が脱線しないようにコントロールしたりする必要があります。
これがうまくできないと「赤い丸いのがたくさんあったんだよ。全部で15個くらいあって薄い赤とか濃い赤もあって、薄い赤は〜」と話が逸れていってしまう危険性があります。「赤い風船でびっくりした話」がどんどん脱線していってしまうんですね。

苦手な理由③:相手の様子を見ながら話すのが苦手

①の理由と少し似ていますが、人への興味関心が薄いために話しかけている人の表情を確認しながら話したり、相手の反応を待ったりすることが難しいことがあります。
そのため一方的に話してしまったり、相手が困っているのに気がつかなかったりします。

まとめ

これらの特性によって、思いをうまく伝えられなかったりコミュニケーションが成立しなくなってしまったりしてしまうことがあるため、教室では話し方のスキルの練習や相手の気持ちを考える練習などを行うこともあります。
具体的な関わりかたや練習方法は今後投稿として少しずつまとめていきますね🎵


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