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会議と移動は時間泥棒 味の素の本気【 NIKKEI 】

#ニュースで語る  日本経済新聞電子版より

2015年から味の素の代表取締役となった西井孝明社長の奮戦記です。

とても参考になりますし、社長の行動力にスカッとする気分で読めました。

● プロローグ

グローバル企業への飛躍を託され、社長に就任。その際の思考を以下のように述べています。

世界トップ10を目指すには、経営を支える優秀な人材が必要だ。日本の本社の年間労働時間は約2000時間に上っていた。「長時間労働を前提とした働き方では、世界の優秀な人材は味の素グループで働いてくれない。来てくれたとしても、こんな効率の悪い働き方では長続きしない」。

この考えをベースに、残業時間の削減に奮闘し、成功した事例が紹介されています。

詳細はぜひ記事を読んでください。

私が特に参考になった点を2つ、挙げていきます。


1 現場の状況を抽象的ではなく、数値的に把握する。

単に「忙しい」ではなく、なぜ忙しいのか?何に時間がとられているのか?その時間は必要なのか?分析した結果、無駄な時間が会議や移動に多く、その2つを改革したそうです。

私は税理士として中小零細企業のサポートをしていますが、中小企業の経営者は「働き方改革」に懐疑的な方が多いです。

「今もギリギリでやっているのに、有給だの残業削減だの・・役人や政治家は現場を見ていない」

と。私も現場を見ていますので、共感する部分があります。ただ、お客さんの中には、独自の働き方改革を実施し、残業時間を削減している会社もあります。

例えば、個々の業務内容・進捗度を「見える化」し、「あの人が今、負担が多くなっているから、私がやろう」と仕事の分担を社員同士で合理的にできるようにした会社。残業時間を「見える化」し、残業が少なかった社員を称え、昇給を大きくしたり、諸手当をつけた会社。生産管理と日報を照らし、生産量に見合ったシフト制を導入した会社。どの会社も改革を起こしてから、伸びている会社ばかりです。

「忙しいから残業はしょうがない。なんで忙しいかって?雇用者が不足しているからだよ。」

本当にそういう会社もたくさんあると思います。ただ、西井社長のように、よく分析してみた結果、その答えに行きついたのか。特に我々がサポートする中小零細企業はトップダウンや同族経営が多いので、経営陣が分析する前から「会社のことはよく分かっている」と判断しがちです(私も含め自戒の念を込めて・・)。

味の素は移動と会議を見つめなおしましたが、じゃあ我々も移動と会議を。ではなく、個々の企業がまず抽象的でなく、「具体的な」自己分析を始めることが大切だと感じました。


2 ミドルアップダウン・マネジメントの要素

ミドルアップダウン・マネジメントについて以前note で書きました(以下の推薦図書の記事です)。

管理職が真のリーダーになれているか。トップの理念が現場に届き、現場のイノベーションがトップまで共有される組織。その重要なパイプである管理職が、形骸化すると組織そのものが成長できないという発想です。

記事では、必ず管理職とのランチミーティング、会話の場を設けているとありました。詳細までは書いていませんが、「管理職がやりがいをもって仕事ができている=トップから現場までが循環している証」だと思います。

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経営陣が、社員の働き方をじっくり考える。単に育児休暇をとりやすくとか、ノー残業デー作るよ、とかではなく、なぜ忙しいのかを突き止める。そして、改善策導入後も、フォローをし続ける。

形式ではなく、実質重視の働き方改革を見たように感じ、とても参考になりました。

全5回シリーズなので、今後の展開も楽しみです。

#COMEMO #NIKKEI



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