季節を味わう、七十二候のしらべ。「天地始めて粛し(てんちはじめてさむし)」

note投稿15回目である。
ここ数日は日中こそ暑いが朝晩は少し過ごしやすくなってきたように感じる。
今回は七十二候紹介、第2回目である。

天地始めて粛し(てんちはじめてさむし)

新暦では8月28日〜9月1日 二十四節気「処暑」の次候

8月も最終週に入り、夏の暑さが収まり始める頃。

「粛」は収まる、しずまる、弱まるという意味で、暑さの気が衰え、天地が涼しくなっていく様を表している。

とはいえ実際は日中厳しい暑さが続き、一年の最高気温を叩き出すの「処暑」が一番多いんだとか。

私たち人間からしたら、一日でも早い涼しい秋の訪れを祈るばかりだが、この時期特有の日中の暑さと朝晩の涼しさの両方を必要する植物がいる、それが「稲」である。
実りの良い稲を育てるには、昼間の光合成でデンプンを作り、夜間にそれを穂へ蓄えることが必要。
しかし夜の気温が高くなると、呼吸の頻度が上がり蓄えたデンプンを消費してしまう。

そのため日中暑く、朝晩涼しいこの期間は、秋の収穫に向けてとても大切な時期で、一見すると分からないが稲たちは秋を見据えて、着々と成長していっているのだ。

季節の言葉 「二百十日」

また立春から数えて210日目は、雑節の「二百十日」と呼ばれ、昔から台風に警戒するべき日とされている。
(雑節とは、季節の移り変りを正確に掴むために設けられた、特別な暦のこと)

いよいよ稲が実り、秋の収穫を目前にしての台風襲来は、生死に関わる重大事である。
そのため作物の無事を祈る風鎮めの祭りが各地で行われ、300年の伝統を持つと言われる富山県富山市八尾町の「おわら風の盆」は現在も受け継がれている。

収穫という実りと風水害という災害。

そんな吉凶二つが隣り合うこの期間を昔の人々はどんな気持ちで過ごしていたのだろうか。

補足事項
・季節の果物 ぶどう (旬は8月~10月) 
・季節の魚介 ぐち(シログチ) (旬は夏)
・季節の行事 大曲の全国花火競技大会(8月第4土曜日)

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