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平成の怪物、松坂大輔引退。「最後は逃げない、立ち向かう」姿勢に勇気をもらい続けた話。

先日、プロ野球日本ハムファイターズの斎藤佑樹投手の現役引退に関して書いたが、
今日、自分にとってヒーローがまた1人ユニフォームを脱いだ。

野球を知らない方も知っているであろう、平成の怪物松坂大輔投手の引退である。

野球好きの自分としては、この2人の引退がまさか同じ年に起こるとは思わなかった、寂しいばかりだ。

今日は松坂投手の引退会見で印象深かったことを書き残したいと思う。

最後は逃げない、立ち向かう。

松坂大輔投手が一躍有名になったのは、1998年の甲子園春・夏連覇の活躍だろう。
現在33歳の私も当時の活躍をリアルタイムで見てはいたがあまりはっきりとは覚えていない。
私にとっての松坂投手と言えば、プロ入り後西武ライオンズでバリバリのエースだった松坂投手だ。

ちょうど松坂投手が西武で活躍されている頃私は中学生で、毎日泥だらけになりながら野球に明け暮れていた。

そんな中でたまの休みの日には、友達と西武ドームに野球観戦に行くのが恒例になっていて、
松坂投手が先発の試合の時は、楽しみでドキドキして中々寝られなかったことを今でも覚えている。

西武ドームに行ったことある方はご存知だと思うが、
ピッチャーが投球練習する「ブルペン」と呼ばれる投球練習場が、通常屋内にあることが多いのだが、
西武ドームの場合は客席の前にブルペンがあって投手の投球練習がすぐ近くで見られるようになっている。

しかしブルペンの周りには警備員の人がいるので、中々立ち止まって間近でじっくりとみることはできない。
そのため、ブルペンの前を警備員に怒られないように、ゆっくりと何回も往復しながら間近で選手を見るのが当時のルーティンだった。

その中でもやはり松坂投手を間近で見た時の感動は毎回格別で、同じ場所にいると言うだけで胸が高まったし、
とてつもなく早いボールを投げる姿を見て、プロって凄いな、自分も少しでも追いつきたいとかじりついて練習を見ていた。

自分より圧倒的に凄いもの、人に出会う機会ってあの体験が初めてだと思う。
絶対に追いつけないと思うけれど、憧れ続ける存在。
松坂選手は、正に自分にとっての永遠のヒーローだった。

その後松坂投手は、アメリカに渡りメジャーリーグでも変わらない活躍を見せる。
私自身も高校まで野球を続けたが、実力不足もあり大学での野球は諦めた。
それでも、スポーツニュースで細かく松坂投手の情報は集め続けたし、活躍の情報を知るたびにあの時のワクワク感が思い出された。

大人になっても夢と希望を見させてくれる存在、野球から離れた私にとっても松坂投手は夢を与え続けてくれた。

だがその後松坂投手は怪我を重ね、ついに今日ユニフォームを脱ぐ日になった。
最初そのニュースを聞いた時、すぐには信じられなかった。
怪我が治れば必ず戻ってきてくれると信じていた。
なぜなら自分にとって松坂投手は永遠のヒーローだったから。怪我なんて乗り越えてくれると言う淡い期待を強く持っていたのだ。

それでも今日の試合前の引退会見で松坂投手が、
もうすでに自分の思い通りには野球ができないこと、
身体の痛みも限界に近づいていること、
家族への想いを涙ながらに語る姿を見て、
当たり前だけれど、松坂投手も自分たちと同じ生身の人間なんだ、
本当にお疲れ様でしたと言う気持ちが湧き上がってきた。

会見で一番印象に残ったのが、

マウンドに上がる時にいちばん心がけていたことはー

「(長く沈黙)この23年間…、あまりこう…自分の状態がよくなくて。投げたくないな、できれば代わりたいな、代わってもらいたいなって思う時期もあったんですけど…。やっぱり最後は逃げない、立ち向かう。どんな状況もすべて受け入れる。自分に不利な状況もはね返してやる。試合のマウンドに立つその瞬間には、必ずその気持ちをもって立つようにしてました。ギリギリまで嫌だなって思っていることもありましたけどね。でも立つ時には、その覚悟を持ってマウンドに立つようにしていました」

と言う部分で、
松坂投手も私たちと同じように苦悩しながらも、それでも立ち向かい続けてだのだなと改めて思い返して、
きっと私が中学生の時に見た松坂投手も折れそうな心と向き合いながら、心を奮い立たせていたのだなと思うと、やはり凄い人だし、
誰にもできないようようなパフォーマンスを出し続けることは本当に大変なことだったと思う。

その中でも結果を残し続けて、沢山の人に夢や希望を与え続ける姿は、紛れもなくヒーローだ。

どんなに凄い人でも人間である以上、生身の存在だし、絶対に弱い部分もある。
だけどその自分の弱さに向き合いながら、前を進んでいくその姿勢は他の人に勇気や希望を与えると思う。

松坂投手、沢山の夢と希望をありがとうございました。
その背中から学んだものを自分なりに受け継いで行こうと思います。
本当にお疲れ様でした!

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