見出し画像

「美」のプロが提案! メイクがもつ力からアプローチした自己ブランディング

私が独立した理由-熊谷 真美さん-
「美」という永遠のテーマから、自分自身と向き合いコミュニケーションを考えるというアプローチでブランディングを指導している熊谷さん。資生堂でのメーキャップアーティストとしての実績を持つ熊谷さんに、個人的にもめちゃくちゃ興味があり、お会いすることを楽しみにしていました。まずは、熊谷さんの生い立ちからお伺いします。

2019年夏、”いわみんプロジェクト”として、社長や起業家、独立して活動している方を対象に100人インタビューを実施しました。彼らがどんな想いで起業し、会社を経営しているのか? その中での葛藤や喜び、そして未来に向けて。熱い想いをたくさんの人に伝えたいと思っています。

画像3

熊谷 真美(くまがい まみ)さん

株式会社マリアド 代表取締役社長
1982年、資生堂化粧品販売株式会社入社
店舗マネージャー・資生堂SABFA特別コースにてメーキャップ・アーティスト資格取得。16年の勤務を経て「美意識」が経済効果を生む成果主義を学び、実績を積む。
1998年、株式会社ヒューマンスカイ入社。ヒューマンアカデミー東京校にて「皮膚理論・コスメ理論・メーキャップ概論」の講師としてスタート。
メーキャップ・アーティストとして、全国5万人以上の顧客へカウンセリングを実施。全国から指名が続き、リピート率100%を達成。
コンサルティング部立ち上げに参画
2016年、株式会社ヒューマンスカイ退社
『コミュニケーション・フィットネス®』プログラムを開発
2018年12月、株式会社マリアド設立

父の負債で音大をあきらめて就職
注目される美容部員として活躍

 宮城でに生まれ、岩手で育った幼少期は、祖母がお針子さんの先生で母が洋裁の先生という家庭だったので、たくさんの女性たちがいる教室で過ごしていました。また、母の影響でおしゃれやきれいなものが大好きで、田舎のわりに都会っぽい育ちだったようです。ピアノを習っていたため、音大に行きたいと思っていたんですが、当時、父が事業で負債を抱えてしまったため、高校を卒業するとすぐ就職して働きだしました。
 就職先は資生堂の化粧品販売の仕事でした。働きだしてからは、仕事が本当に嫌いでした。でも、5つくらい上の先輩が非常に教育上手な方で、ちょっとしたことをすごくホメてくれるんです。それがうれしくて頑張っていたら、新入社員でも注目される美容部員になっていました。しばらくは仕事で数字を作っていくことが楽しかったですね。

画像6

 部下をもつようになって昇格はしたものの、売上は落ち着いてきてしまい、気持ちが落ちていた時期に、たまたまあるポスターの前でボーっと考え事をしていたことがあったんです。後日、上司から呼び出されて東京で行われるメークアップアーティスト養成コースへの参加を打診されました。近ごろ私の元気がなく、先日このコース告知のポスターを真剣な表情で見つめているのを、上司が見かけたということでの声掛けでしたが、私はポスターの中身なんてまったく見ていなかったんです(笑)。でも、東京で学ぶチャンスをいただき、行くことにしました。
 東京での学びは本当に楽しかったです。晴れてメーキャップアーティストとなった私は、販売の現場に戻り、一般のお客さまをその場できれいにしていく技術を披露しながら、商品の説明をするというアプローチで営業を開始しました。1日に20人はメイクしていました。その場でみるみる女性たちをきれいにしていく作業も楽しかったし、そんな経験をした人はもちろん、見ている人たちもみなが喜んでくれて、商品もよく売れました。

進学か就職かを考える余地もなく、働きだすことになった熊谷さんですが、あっという間に頭角を現します。「私は本当に運がいいんです」と言い、必ず彼女を引き上げてくれる人がいたと言います。でも、魅力がない人を引き上げるほど、会社は甘くありません。彼女の実績やオーラがあったことは容易に想像がつき、事実結果も出しています。

会社を辞めてメーキャップアーティストとしての
圧倒的な実績を作る一方、
ブランディング研修もスタート

画像2

 そのころ、資生堂で実演販売を仕事にしていた人と出会って結婚し、彼の会社に所属するカタチで働くようになりました。資生堂とは業務提携のカタチでフリーのメーキャップアーティストとして全国の販売店、メイクサロンでメイク実演をして回る生活を8年ほど続けました。その間5万人ほど方へのメイクをしてきました。私のメイクはその人の持つ内面の美しさを表に引き出すお手伝い。そのため、メイク術というよりはカウンセリングに近いものです。そういったアプローチも好評だったようです。
 ただ、長年の実演メイクするときの偏った姿勢での施術がたたり、体調が悪化してしまいました。1日に数十人のメイクをするだけならまだしも、本人やほかのお客さまに見えるように行うため、不自然な姿勢でメイクをすることになるんです。その結果、今までどおりの仕事をこなすことは限界だと感じました。

画像5

 そこで、今まで培ってきたメイクという手段を組み込んだ個人のブランディング、その先の企業ブランディングまでの研修をするプログラムを開発しました。特に企業のトップに近い方たちは、会社の看板を背負って表に立つことも多く、個人ブランディングが非常に大切なんです。最初にそういった個人ブランディングに意識の高い外資系のアメックスからのオーダーをいただけました。副社長のブランディングで効果を感じていただいたことがキッカケで、その後の社員研修や、他の企業研修でも声がかかるようになりました。

 メイクには大きな力があります。メイクレッスンをすることでビジュアルに変化が出ると、人は自信をもつことができます。その自信が生まれることでコミュニケーションが円滑になったり、人との接し方が変わったり、相手からの受け止められ方も変わります。メイクだけでなく、身だしなみやその人に合うカラーなども合わせてお話させていただきます。そういったアプローチでの、個人のブランディングについては興味を持つ方が非常に多く、効果も出やすいのが特徴です。

 2018年、ビジネスでもパートナーだった夫と離婚し独立しました。創業サポーターのメンバーに助けてもらいながら、引き続き個人や企業のブランディングのお手伝いをしていきたいと思っています。一方で、私1人でできることには限界があるので、私のメソッドを若い人たちにも伝えていきたい思っています。

画像5

▲地元の大船渡でのビジネスコンテストの参加し、ミゴト最優秀賞受賞!

熊谷さんがいう創業サポーターとは、戦略やプログラム製作、営業などが得意なメンバーと、月1回ペースで対話しながら、自分のビジネスの方向性などを考えているのだそう。基本1人でやろうとするとき、悩んだり困ったりしたとき、相談に乗れる人がいるのは心強いものです。自分のニガテを認め、人を頼れる、そんな素直な熊谷さんだからこそ、みなが助けてくれるのだと思います。ステキなチームワークですね。


下町の2D&3D編集者。メディアと場作りのプロデューサーとして活動。ワークショップデザイナー&ファシリテーター。世界中の笑顔を増やして、ダイバーシティの実現を目指します!