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インドに来てまで日本食を食べるワケ

旅を初めてもうすぐ1ヶ月が経過する。
フィリピン、タイを経由してインドはニューデリーまでやってきた。年末はかつてヒッピーの聖地と言われたゴア、年明けはヒンドゥー教の聖地バラナシへ移動する。

最近思うことがある。寂しい。
そう、私は寂しさを感じている。
どこを見渡してもヒンディーばかり。
西洋人はおろか、東洋人の姿も見ない。

聞き慣れない言語、慣れない文化。本当の意味で、遠いところまでやってきたのだと実感する。物理的距離と共に、心理的にも「私は日本人である」という感覚が薄らいできていた。

そして思うのだ。日本食が恋しい、と。
ここ最近口にするもの全てに香辛料が含まれている。美味しいのだ。とても美味しいのだが、毎日食べていれば飽きもする。爆発的な味もいいが、繊細で奥深い日本食が食べたい。

いてもたってもいられず、Google mapで日本食を探した。あった。宿泊しているホステルから約4km離れた地点に、それなりの評価の日本レストランがあった。

名前は「kofuku」。なんともそそられる名前だ。さっそく配車アプリでバイタクを呼んだ。猛渋滞の道路を15分ほど進んだ先に「kofuku」の文字を見つける。

さっそくバイクを降り店内へ入る。片言の「イラッシャイマセ」すら愛おしく感じる。案内された座席でメニューを眺める。巻き寿司、定食、麺類、鍋物、つまみと多彩なラインナップ。

かき揚げうどんの文字に胃袋を胃袋が反応しかけたが、次のページでメニューいっぱいにプリントアウトされた写真に心を鷲掴みされた。さっそく店員を呼び注文をする。まさかインドにきてまで、日本食を食べるとは思わなかった。そして、この単語を発音するとも思わなかった。

「MISO RAME, Please」


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