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「背中を押す音楽じゃなくて」

「ただのファンですみません」こちらの記事は、私の少ない趣味にかける情熱が全面に出る内容となりますため、読者向けの言葉遣いをしておりません。ご了承ください。(使用可能なものを検索して写真を使わせていただいております。)

はじめに

我が家の神様、SUPER BEAVERのライブに行ってきました。その日の最後の曲の前のMCで、ボーカルの渋谷龍太さんより、自分達のライブ中の歓声を解禁することが発表されました。そのことで思うところを記事にしておきたいと思いました。

これまで

メジャーデビューしたけれど、その後に長くインディーズでで活動されていたそうです。再度メジャーデビューを迎えた2020年は新型コロナウィルスが蔓延。本来は、バンドと観客がコールアンドレスポンスで、空間に熱量の行き交うようなライブを想像していたはずです。

SUPER BEAVERだけでなく、色んなバンドが理想的なライブができず、様々なしがらみやルールの中で活動されています。それは少しずつ緩和されつつありますが、その時々で、少しでもルール以上のことをしようものなら、その活動は否定されたり、アーティストは言いたくもない文句や政治的とも取れる発言をしてしまったりして、悲しい言葉が溢れていきそうです。

本音が伝わってくるライブMC

彼らはこれまで、この数年をかけて、本当はそれまで通りのライブで曲を届けることを理想や誇りだと説明しながらも、規制の中で、バンドができることを全力でファンに届けるんだと強く発信してこられました。ボーカルの渋谷龍太さんをはじめ、彼らはよく仰ってこられました。「規制をはみ出してまで活動したいとは思わない」けれど、やっぱり「オンステージ」することが一番だと。だから、初めて無観客ライブをする際にも葛藤があったそうです。

「背中を押す音楽じゃなくて」

規制のあるライブにも良いところというか、悪くないところは、言葉が本当の意味で届くように実感できるところだと思います。音楽の振動を吸収する観客が少ないことで(?)、観客ひとりに届く音量が大きくなる気がするし(?)また、規制の中でやれることを検討した時に、普段のバンドライブだけでなくて、アコースティックライブの頻度が増えたアーティストも居るのではないかと思います。私はチケット当たりませんでしたが、今年、SUPER BEAVERはメジャーデビュー後初めてのアコースティックライブを行いました。

私は彼らのファンだと自覚してから、まだ数回しか参加できていないものの、ライブで発せられるエネルギーや、言葉は、体の奥にするすると溶けていってしまうというか、渋谷龍太さんの声が通ることももちろんあると思いますが、他のバンドならば楽器の音に掻き消されそうなボーカルのアドリブも、完全に聞こえてきます。人生を懸けて本気で言っていると感じさせる言葉には、責任が乗っているようです。

おれたちの音楽は、
背中を押す音楽じゃなくて、
一緒に前を向くための音楽なんだ

ライブハウスでの開催

SUPER BEAVERは年間相当な数量のライブをこなします。新曲リリースに合わせて始まるツアーと野外フェスが並行したり、そもそもシングル曲の名前とアルバム曲の名前を冠したツアーが並行したり(している気がします)。自主企画、「現場至上主義」というツアーは、複数のバンドがライブをして、最後にSUPER BEAVERが登場するという企画ライブです。その形態自体は一般的にライブハウスと同じですが、メジャーデビューを経て何千何万と観客を呼べるはずのバンドがやるものではないと思いますが、ライブハウス(現場)で「オンステージ」すること、そこでのこれまでの出会いを大事にする彼らだからこその企画タイトル(だと勝手に理解しています)。

先日の現場至上主義は、およそ3年振りの開催だったそうです。ライブハウスの規模で懸念される感染リスクを鑑みて、期間が空いてしまっていたのだと思います。私たちは運良く参加することができました。観客同士にはコロナ禍のルールを守ろうとする周りへの気遣いを感じるものの、ライブハウスでの距離感、熱量に、正直に湧く戸惑いよりも、開催できた事実に歓喜していました。

ライブでの大声解禁

これまで渋谷龍太さんは「規制をはみ出してまで活動したいとは思わない」だからこそできる手拍子でのリアクションを観客に求めてこられました。私たちを諭すように。いつかコールアンドレスポンスができるようなライブができるまで。

セットリストのラストの曲の前に、渋谷龍太さんは「知ってる?昨日から、ライブでの大声が解禁になったの。だから、3月からのライブ(ファンクラブライブ)から、おれたちも解禁しようと思います」と仰いました。続けて、「そのことを決めた状況で、じゃあそれまでのおれたちのライブでどうすんの(どうするべきなの?)って」「だから、おれたちがみんなに求めた時は、声を出して欲しい」という言葉に、会場は大歓喜。それに続く曲は、イントロだけで分かります。「東京流星群」。観客が歌いやすい場面が何度もあります。私はこれまで、いつか、この曲で大声を出す自分たちを想像していました。その瞬間がいざ来ると、正直戸惑い、10回くらい唱えられる「東京流星群!」「東京流星群!」という歌詞の中で、私は2回くらい、周りの観客と同様に発していました。

とは言え、「でも、ライブにきてくれる皆んながみんな、同じ思いじゃないかも知れないから、周りの人への配慮はして欲しい(ごめんなさい完全には文脈覚えていないです)」「よそはよそ、うちはうち」「よそ(他のアーティストのライブ等)でやっちゃだめだよ」とまで仰っていました。

おわりに

ただのファンながら、喜びと戸惑いは常にあります。SUPER BEAVERのファンになった時点で、規制の中でライブに参加してきたので、これからの我が家のライブ参加方針には変化があるかも知れません。世界が少しずつ方向修正されていっても、まだまだマスクを外す勇気はありません。ライブ行くくせに。常にファンを思う活動をされている彼らはどんどん大きくなっていくでしょう。規制どうこうも、私のようなファンの言葉も、ファンと同じ目線に立ってくれている、彼らの後押しになれば良いと思います。