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連載小説 アンドロメダから僕は来た(25)


おばあちゃん家に着くと真夏ちゃんは薄いピンクの作業着に着替えた。これ着て、と僕にも白の作業着を貸してくれた。

おばあちゃん私のUFOの場所に連れてって、と真夏ちゃんが言うと、はいよ、とおばあちゃんは軽トラで山道をスイスイ登って行く。四国のじいちゃん並みに軽トラの運転は上手かった。

この奥だよ、おばあちゃんは軽トラを止めて指差し、大分草が生えちゃったね、よいしょっと、と荷台から草刈り機を下ろした。

おばあちゃん、やりますよ、と草刈り機を受け取り、僕は慣れた手付きで草を刈り道を作った。中々上手だねえ、と感心しながら見ていたおばあちゃんに、四国のじいちゃん家でいつもやってましたから、と僕は答えた。

山道から少し下った沢の手前にブルーシートに覆われた真夏ちゃんのUFOがあった。真夏ちゃんのUFOは僕のUFOと同じメーカーの型落ちタイプだった。

墜落で羽根の部分は完全に壊れてしまっていた。僕はUFOの下に潜り込み反重力装置を調べた。どう、と心配そうに真夏ちゃんが覗き込んだ。

僕はUFOの下から這い出し、大丈夫!反重力装置は壊れていない!土にまみれた顔でOKサインを出した。

やったあ!真夏ちゃんは飛び上がって喜んで泥だらけの僕に抱きついて来た。


つづく

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