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連載小説 アンドロメダから僕は来た(23)


特急電車は空いていて、車両には僕達以外に乗客は居なかった。

窓際に座っていいよ、私は見慣れた景色だから、と真夏ちゃんは言った。

朝から飲んじゃお、と悪戯っぽく言いながら真夏ちゃんは缶ビールを僕に差し出した。あと朝ごはんね、と言ってコンビニのおにぎりをくれた。

僕達はビールをプシュッと開け、アンドロメダに帰れます様に、と乾杯した。

若い車掌が切符の確認に来た時、真夏ちゃんの事をジロジロ見ていた。もしや気付かれたかと心配になった僕は真夏ちゃんに窓側の席を譲った。

電車は都心のビル群を抜け住宅地を過ぎると、車窓は次第に長閑な風景が広がって来た。

ほら、あそこにギザギザの山が見えるでしょ、あの山の向こうにおばあちゃんの家があるの、おばあちゃんのシチューはとても美味しいのよ、と真夏ちゃんは指刺す。僕は真夏ちゃんに顔を寄せギザギザ山の方を見た。

それからも車掌は通る度に真夏ちゃんの事を横目でチラチラ見ていた。僕は、何見てんだよ、と目力を込めて車掌を睨み返した。


つづく

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