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連載小説 アンドロメダから僕は来た(42)


僕と真夏ちゃんはUFOに乗り込みコクピットに並んで座った。アンドロメダに向けて出発の時が来た。座席が一つのUFOにじいちゃんは真夏ちゃん用の席を食卓の古い木の椅子を改造して取り付けてくれた。

おばあちゃん、おじいちゃん、また必ず遊びに来るから、真夏ちゃんの目から大粒の涙がポロポロ溢れた。

じいちゃん、おばあちゃん、本当に色々ありがとう、じいちゃん達のおかげで僕達はアンドロメダに帰る事が出来る、この恩は絶対に忘れないから、僕は泣くのをグッと堪え、じいちゃんの目をしっかりと見て言った。

おう、ワシ等は大丈夫じゃ、ばあさんと二人で四国と秩父を行ったり来たりして楽しく過ごすつもりじゃ、まだまだ長生きするからのう、いつでも遊びに来いや、楽しみにしとるぞ。

達者でのう、と手を振る優しいじいちゃんの顔を見たら僕はもう涙を止める事が出来なかった。

それじゃ行くよ、じいちゃん、おばあちゃん、さようなら、お元気で、僕はコクピットのカバーを閉じた。反重力装置をオンにするとUFOはフワリと浮き上がった。

じいちゃん家の屋根がどんどん小さくなる、じいちゃんとおばあちゃんはUFOを見上げ、いつまでも手を振っていた。

僕はUFOをじいちゃん家の上空で三度旋回させてから一気に上昇した。手を振るじいちゃん達の姿はすぐに見えなくなり、成層圏の外側に出ると、窓から四国と日本の形がくっきりと見えた。

僕は、いよいよ地球とお別れだよ、と言って真夏ちゃんを見た。真夏ちゃんは、おばあちゃん、おばあちゃん、と言いながら涙でぐしゃぐしゃだった。

美しい水の惑星、地球はみるみる遠ざかって行く、そしてコクピット内は急激に気温が下がり始め寒さが襲って来た。

僕はUFOを自動運転モードに切り替え、じいちゃんに貰ったフカフカの羽布団に真夏ちゃんと二人で潜り込んだ。僕達はアンドロメダに着くまで暖かい布団の中でずっと抱き合って過ごした。


つづく

アンドロメダから僕は来た、がトロフィーとコングラ頂きました。読んで頂きありがとうございます。

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