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植田総裁は、ドラえもんな気がする

昨日文末に書いた「今回の暴落は、予測できたのではないか」について、である。

なんてことはない。

暴落の結構前から米国の経済指標を注視していれば、雲行きの怪しい結果は続いていたし、”歴史は繰り返す” ので過去のデータを気にしていれば、いくつかのシグナルも出ていた。

まず、よく取り上げられる ”逆イールド” 

これは国債の長短金利の逆転が起きている現象のこと。
本来、長期金利よりも短期金利の方が低いはずなのに、インフレを抑えるためなど政策によって短期金利を上げることで起こる。
これが長い間続いていたけれど、解消され正常な順イールド(長期金利>短期金利)になると景気後退、株価の下落が起こりやすいとされている。
リーマン・ショックなど過去の暴落時には、確かにこの逆イールド現象が解消された後だったようだけれど、ちゃんと自分で検証したことがないのでこれは確信が持てない。が、確かに米国債は暴落前に順イールドになりかけていた。

まぁ、こんな小難しそうなシグナルでなくとも、もっと単純な定説ともいえるものがある。

過去、日銀が大きく利上げするとき、世界の景気後退をもたらした

日本の利上げがバブル崩壊のトリガーになる

日本が最後の砦

この類いの話は多くの金融関係者やエコノミストが言われているし、元ゴールドマンサックスおよび IMF勤務というPeter Berezinさんという方は、X(旧twitter)でデータとともに、ここまで言われていた。

現代金融の歴史において、日本銀行が金利を引き上げ始める時期ほど、次の世界的不況がいつ始まるかを予測するのに優れた指標は存在しません。
間違いありません !

おぉ、ここまで言い切るのもすごいが、要するに今回の円キャリーの巻き戻しと同じことが昔から繰り返されていた、ということなんだろう。

”日本が最後の砦” と前述したけれど、これは決して褒め言葉じゃない。
正確には、日本が世界一低金利の調達通貨であり、最後の供給源、それを ”砦" として世界の景気(バブル)を支えていた。だから日本が利上げをすると今回のようにキャリートレードが崩壊する、という理屈なんだろう。

米国がジャイアンなのは異論ないと思うけれど、ジャイアン以外にスネ夫もいたりで、つまり日本は世界中からのび太にされていたことになる。
そう思うと、ぼくは日銀・植田総裁がドラえもんに見えてくるんだけどなぁ。

では何故、世界中が利上げをする中、日本だけがのび太(超低金利)のままだったのか。これについては、この話題の後にでも書こうかな。

とりあえず、次回は今日の続きで。

つづく

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