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当たり前田のキャプチュード

アベノミクスの下、黒田・前日銀総裁が異次元金融緩和を開始し、巨額な国債買い入れを続けた結果どうなったか。

財務省が出している以下の図表がわかりやすい。

出典:「日本の借金の状況」(財務省)
https://www.mof.go.jp/zaisei/financial-situation/financial-situation-01.html

これだけ国債発行を続けるというのは、それだけ日本円を刷りまくり市場にバラまいたということ。その結果、何を招くことになったか。

一つには、先に述べたように借金に麻痺した政府が財源に困ると、錬金術かのように国債発行に依存するようになった。

それから過度な円安進行。
現在の1ドル・約145円もまだ円安だとぼくは思っているけれど、ついこの前までの160円まで進んだ一方的な円安。あの時、メディアをはじめ話題のほとんどは ”日米金利差” だった。もちろん大きな要因に金利差があるのは間違いないけれど、お金の価値を動かすのには二つの側面があると、ぼくは思っている。

一つは他国との相対的な金利差で、もう一つが貨幣そのものが持つ価値。つまりその ”貨幣の購買力” で、これだけ長年に渡り大量の国債を発行すれば(=円を発行すれば)その価値を薄めるのだから日本円が下がり円安になるのは当然といえる。

またこれは日本円や国債の価値を毀損し、世界からその信任が低くなることにつながる。だからそれを懸念する伝統的金融政策派のウルトラスーパー賢い経済学者の先生たちは、アベノミクスや異次元金融緩和を批判、否定されるのだと思う。
実際、米国の信用格付け機関は、日本国債の格付けを引き下げる発表をした。

それでもアベノミクスの狙い通り日本が好景気になり、デフレ脱却ができていれば ”正しかった” と言えただろうし、評価も違っていたと思う。
ところがこの10年間の結果は述べるまでもなく、超低金利、大量に通貨の供給を続けたにもかかわらず、企業や国民は買い控えや貯蓄にまわし目標の物価上昇は起こらなかった。

そりゃそうである。

先述したように、あのタイミングで二度も消費税増税なんてしたのだから、もう当たり前田のキャプチュードだ(おじさんにしかわからないと思うので、スルーして)。
やはり正気の沙汰とは思えない増税のタイミングだったけれど、なんでやっちゃったんだろうね。あれがなければ、 ”もしかしたら” と思えたのに。

それでも黒田・日銀は、国債を発行し続け、日本円を流し続けた。
こうして日本国内の資金需要を超えて行き場をなくした過剰な資金は海外投資へまわり、世界のバブルを形成した。
これが先日述べた ”円キャリー・トレード” の正体であり、「日本の利上げが最後の砦」「日本の利上げがトリガーになる」と言われた所以だと思っている。

つづく



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