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短編小説と呼ばせて

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2,000文字程度の作品です。短文で読みやすく仕上げています。
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#2000字のドラマ

玉子焼きと天気雨【短編小説】2000文字

9月24日(土) 十津川教授、おはようございます。 僕は昨日から三上にある、あのゲストハウ…

イツキ 彩
1年前
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雑炊と片時雨【短編小説】1800文字

「これでいっか」 ユウキは冷凍庫からラップに包まれてカチコチになったごはんのかたまりを2…

イツキ 彩
1年前
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ミネストローネとそぞろ雨【短編小説】1800文字

銀色の大きな観音開きの扉を開くと、そこは想像して創造するための世界が広がっていた。 周り…

イツキ 彩
2年前
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おにぎりと細雨【短編小説】2000文字

風呂上り、ヒノキの香りに包まれながらノドを潤すためにキッチンへと向かう。 このゲストハウ…

イツキ 彩
2年前
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パンとにわか雨【短編小説】1800文字

強力粉の山の対角に、三温糖と塩。 バターはできれば小さくカットして入れ、牛乳を注ぐ。 仕上…

イツキ 彩
2年前
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シェアしよ!【短編小説】2000文字

1年生にはルールがあった。 白いスニーカーじゃないといけない。カバンは黒いリュックじゃな…

イツキ 彩
2年前
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葉太を守れ!【短編小説】2000文字

玄関を開けるといい匂いがした。ビーフシチューだ。帰りに牛丼食ってこなくてよかった! 「ビーフシチュー!ただいまー。」 「おかえり。お母さんはお父さん送ってったから。自分で温めなよ。」 若葉が食卓でスマホを見ながら食っている。 大きく切ったじゃがいも。柔らかく煮込んである牛肉。煮込まれて形がなくなったたまねぎとセロリ。しめじはたっぷり、にんじんは小さめ。緑が鮮やかなブロッコリーは後でのせる仕様だ。 手が込んであるこのビーフシチューは父さんのビーフシチューだ。 「青葉のこと待って

それ、間違ってますよ【短編小説】2000文字

秋は子供たちにとってイベント盛りだくさんの季節。 運動会、稲刈り体験会、遠足、焼き芋大会…

イツキ 彩
2年前
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後戻りができる頃【短編小説】2300文字

「ケーキ屋さんになりたい。」 これは園児でも小学生でも中学生でも高校生でもない。大学3年生…

イツキ 彩
2年前
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きみと一緒に【短編小説】2500文字

17時30分。終業時刻を告げるチャイムが鳴る。 デスクの周りの人に声をかけ、足早に駐車場で待…

イツキ 彩
2年前
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すききらいすき【短編小説】2000文字

遮光カーテンの隙間から柔らかい光が差し込んでいる。 これが7月や8月だとこの時間でも「今…

イツキ 彩
2年前
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私が気になる彼は【短編小説】2000文字

好きな人に好きになってもらうのって凄いことだって。 マンガやドラマは登場人物の相関図でこ…

イツキ 彩
2年前
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ドーナツショップにて【短編小説】2000文字

「別れたいんだ。」 背後から聞こえてきた。私に言われたわけでもないのにヒヤッとする。 気…

イツキ 彩
2年前
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僕の気になる彼女は【短編小説】2000文字

高校生になったら彼女ができるだろうか。 入学前まで考えていたのは、勉強についていけるだろうか、友達できるだろうか、部活どうしようか、ではなく。 ドラマもマンガも音楽も、ニュースにだって。男と女の恋愛が軸になってること、結構あるじゃないか。 だからそう考えてしまう。別に変なことじゃないだろ? 「アツシ、今日は雨が強いからバスにしなさい。」 自転車よりバスでの通学が多くなる6月。 濡れた傘で車内の湿度が上がっている。僕が乗るバス停からは座れない。 立っている人がいるんだから、せ