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「恵みの雨」を降らせたい(Day.12)

今、親子3人川の字に並んだ布団のなかで、この記事を書いている。

今日は朝から神社さんへ行き、家内安全のご祈祷をしてから用を済ませに。大事な用だったので、無事に終わって安心した。その帰り道、通り雨が降って、晴れた空に虹がかかっていたのも縁起がよくて、よい。

前祝いということで、夕飯には焼き肉を食べた。じゅうじゅうと美味しそうな音を聴きながら、ビールを片手に、ここ10年のことを語り合う。

最初は江戸川区のアパートから始まった。5畳半の部屋に申し訳程度の台所。貧乏だった。

私はアルバイトを3つかけもちして舞台のオーディションを受け続け、夫もまだその頃は収入が低かったから、大抵は納豆ご飯か、豚肉ともやしを炒めたものだけ。常に栄養不足で、歯を磨くたびに血が出た。

そんな暮らしが3年ほど続いて、私が心身を病んでしまったために実家に帰り、2年ほど遠距離恋愛になった。結婚が決まったときにはふたりともナーバスになり、月に一度しか会えないのによく喧嘩していたなぁ。

結婚して、都内近郊の都市にマンションを借り、5年間過ごした。コロナ禍で夫の仕事が2ヶ月間休みになって、ふたりで毎日ラジオ体操したり、目的もなく歩き続けたりしたっけ。

世界中でパンデミックが起きた際「人生って何が起こるかわからない……」と思い、子どもがほしいと思った。なかなか来てくれなくて辛い思いをしたこともあったけど、とびきりステキな息子がやってきてくれた。

そしてまもなく、私たち家族の新しい生活が始まりそうだ。正式に決まるにはまだ少し時間があるけれど、今から楽しみでふわふわした気持ち。

夫とは人生の底を一緒に乗り越えてきたし、殺し合い寸前みたいな喧嘩もした。こんなにひとりの人と全力で向き合ったことはないと思う。見た目は優しそうだけど、一本芯が通った人だ。信頼してる。

私たち家族にとって、夫はどっしりとした「土壌」だ。そして息子は、家族を明るく照らしてくれる「太陽」だ。土と太陽が揃って、あとには豊かな恵みの雨があれば、いいものがたくさん育つにちがいない。

だから私は、家族にとっての「恵みの雨」になりたいなぁ。みんなで協力しあって、すくすくと豊かな家庭を育てていきたい。これからも。





▽今日のおすすめ本▽

原田マハ『常設展示室―Permanent Collection―』

美術作品とフィクションストーリーをからめるのに、原田マハさんほどの名手はいないと思う。『真珠の耳飾りの少女』など、誰もが知っている名画を題材に、今を懸命に生きる人びとの姿を描く。

美術の知識がない人も、ふだん小説を読まない人もだいじょうぶ。ひとつひとつが短いお話で、マハさんの文章がすらすらと頭に入ってくるから。

それぞれの登場人物たちの「家族愛」を感じられる1冊だ。

▼昨日の記事。ざわざわした気持ちも素直に綴ってみる。▼



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