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新しい旅に出る

「叩き返して、『叩かれたら痛い』ってことをわからせないとあかんのとちゃう?!」

これは、息子が私を叩くのを見た母が言った言葉だ。いわゆる「目には目を 歯には歯を」理論で、子どもを躾けろということなのだろう。

息子も2歳をすぎて、大人が怒るようなことをわざとすることが増えてきた。言葉数が多いこともあってか、時々「2歳の子ってこんなに理解してるの?」と驚くような言動もある。

冒頭の母の言葉があった時、息子は突然私の顔を叩いたのだった。その時、私は息子に「叩くのはやめて。ママは痛かった」と言ってその場を離れた(私の両親がそばにいたので)。

母は、私が息子を叩き返さなかったので、冒頭の言葉を私に投げかけた。彼女にとっては、叩いたら叩き返す、というのが躾だったのだろう。

しかし私は「子どもを叩く」のは絶対に嫌だった。なぜなら、自分が子どもの頃に叩かれたり殴られたりしたことが鮮烈に残っているからだ。

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うちは親戚が多かったので、休みの日に親族の家に遊びに行ったり、どこかに出かけたりすることが多かった。

ある日、なぜかはわからないが伯父の機嫌を損ねたことがあったらしく、彼から突然殴られたことがあった。

今でも鮮烈に覚えているのが、カレーうどんを食べていて、後ろから突然頭を殴られたのだ。

あのとき私は何歳くらいだったんだろう。伯父は殴った理由を教えてくれるわけでもなく、ただ殴られた。

頭がくらっとして、目の前で火花が散った。大人にそんなことをされたことがなかったので、驚いた。そこから私は泣いたのだろうか。覚えていないが、殴られたところがじんじんして、カーッと熱くなった感覚は残っている。

今にして思えば、殴られるということは「尊厳を傷つけられること」だった。

私は、かなり時間をかけてそのことを母に説明し、叩かれたから叩き返すのは躾ではないし、子どもに理不尽な暴力を振るうのは言語道断だと伝えた。

母は、娘が子どもの頃にそんな目に遭っていたと知って、かなりショックを受けたようだった。

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正直、息子のイヤイヤ期が始まってから、彼に手を挙げそうになったことは何度かある。

それでも思い届まっていたのだが、今日はコップの水が溢れてしまった。ついに息子の小さい手を、パチン!と叩いてしまったのだ。

私の胸に顔をうずめた息子が「ママ、さっき、ぱちんってしたね」と言ったとき、罪悪感で死にそうになった。

最近、体調が悪い。心身共に悲鳴をあげている。そんな八方塞がりの状態が、息子を叩くという行動に繋がってしまって、絶望した。

苦しくなって、仕事用のアカウントにつぶやいてしまったら、ライター仲間のコータローさんが声をかけてくださり、私の話を聞いてくれた。

2時間くらいお話してくれただろうか、そこでnoteの話になって、毎日投稿することを勧めてくれた。コータローさんのお話を聞いているうちに「やってみようか」という気になった。毎日投稿し続けたその先に、どんな景色が待っているのか見たくなったのだ。

どんな景色が待っているのか、という気持ちになったのは久々かもしれない。とにかく自分のために書いてみたい。

大切な息子を叩きたくないのに、叩いてしまった。
ここまで疲れた自分を少しずつ癒せるかもしれない。その道のりに踏み出そうと思う。

(Day.1)

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