【数字で見る】ベストイレブンのGKはあれでいいのか?

2020年のJリーグベストイレブンが発表された
その内容は衝撃的で11人中9人が優勝した川崎フロンターレの選手だった

そこで物議をかもしているのがGKの選出だ
ベストイレブンには川崎フロンターレのチョン・ソンリョン選手が選出された
しかし、これに異議を唱える意見も多く見られる

最小失点である名古屋グランパスのランゲラック選手
DAZN週間ベストプレイヤーに8回選ばれているガンバ大阪の東口選手
この2人の方がいいのではないか?
優勝したからチョン・ソンリョン選手が選ばれた、忖度だ!なんて声も
では実際にそれを考えてみよう

データ

そもそもGKの役割はなんなのか
シュートを止めることであることは誰しもが想像することだろう
しかし、究極を言えばGKはボールを触らないことがベストではないか?
そう、シュートを撃たれなければいいのだ

優秀選手に選ばれた
チョン・ソンリョン選手
ランゲラック選手
東口順昭選手
キム・ジンヒョン選手
彼らが所属するクラブの被シュート数(シュートされた数)などを見てみる

表題未定義-20201222-2238

被シュート数では川崎と名古屋が大阪勢よりも圧倒的に優れているのは見て取れる
それに比べ、被ゴール数は差が大きく開いてはいない

G大阪の東口選手がDAZN週間ベストプレイヤーに多く選出されたのは被シュート数が多く、セーブする機会が多かった事が要因ではないだろうか?
シュートを撃たれなければセーブする必要が無い=GKは仕事をしていない
という訳では無い

シュートをさせないように選手に指示することもGKの重要な仕事である

被シュート成功率は撃たれたシュートの数に対してどれだけゴールになったか
この数字が低ければ低いほど良い(枠外シュートも含まれるため、数字が低い=GKが止めたという意味ではない)

この簡単なデータを見る限り優秀選手賞に選ばれた四選手にそれほど差は無いように思う
しかし、チームとしての守備の差は大阪勢が劣る結果に
ゴールを守ることをGK一人の仕事とするか、守備陣の仕事とするか、チーム全体の仕事とするか
そこに考えの差が出ているため、今回のようなベストイレブン選出の議論が起こるのではないだろうか?

投票数

次に投票数を見てみる優秀選手賞はJ1の18クラブの監督及び選手(17試合以上出場)の投票を元に選出されることを前提として知っておく必要がある(ベストイレブン、最優秀選手はその結果を参考に選考委員会が選出する)

GKと各得票数は以下のようになった

チョン・ソンリョン選手(川崎)71票
東口順昭選手(G大阪)52票
ランゲラック選手(名古屋)48票
キム・ジンヒョン選手(C大阪)42票

チョン・ソンリョンが一人抜きに出ているのが分かる
結局データを見たりサポーターが議論したところで、実際にプレーした選手や監督が投票して差が出たのだから文句を言ってもしょうがない

GKの仕事って?

実際、GKの仕事ってなんなのだろうか?
GKはシュートを止めるのが仕事と思われているがそうでは無い
ゴールを許さない事が仕事なのだ
この二つは似て非なる言葉
前述したが、シュートを撃たれなければセーブする必要は無い
派手な飛びつきでセーブするのはカッコイイが、それは本当に飛びつく必要があったのか
ディフェンスにしっかりと指示をしていればシュートまでいかなかったのではないか、ポジショニングが良ければそこまで飛びつく必要はなかったのではないか
そんな所まで見てみるとGKの面白さが更に分かることだろう

日本のサッカーにおいてGKというポジションはお世辞にも人気があるとは言えない
子どもの頃は押し付けられてやるポジションだった方も多いだろう

もっとGKへの理解が深まり、子ども達が進んでGKをやりたがるようなポジションになって欲しい
日本サッカー界でGKの人気が高まることを期待する

もしよければサポートをお願いします