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知れば知る程縛られる世の中

今日は仕事が早上がりだったので、UNIQLOに行った。ネットで再入荷待ちをしていたデニムを取りに行った。家についてから、ELLEGARDENのビール柄Tシャツと一緒にすぐ履いた。デニムにバンドのTシャツを合わせた時のダサさは、アメリカから来た古着って感じで最高だ。デニムは淡いブルーのワイド型。TシャツのフロントにあるELLEGARDENのロゴは爽やかな赤。テンションが上がって、西瓜のような透けた赤色のリップをつけた。1ルック完成した。ああ、このまま原宿に行きたい。

中学生の頃から原宿に行くのが好きだった。あの街はライブハウスと少し似ていた。色んな服を着た人がいた。馬の顔のマスクをかぶった人だっていた。皆、それぞれ好きな服をきて竹下通りを歩いていた。その中に混じって、黒のプリーツスカートに黒タイツ、当時お気に入りだったEDWINかどこかの黒のサイドゴアブーツを履いて(多分上も黒の上着だった)歩くのが大好きだった。私の髪はボブだった。一度だけ、カットモデルをやりませんか?と声を掛けられたことがあったが、未成年だと伝えると、未成年はダメなんですよと言われた。当時古着系に属する方々のブログを読むのが趣味だったので、カットモデルにも興味があった。だが、ただ歩いているだけの私では実現しなかった。

最近はパーソナルカラー、骨格診断等に自分を当てはめてよく見せようという企画が流行っている。確かに、そうかも知れないパーソナルカラーの色のメイクをすると普段より綺麗に見える。そうかも知れない骨格に合う服を着ると少しスタイルが良く見える。
だが、今日のようにTシャツとデニムと赤リップで、似合う似合わないなんて考えずに、好きなもの同士が合わさる快感。どんなにダサくても、スタイルが良くみえなくても、好きな格好をした時が最も幸せだ。

そんな、それぞれの好きが漂っていた原宿は数年前から変わってしまった。同じような格好で、同じ綿飴を食べて、虹色のサンドイッチが溢れる街になっていた。
今の子達は、もし自分の個性を爆発させたいと思ったらどこで爆発させているのだろう?当時の原宿のような街は今存在するのだろうか?
学生じゃ払えないくらい高い値段の古着。縮みすぎて着れないような可愛いニット。全部390円の雑貨屋。KINJIの安心感。買えないのにお店に入って可愛いと悶えるだけの日々だった。
ある店に置いてあったジャンスポーツのリュックサックが欲しくて欲しくて仕方なかった。お金も無く、買えないのに、まだそのリュックが置いてあるか原宿に行くたびに確認していた。いつか迎えに来るからね!と念じ続けた。高校3年生になり、部活を引退した後、やっとそのリュックを買えた時の嬉しさは今でも鮮明に覚えている。憧れのバスケ部の先輩の真似をして買ったジャンスポーツのネイビーのリュック。使い勝手は悪かった。収納はメインの部分と外側に小さいポケットの2つ。荷物は全て下部に溜まって、取り出しづらいし、下っ腹が出ているみたいで見た目も不細工だった。それでも大好きだった。ボロボロになるまで使った。思い出として残していたが、数年前に捨ててしまった。あると使わずに、もう要らないかなと思うのに、今無いことを思い出して少し寂しい。

あの街には、そんな感じで一人で散歩に行っていただけだったが、とても大事な思い出がたくさんある。それは原宿が原宿だったからだ。あんなに私にとって唯一無二な街はなかった。
現在の原宿にも、私と同じように感じて足を運んでいる子が居たらとても嬉しい。大丈夫。あなたの好きなものを信じて。もっと好きになって欲しいと伝えたい。

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