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『自立』と『自律』は似て非なるモノらしい

とあるキャリアに関する論文の一節にギクリ

以下の文はキャリアに関する「自律」と「自立」の違いです。

 「自立」の状態にある個人は、自分の意見をもち、自己の主張をしたがる人材であるが、それは単なる自己主張・満足に終わってしまう状態と考える。
 しかし、その自立状態では、個人の現在の価値に安住/自己満足し、苦労を伴う成長からは目を逸らし、むしろ逃げの対応をする傾向があると考える。
また、その「自己」観では、他者の自己実現との調整をどうのように行うのかという理解・行動には至っていない。

 それに対して「自律」では、他者のニーズを把握し、それとの調節を図りながら自分自身のコントロールを行い、自らの律しながら、自己実現をはかることができる。

花田光世・宮地夕紀子・大木紀子(2003)
「キャリア自律の新展開-能力生を重視したストレッチングとは」
『一橋ビジネスレビュー』51 巻1 号、6-23 頁より一部文章を要約して使用

この論文のこの一文を目にした時に、少しギクッとなってしまった。
--僕は「自立」しているのか「自律」しているのかと…--

そして以下の文が続く。

多くのキャリア自律を目指すものが、この自立と自律を混同し、キャリア自律がひとり歩きしてしまっている。
これらを「キャリア自律思い込み症候群」と呼んでいる。
この症候群には、本当の自分探しというよりは、現場からの逃避にキャリア自律を使用し、自分の逃げを正当化するところにも特色がある。

花田光世・宮地夕紀子・大木紀子(2003)
「キャリア自律の新展開-能力生を重視したストレッチングとは」
『一橋ビジネスレビュー』51 巻1 号、6-23 頁より一部文章を要約して使用

あーこれは、僕も「キャリア自律思い込み症候群」なのかもしれない。
自分はそうではないと願いたい。
しかし、時には「キャリア自律思い込み症候群」かもしれないと仮定して客観視することも大事だと考えています。

「自分の気持ちを大切にしたい」社会

そんな時、岡田 斗司夫さんの本の一節を思い出しました。

「自分の気持ちを大切にする」というのは、現代の若者を考える上げ重要なテーマです。「やりがいのある仕事に就いてみたい」「自分の可能性を伸ばしたい」という「自分の気持ちを大切にしたい」を優先します。価値観の中心が「今の自分の気持ちを大切に」なのです。

評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている 岡田 斗司夫

 この小節では、情報のフリー化が進み、自分の見たい情報やデータを「選べる」社会への移行で起こる価値観の変化を読み解いていました。

  昨今のSNSのシステム的にもこの価値観は加速しやすいと思っていて、自分の都合の良いようにデータを選択して切り取ることは容易になってきたと思っています。良くある「おすすめ機能」は見たいもの選んで見せてくれるようになりましたね。(この記事だって、関心があるあなたに届きやすくなっているハズ)

自分で見たいものを選んでそれが「正解のように見える」社会になれば、
「自立」する、つまり「自分らしさ」を発揮することは意外と容易になると思うのです。
それ以上に「自立」した個人同士を調節しながら、自分自身を律する「自律」が難しいことなのだと僕は感じました。

皆さんは、「自律」と「自立」の違いについてどんなイメージを持っていますか?
よかったらコメント教えてください!それでは今日はさようなら!


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