弱った心に刺さる方言
京都に行ってとてもいい言葉を教えてもらった。
「なんなっとなる」
京都の中でも、丹後弁になるのだろうか。
意味は「何なりとなる」、「なるようになる」だ。
これを京都の人が言うと、はんなりする。その言葉を教えてくれた京都の福知山在住の友人がとても素敵な人だから、しっくりきたのかもしれない。
ニュアンスとしては「どうにかなるし、大丈夫よ」と言う優しい心遣いも含まれる。聞いてるこちらもなんだか、なんとかなるような気がして不思議だ。
この言葉が心に残ったのは、言葉のおおらかさと、優しさを感じたからだ。都会で仕事していると力みがちな体、弱った心にじんわり染みる。
京都は京都市を中心に文化的だし、垢抜けているイメージがあるけど、その周辺は農業の地域で、そこはパリとフランスの関係にも似ていると思う。
盆地で夏は暑く、冬は信じられないくらい冷え込む地域だからこそ、作物が豊富で、美味しい。京都の漬物や和菓子、ご飯のおかずになるちりめん山椒など、食に対するこだわりが深い。だしも濃すぎず、優しい味だから、京都に行って癒される人が多いのではないだろうか。今回の旅行でも、私は癒されすぎて、終始半目しか開けられないぐらいリラックスしていた。京都にとっての日常に癒されるのは、都会の日常においてきたものがたくさんあるからだ。
伝統の土地で、敷居も高いけど、食文化も言葉も滲み出る優しさがある。
友達が大変な目にあったり、疲れた人を見つけたら、「なんなっとなるよ」と声をかけてあげたい。
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