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故郷から見たアジア太平洋戦争 #6 「発刊に寄せて〜みやま市遺族会 会長 野田 清」

故郷から見たアジア太平洋戦争〜登場者紹介
故郷から見たアジア太平洋戦争 #1 「戦前をめぐる語り合い」
故郷から見たアジア太平洋戦争 #2 「戦中をめぐる語り合い 前編」
故郷から見たアジア太平洋戦争 #3 「戦中をめぐる語り合い 後編」
故郷から見たアジア太平洋戦争 #4 「戦後をめぐる語り合い 前編」
故郷から見たアジア太平洋戦争 #5 「戦後をめぐる語り合い 後編」

みやま市遺族会 会長 野田 清

 先の大戦が終えて、早や七八年が過ぎようとしていますが、アジア太平洋戦争が私達の故郷にどのように関わり、そして苛酷な環境に遭遇したのか、今一度、想いを起こし、その足跡を残して繋いでいくことは、極めて重要ではないでしょうか。

 ところで、戦争の悲惨さや苛酷な状態を語って頂く体験者の方が、随分高齢を迎えられており、なんとか間に合ったかなと思っている次第であります。

 想いを語る討論会を開催し語って頂きますと、全く知り得なかったグラマン機やB29の空爆による犠牲者や民家の焼失を始め、農村地帯にも関わらず食糧不足を始め、生活物資の極限な不足状態であったことも如実に語って頂いております。

 国の宝であります子供達を巡る悲しい惨状も痛ましく、戦死者によって家族関係の激変によって深刻なる苦悩等も多く生じていたことも語って頂きました。

 特に、戦没者遺族は、働き手が亡くなり子供養育を含め生活の苦しさが一段と増し、戦争の悲惨さで身を切る程、大変苦難されたようであります。

 当然、登壇者十五名の方々は、戦没者たる英霊が、祖国の安寧と地域社会の守護及び家族等を守らんがために一命を捧げられた慈しみを胸に秘めての語りであったことは申すまでもありません。

 このような貴重な体験談は、大切に残し、戦争は二度と起こさずとの英霊の慈しみを灯し、繋ぎ、平和貢献に尽して参らなければならないものと改めて確信致す次第であります。

 これらの平和理念を幾世代も繋ぎ止めていくことが必要不可欠でありますが、先ずは、私達としましては、残さなければならないものは、しっかり整理し次世代の青年諸氏にバトンを渡す責務を負うっているものと考えておりますと共に、併せて期待も致している次第であります。

 御承知の通り、みやま市におきましては、1,610柱の英霊顕彰としまして例年、みやま市主催のもとに戦没者追悼式を挙行頂いております。
ご参列者の方々始め市民皆様からこの度の冊子をご読了頂ければ誠に幸甚であります。

 今回の冊子発行に当たりましては、多くの関係各位から大変なご協力を頂きましたこと厚くお礼を申し上げますと共に、ご遺家族始め皆様のご多幸とご健勝を心からご祈念申し上げます。

令和5年5月吉日

故郷から見たアジア太平洋戦争 #7 「はしがき・あとがき〜編集委員会 委員長 野田 力」
故郷から見たアジア太平洋戦争 #8 「編集委員会構成メンバーからの一言」
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