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平日日記① ブルー・レイニー・肩凝りマンデー

月曜日

月曜というだけでも憂鬱なのに朝から雨が降っている。しかも起きた途端に肩凝りがひどい。ブルー・レイニー・肩凝りマンデーときたらやる気が出るはずがない。
死んだ目でZIP!を見ていたらカンヌ国際映画祭の話題をやっていた。ヴィム・ヴェンダース監督の映画『Perfect World』に主演した役所広司が主演男優賞を取った。日本人の受賞は当時14歳で『誰も知らない』に主演した柳楽優弥以来、19年ぶりのことらしい。役所広司がインタビューで「やっと柳楽くんに追い付きました」と言って報道陣を笑わせているのを見て少しだけやる気が出た。
夕食は妻が作ってくれたドライカレーと、成城石井のキャロットラペだった。そこだけ切り取ると丁寧な暮らし系インスタグラマーのような夕食である。「今日って誕生日だったっけ」などと冗談を言ったら「それ昨日の残り物だから」と妻が答えた。ああそうか、昨日は妻の友人たちが家に遊びにきていた。それはそれで昨日の楽しい時間のお裾分けをしてもらったようで嬉しかった。ドライカレーもキャロットラペも美味しかった。

火曜日

起きた瞬間から蒸し暑い。カーテンの隙間からどんよりと重い空が覗いている。ZIP!ではお天気キャスターのマーシュちゃんが今日は半袖で過ごせそうです、と言っていたがなんとなく半袖はまだ早い気がして長袖のYシャツとジャケットを着た。東海地方はすでに梅雨入りしたらしいから関東もそろそろだろう。
火曜日のZIP!は山下◯二郎がDIYをするという1ミリも興味のないコーナーに多く尺を割いたりするので早めにテレビを消して家を出た。
プロ野球は交流戦が始まった。ライオンズはベルーナドームに阪神を招いての三連戦だ。初戦から今季大ブレイク中の村上頌樹が先発とあっては望みが薄かったが、やはり見事に西武打線は押さえ込まれて敗戦した。村上のヒーローインタビューを聞いて思い出したのだが、2年前村上のプロ初登板はまさにこのベルーナドームの西武戦だった。あのときは西武が容赦なく村上を打ち崩し「なんかよくわからんルーキー出してくれてあざっす」とか思ったものだが(しかし西武は逆転負けした)、たった2年でここまで覚醒したのだからすごい選手だ。その折は失礼しました。

水曜日

いつものようにZIP!を見ていたらアイドルの新曲のニュースが途中で打ち切られ、北朝鮮のミサイルが発射されたと速報が入った。画面にはJアラートの警告が張り付き、水卜アナが沖縄の人へ向けて建物の中に避難するように呼びかけ続けている。北朝鮮のミサイル発射はもはや珍しいニュースではないが、緊急事態のように報じられるとそれなりに動揺する。こうなってはモーニングルーティンもクソもなくなり、気が付いたらいつも家を出ている時間を過ぎていて焦った。このテレビ番組は無意識のうちに僕の体内時計と連動していたのだと気がついた。
今日のライオンズはオリックス時代から比較的得意としている阪神の先発西勇輝を攻略し、勝ち星を上げた。久々に先発した本田圭佑が4イニングを投げ無失点。そのあとリリーフ陣の無失点リレーで逃げ切った。先発の今井と隅田が抹消されたので先発陣の台所事情は厳しい。

木曜日

ここ数日胃の調子が優れない。とりあえず断酒しているが特に空腹時に胃が痛む。
市販薬を飲んでもあまり効かないので仕事終わりに病院へ行こうと思った。結局受付に間に合わなさそうだったので仕事を1時間だけ早退した。
普段はこれといって通院している病院がない。わりと頻繁に引っ越しをしていることもあり、たまに病院にかかるときは大抵は初診になる。
とにかく初診のときに書かされるアンケートみたいなやつが面倒くさい。ついでに言うと薬局も初診扱いになるから同じようなアンケートを薬局でも書かされる。「これまで薬を飲んでアレルギーが出たこと ある ない」の「ない」の方を生涯で何回マルで囲えばよいのだろうか。
とりあえず薬を処方されて様子を見てくださいと言われた。薬が効かないようなら胃カメラとかやりましょうね、と言われたが回避したいところだ。
ライオンズは今日もブルペンデーで阪神打線をかわして勝利した。入団からリリーフに徹していた宮川がプロ発先発で5イニングを投げた。ていうかリリーフに無理させるくらいなら今井も隅田も抹消しなくてよかったんじゃないだろうか。

金曜日

朝から雨である。それどころか豪雨の予報である。
傘をさして歩いていたら、片手に傘をさしながら自転車で走ってきた男子高校生の傘が僕の傘とぶつかった。しかもそこは歩道である。何も言わずに走り去った彼は、背負ったカバンに雨よけのビニールカバーを着けていた。傘をさしてチャリを漕いでいるくせに滑稽な姿だ。大きめのカッパを着てカバンごと覆って走ればいいのにと思った。
すると今度は女子高生が雨から一切身を守らずに潔く自転車で走り去っていった。結構雨が降っていたのでこれはこれで心配である。雨に濡れた長い黒髪を見送りながら色んな高校生がいるんだなあと思った。
昼過ぎから夕方にかけて警報級の大雨が降り続いた。傘は半ば役に立たず、足元をぐしょぐしょに濡らしながら必死で帰路についた。
夜間も雨足は弱まるどころか強さを増していった。ふと、朝傘を差さずに自転車に乗っていた女子高生はどうやって家に帰ったのかなと心配になった。

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