2023年2月8日未明にMicrosoftからチャット機能を搭載した検索エンジンの新しいBingが発表されました。すぐにBingのサイトからウェイティングリストに登録したところ、翌日(2月9日)、招待メールが届き、新しいサービスを利用できるようになりました。
そこで、早速、Bingに色々な質問を投げて試してみましたので、その結果を報告します。
1.新しいBingの機能や仕組みについての質問
最初は、こんな感じに始まります。
Bingが回答するのに検索が必要と判断した場合は、「'〇〇(検索ワード)'を検索しています」と表示されます。
回答の下に「詳細情報」として参照先のリンクが表示され、対応する箇所に脚注番号が表示されます。
回答中の点線の引かれた文章をクリックすると、対応する参照先のサイトが開きます。
さらに、今日の天気を聞いた場合は、(今回は表示させていませんが、)現在地の天気予報の情報が表示されます。
また、次のユーザーの質問候補も回答の下に表示され、それをクリックするだけで会話を続けることができます。もちろん、ユーザーが自由に質問を入力することもできます。
次に、Bingについていろいろ聞いてみました。
Bingは、検索したサイトを基に回答を作成するので、ChatGPTよりも正確な回答を返してくることが多いのですが、検索して参照するサイトを誤ったり、そもそも参照したサイトの情報が不正確だったりすることがあるので、いつもBingの回答を信頼できる訳ではありません。
やはり、内容が怪しいなと思ったときは、参照先のサイトを確認して、Bingの回答を鵜吞みにしないことが大切です。
2.新しいBingについてのレポートの作成
新しいBingについてのレポートの作成をBingに依頼しました。
ある程度の長さの文章を書くと、途中で切れて、回答が終了してしまうので、その場合は、「レポートの続きを書いてください。」と入力すると、続きを書いてくれます。
しかし、そこから繋がりがおかしくなることもあり、今回も、5.の後ろの部分から繋がりが少しおかしくなっています。
3.GoogleのBardについてのレポートの作成
今度は、GoogleのBardについてのレポートの作成をBingに依頼しました。
日本語版のBingでは、レポートの作成を依頼しても、「私はレポートを作成することはできません。」と拒否してきたのに、英語版のBingに切り替えたら、たとえ日本語で質問しても、あっさり書いてくれました。
次に、MicrosoftのBingとGoogleのBardの違いについて一覧表の作成を依頼しました。
Bingの回答は以下のとおりです。
いくつか怪しい点があります。Google Bardは「2021年以前の情報をもとに回答を作り出す」というのは誤っているのではないでしょうか。それに、いくらGoogleがBardの誤った回答をデモで発表したからと言って、Bingは「不正確な回答がない」、Bardは「不正確な回答がある」というのは言い過ぎのように思います。
4.その他
その他、いろいろと質問してみました。
(1) 計算問題
(2) 歴史の質問
やはり、検索ができることもあって、ChatGPTより回答の精度が上がっているようです。
(3) 旅行の日程の作成
(4) 交通案内
(5) 一覧表の作成
問 2022年に日本でヒットした曲の10位までのランキングを表にしてください。
Bingの回答は以下のとおりです。
※一見、きちんと整理されていますが、参照先のリンクを見ても、どこから取ってきた順位なのかよく分かりません。概ねランキング上位に入る曲が並んでいますが、ぴったり順位が合致しているサイトは見つけられませんでした。また、備考欄もいくつか間違っているようです。
問 衛星コンステレーションによる通信サービスの事業者について一覧表を作成してください。
Bingの回答は以下のとおりです。
※Superbirdは静止衛星で、衛星コンステレーションではないですね。また、2023年2月現在、Starlinkは3536基の衛星が稼働中で、OneWebも既に542基の衛星を打上済みなので、情報が少し古いようです。
(6) 2022年10大AIニュース
5.まとめ
以前、Perplexity AskとChatGPTを比較したときに、前者の検索と後者の文章生成能力が組み合わされば最強なのに、と思ったのですが、チャット機能を備えたBingは正にそれを具現化したサービスです。
Bingの便利さを知ってしまったら、もう他のサービスには戻れそうにありません。
ChatGPTより文章生成能力や回答の精度も高くて、検索で最新の情報にも対応できるのだから、ChatGPTは、この先やっていけるのだろうかと心配してしまいます。
また、Googleも本腰を入れて、Bardなどのチャットシステムに取り組まないと、Bingに食われてしまうのではないでしょうか。
もちろん、ここまで見てきたように、Bingもまだまだ間違った回答を返すことが結構あります。ただ、画像生成AIやChatGPTがそうだったように、欠点はどんどん改善されていくでしょう。
AIのできないことばかり指摘するよりも、これを使って色々な作業を効率化することを考える方が遥かに建設的です。Bingは、上手く工夫すれば、様々なことができるようになるはずです。
また、Googleが本気になって、Bingと互いに競い合ってサービスが向上していくという状況になれば最高なので、できればそうなってもらいたいものです。