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itø
2023年1月20日 19:57
紫煙が立っていた。これはいつの記憶だろう。居酒屋にいた。私がいたのかどうかはわからない。少なくとも自分の身体はそこには感じない。兎にも角にもその眼は居酒屋にあった。遠くで店員の声が鳴っている。内容は聞き取れず、音はべっとりとした空気に溶けていく。酔っているのだろうか。焦点が合わない。斜め上の視線の先にある垂木がぼやけた視界のなかに揺れていた。白けた垂木を伝い天井を見上げると電球の光で真っ
2023年1月11日 22:29
私は本を多くは読みません。いえ、こう言うと語弊があります。本には度々触れはします。でも一冊まるまる読み切ることは多くありません。小説くらいかもしれない。専門書を読み切ることは稀です。まず最初から読み始めるということ自体あまりありません。まず目次を開き(あるいは序文、あとがきを読んで)、気になる章の気になる箇所をあたります。それが当たりであればそのまま読み、はずれであれば別の章に飛ぶかその本を