Covid-19 イギリスの状況記録ーロックダウン後

3月23日よりロックダウンが開始。政府からの公式な発表があった。

1.イギリスロックダウンの内容

・病院・買い物など生活上で必要な・一日一回に限る運動のため以外の外出を原則禁止する。

・仕事での外出もやむを得ない業種以外は自宅からの勤務を原則とする

・2人以上の集団での外出は禁止

・すべての飲食店・その他店舗(スーパーマーケット・コンビニエンスストアを除く)は閉鎖。

・禁止事項を破った場合には罰金が課される。

事前に仕事を在宅勤務体系にしていた会社がほとんどだったので、そこまでの混乱は生じず、ロックダウンが始まった際にはほとんどの人が用意が出来ている状況であった。電車やバスにはほとんど人の姿が見られず、近隣は異様なほどひっそりとした雰囲気だった。

2.フラットシェアの感染拡大助長

私とパートナーは安全管理を徹底することに。シェアフラットに住んでいるので、私たちのほかに2人のフラットメイトがいる。その二人はこのロックダウンの最中にも毎日のように、時には朝から夕方まで出かけていることが多く、私たちはマスクや手袋を家の中でもせざるを得ない状況だった。東アジア諸国で感染がヨーロッパのように拡大しない理由はここが大きいと感じた。

例えば日本では、家族またはカップル、もしくはかなり親しい友人でなければ家を共有する機会は少ないと思う。日本では一人暮らし用の個人の部屋が充実している。なので、このような危機下では、他人から他人に感染していくリスクはそもそも少ない。

それに対して、ヨーロッパ諸国では、私たちのようにどれだけ気を付けても、同居している他人が責任感のない人で感染してしまえば、元も子もないというわけだ。

3.スーパーでの対策

こちらは私が撮影した近所のスーパーマーケットの様子。3月30日。

スーパーは中に入れる人数の制限を開始。スーパーの外に待ち列を作り、人々を2m感覚を開けるように促しながら待たせていた。

物資に関しては、ほとんどが回復。(パスタ・米は×)トイレットペーパーは棚を封鎖して一個一個配るなど、爆買いの無いよう対策が為されていた。


4.マスク着用とアジア人差別の状況

マスク着用状況は格段に上がり、30-40%程度の人がマスクをしている姿を見かけた。しかし、それでも尚マイノリティであるのには変わらず。ただ、以前のように奇異の目を向けられることは無くなった。

特に人種差別などはロンドン内では個人的には経験せず。(1か月前のヨーロッパでの拡大前のほうがすごかったイメージ)しかし世論が中国人差別に傾いているのはSNSにて実感する。

こちらの動画はBBCのマスクが予想以上に感染を予防するかもしれない、という内容のものである。アジア人からすれば「今更何を言ってんだ?」と思うかもしれないが、実はイギリスでは政府から公式に「マスクは医療用の物でなければ意味がないので爆買いをしないように」という発表がされていた。これには純粋にヨーロッパ人がマスクを軽視しているという意味もあるが、それ以上にマスクを誰かが爆買いしてしまうと、マスクをほとんどアジアからの輸入に頼っているヨーロッパ諸国からすると、医療従事者の分を失う恐れがあったからとも考えられる。

それで、私が「アジア人だけどずいぶん前から知ってた。マスクをしているアジア人を差別した人、黙ってマスクしてね。」といった内容のコメントをしたのだが、多くのポジティブな反応に対してこのようなコメントもしばしば見られた。

”Thanks. As an Asian do you also know the fact that wet markets provide a jumping point for these zoonoses? Not being racist, just asking, if being Asian gave you the ability to know that masks help “ages ago” does it also inform you of the danger of wet markets and eating wild animals. If so, what are you doing about it? Thanks.”

「アジア人として、ウェットマーケットがこれらの人獣共通感染症をもたらす事実を知っていますか?人種差別主義者ではなく、ただ聞いているだけです。アジア人だからマスクが助けになることを前から知っていたなら、ウェットマーケットで野生動物を食べることが危険だってことも知っていたんじゃないのか」

”Stop it with the filthy wet meat markets before trying to take the moral high ground.
That's the most disgustingly immoral thing Ive Ever come across in my life what's done to those poor animals.
So stop it before you all release a virus that wipes out the entire human race.

Now close your mouth and think about it before it's too late”

道徳的な高みに立つ前に、不潔なウェットマーケットを止めてください。
それは、かわいそうな動物たちに対して私の人生で遭遇した中で最も嫌な不道徳なことです。
あなたがすべてのウイルスを放出して人類を絶滅させる前に、それを止めてください。手遅れになる前に口を閉じて考えてください。

ー私はあえて自分のことを日本人と名乗らず、アジア人と書いた。そして得た反応はアジア人=中国人という同一視・またはアジアに対して全く知識のない人たちのすべての国の違いを無視したコメントだった。

こうして、誰かのせいにすることによって彼らは鬱憤を晴らしているのだろうが、結局中国人がそれをしているわけでもなく、個人の問題ではないのだ。仮に本当に、中国でのウェットマーケットが原因として、それを止めない中国政府が本当の悪であり、中国人一人一人は悪くない。そして、ウェットマーケットが本当に原因かどうかは、誰もわからない。

日々、ウィルスによってその国の人々の本性が洗い出されるような感じがする。アメリカはトランプを始め中国叩き、イギリスではヨーロッパ諸国と自分たちを区別化したあまりに事態は悪化の一途、日本では世界全体から自分たちを切り離したことによる対策の遅れ。

人々のエゴがぶつかり合う限り、このロックダウンは1か月・2か月とその長さを増すだろう。



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