イッスンボウシー

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最近の記事

小雨にはフードが最強さ

私たちは色んなことを考えている。たまに会って一緒に過ごせる時間はそのすべてを語るには短く、というかその瞬間にも喋りたいことが次々と出てくるので過去の思考を辿る余裕がなく、とにかくいつも話し足りずに解散する。次回会う日までにもっと色んな話題をためてきてしまうセルフ宿題型の私たちである。 ならばと思い、溢れ出す言葉を書いておくことにする。書き置いておき読みたいときにいつでも読んでもらえるようにしよう。 うんうんそれがいいね、文通も併用するのがこれからのスタンダードだよね、スタ

    • どんぶらこしたくない時もある

      「どうしてこの会社に入ることになったんですか?何かきっかけが?」 「あ、なんとなく流れで」 「どうしてこのプロジェクトを任されることになったんですか?」 「あ、ミーティングの流れで」 「どうして体調を崩すまで働かれたんですか?」 「あ、それも流れで、、」 「どうして夢を忘れたんですか?」 「あ、流れd」 おい、流れてる場合かよ、流れで何もかも手に出来たのは桃太郎くらいじゃあああ! 私はなんとかして、一寸法師兄さんの小さい背中を追っていきたいと思う。 お椀と

      • 化学繊維の肩をシャカシャカしたい

        お腹がいっぱいである。足はほどよく疲れ、ジリジリと電流が流れているようである。 あー。今日も満足満足。友達と夜ご飯食べて、カフェ行って、お酒は飲まなかったはずだが頭がぼけーっとする。最後のティラミスにやられたか。 ひとりの帰り道を襲う手持ち無沙汰。人の肩を恋しく思い、腕を広げて回してみる。置きどころのない腕は重く余計に寂しくなる。やらなきゃよかった。 誰か折りたたみ式フレンズショルダーを開発してくれませんか。ホルダーじゃないよショルダーだよ、肩。素材はポリエステルまたは

        • かまわず突き進め

          規則的な音が苦手だ。 7秒に1回鼻をすする音@電車  空調の定期的なカシャカシャ音@図書館 四拍子を足で刻む音@エレベーター もうすぐ次のが来るわ…..1・2・3・はい!来たーーーー……。 という流れがおそらく苦手で、いつ来るか分からない不規則音であれば、音の到来を楽しめるのかもしれない。規則音はタイミングが予測出来るから気になってしまうのだ。 とは言え、別に一時のことなので、規則音たちを睨み付けるつもりなど1ミリもない。というかすべての規則音は何も悪くない。 鼻水

        小雨にはフードが最強さ

          ドラゴンのしっぽに乗りたかった夜

          その日私は丸めた靴下をぶん投げていた。 投げた靴下を取りに行き、定位置に戻って投げ、また取りに行く。家中を行ったり来たりして、山なりの穏やかな送球から速球ドストレート、不恰好なウィンドミルもどきまで一通りの投法を巡った。 靴下は玄関のドアに当たり、小物干しの上に乗っかり、扉と壁の間に挟まり、テレビ台の収納部分に当たって戸を開いたりもした。 家の至る所にひと通り靴下を当て終わると、私はラジオを聴き始めた。Aマッソの加納さんとヒコロヒーさんのYouTube配信ラジオ。 なんだ

          ドラゴンのしっぽに乗りたかった夜

          どっちもいいよね

          秋に村人総出でリンゴを収穫して、皮をむいて、ドデカい鍋でぐるんぐるんかき混ぜて、真夜中になってもじっくり煮詰めて、半分寝ながら代わりばんこで作業を続けて、次の日の朝とろとろに出来上がった大量のアップルバターをビンに詰めて食料倉庫に保存して、少しだけ鍋に残した香り高いバターをライ麦パンに塗ってみんなで食べて、朝の風に吹かれる。 対義語:ある春の曇りの日、平日の11:00に起きてコンビニの食パンを焼かずに食べながら一人でしょうもないYoutubeを観る。

          どっちもいいよね

          圧倒的に個人的な

          今日はいい日〜 Aマッソのゲラニチョビみて〜(I love you) ベランダの土を片付けて〜(今日は暑かった) おしりの歌を二曲も作って〜(土テンション)(おしりかじり虫を彷彿とさせる可愛い歌だよ) やらなきゃいけないこともちょっとだけやって〜(充実度がワンランクアップ) スーパー銭湯まで平成ヒットソング聴きながら散歩して〜 (プレイリスト:Monster、ドラゲナイ、ワタリドリ、前前々世) 銭湯の漫画コーナーでNANAを6巻読んで〜(脳もってかれた) 五右衛

          圧倒的に個人的な

          扇風機

          あ~~~~~~~~ あ~~~~~~~~ あ~~~~~~~~ あ~~~~~~~~ 何かがおかしい。 フローリングの床にベタっと座りながら、扇風機に向かって声を出していた私は、奇妙な違和感を覚えた。 寂しい。なんか寂しい。物足りない。手ごたえがない。ない。ないんじゃああああああああ!!!! 一生懸命脱力して誠心誠意ダルい声を出しているというのに、返ってくるのは、わずかに震えるだけで普段と大して変わらぬ私の声と、機械的に回り続けるスマートな風の音だけ。 わかった。これは令

          風来坊

          かっこいい人。私の大好きな女風来坊は、今日も最高にかっこよかった。 私たちが前世でナントカ族の一員として暮らしていたあの頃、私の初めての火起こしに付き添ってくれたのがこの風来坊だった。洞窟の前に腰を下ろし、外界を遮断して一心不乱に棒と格闘する私の横に、風来坊はひょいっと現れる。「お、私もやる〜」 しばらく二人でシャリシャリ頑張ってみたが、何の熱も光も灯らず、結局「…あれ?全然つかないね??wwww」という爆笑で決着。そのあとはどうしたんだっけ?大人たちにやり方聞きに行った

          そう、気が向いたらね

          No.12 バク転する!!! No.33 腹筋にタテの線を入れてみたいです 久しぶりに開いたやりたいことリストにこんなことが書かれていた。 一昨年か二年前かに書いたもので、残念ながらまだ叶ってはいない。しかし無意識に擦り込まれていた目標設定がやっと目を覚ましたのか、実はここ最近筋トレに励んじゃったり、プロテインを飲んじゃったりしているのだ。 期限を決めているわけでもないし、タテの線を入れたところで街の皆さんに見せびらかして歩く予定もないため、ほんと〜にゆるっと、気分が

          そう、気が向いたらね

          おはようございます。おつかれさまでした。

          今日もワクチン接種会場のバイトだった。 休憩時間に、近くのポジションの人たちや看護師さんたちとお喋りをする。 こうして外に出て、会ったばかりの人と他愛のない話をするのが、とても好きだ。 昨日までは存在を知らなかった人。次回はもう会わないかもしれない人。とりあえず今日、ここに集まったみんなで協力して、無事に仕事を終えよう。 そんな空気感がとても好きだ。 ドライだけど温かい。楽しい。優しい。 一生のうちに経験する出会いの多くは、こういう一瞬の触れ合いみたいなものだろう。

          おはようございます。おつかれさまでした。

          バイトの感想

          ワクチンの接種会場でバイトをした。 お医者さんの診察を終えて椅子で接種を待つおじいちゃんが、 もう死にてえヨーーー と、嘆く。 私の隣のポジションにいたお兄さんが、 そんなこと言わないでくださいよー! と、明るい声で返す。 今日のこの接種みたいに予約して決まった時間に来れたり、予約しなくてもふらりと来れたりして、誰かと話し、ため息を吐き出せる。 日頃からそんな場所があってほしいと思った。

          リュックは幸せの宝庫

          あーー 今日のお弁当、ご飯に対しておかずの量が少ない気がするなーー 味も薄めだし、これじゃ白米に見合わないぜーー そう、弁当を詰めている段階で気づいてはいたのだが、知らぬふりをしていた。昼の時間になればおかずが増えるか味が変わったりするとでも思ったのだろうか。 基本的に小さな不安は未来の自分に託す派なので、今日も順調に自分らしさを発揮している。 まあそういうことだし、ちょっと物足りないけどしょうがないかあ! と諦めかけたその時!リュックの中に昨日お店でもらったふりかけ

          リュックは幸せの宝庫

          痛いですか痛くないですか

          皆さんにやってみてほしいことがあります。 小鼻の始まりから1cmくらい外側に行ったあたりを、指(推奨:中指)で押してみてほしいのです。 だいたい3秒くらいグーーッとやってみて、どうですか?痛いですか痛くないですか? 痛くない場合はもう一度、その周辺のツボっぽい効きそうなところを探して、またトライしてみてほしい。 それでも痛くないという人は、めちゃくちゃ羨ましいです。 痛いという人は、日頃表情の動きが少なくて、顔が凝り固まっているということらしいです。 何を隠そう、

          痛いですか痛くないですか

          うぉぉぉぉおおお

          夜7時でこの明るさねー!テンション上がるねー!みんな顔には出さないけど内心ちょっとウキウキしてるねー!誰か一人が雄叫びあげたらみんな一斉にうぉぉぉぉぉーー!ってなるねー! たぶん私の機嫌がめちゃくちゃ良いだけねー!! #暑苦しい

          うぉぉぉぉおおお

          大都市東京の波の中で

          東京メトロ銀座線、渋谷行き。 目的の駅まで20分。 スマホの充電が切れた。 暇だ。 そんなときでも大丈夫。東京の地下鉄にはたくさんの人がいる。仕事も趣味もバラバラな老若男女。皆さんと会話をすればいいのだ。 目の前にいるのは綺麗な茶色の髪を一つに束ねたお兄さん。髪色の美しさとうるつやな感じに思わず見とれてしまう。 まだバージンヘアの子が大多数だった高校時代。透明感のあるシャイニーな髪をなびかせている友達がいた。茶色でも黒色でもなく、アッシュでもオリーブでもなく、単色では

          大都市東京の波の中で