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そう、気が向いたらね

No.12 バク転する!!!

No.33 腹筋にタテの線を入れてみたいです

久しぶりに開いたやりたいことリストにこんなことが書かれていた。

一昨年か二年前かに書いたもので、残念ながらまだ叶ってはいない。しかし無意識に擦り込まれていた目標設定がやっと目を覚ましたのか、実はここ最近筋トレに励んじゃったり、プロテインを飲んじゃったりしているのだ。

期限を決めているわけでもないし、タテの線を入れたところで街の皆さんに見せびらかして歩く予定もないため、ほんと〜にゆるっと、気分が乗ったときだけやっている。
さらっと言ったが、「筋トレに気分が乗る」だなんて超絶アンビリーバボーな事件である。
正直、気分が乗ったというだけで自分を褒め散らかしてあげたいし、そんなに調子が良いなら筋トレなんてしなくてもハッピーだろう!とも思う。

が、Youtubeの自動再生機能と各Youtuberさん達の叱咤激励、そして動画に使われてるイケイケEDMのおかげで、気づいたら上体をひょこひょこさせている私である。

そもそも腹筋のタテ線にあこがれを抱いたのは、2020年に放送された「シロでもクロでもない世界でパンダは笑う」というドラマがきっかけだった。
ミスパンダという役を演じた清野菜名さんの腹筋チラ見せ衣装姿が、もうバチバチにカッコよかったのだ。衣装だけじゃなく、ミスパンダの魅力、菜名ちゃんの魅力にもどハマりした。
軽やかに華麗に飛ぶアクロバット、少しハスキーな唯一無二の声、神出鬼没で少年のようなキャラクター、時折見せる切なげな表情。これを最高と言わずして何と言うのだろう。

ちなみに私はこのドラマを釧路の山奥のとある寮の一室で観ていた。ホテルのレストランで一か月間、住み込みのアルバイトをしていたのだ。

周りに何もないことを売りにしているホテルだったため、コンセプトに違わず、本当に周りに何もなかった。そういう非日常を楽しみたい人には打ってつけなのかもしれないが、そこでしばらく日常生活を送れなどと言われる身からすると、なかなか過酷な閉塞感があった。

人間関係も生活空間も一つの敷地内に閉ざされ、娯楽と言えば動画?SNS?たまに行くセブンイレブン???みたいなことになってくると、どんなに健康体でも気が滅入るのは当たり前だ。むしろ健康な方が心身に堪えるだろうか。休日に街に出て皆さんへの挨拶用に買ってきた萩の月を8割自分で平らげてしまうという奇行も、無理はない。

しかも日照時間短いし、自然は溢れてるけど緑はなくて全部真っ白だったし、ほんと水墨画みたいだったな、、、。

そんな中で心の救いになったのがドラマ「シロクロ」と、清野菜名ちゃん扮するミスパンダの爽やかさだった。軽やかなアクロバットも、大胆不敵の無双感も、自由に飛び回る様も、とにかくかっこよかった。すべて、その時の私が渇望しているものだった。檻の中からヒーローを見ている気持ちだったと思う。

小さい頃の衝撃的な体験は心の根底に深く刻まれる、とよく言う。その頃の私はとっくに自我が出来上がっている年頃ではあったが、あの特殊な環境の中では、出来事や感情の全てがコントラスト強めに、深く、心に沁み込んでいった気がする。

というわけで、その時期に抱いたミスパンダと菜名ちゃんへの憧れは根強く残り、二年以上経った今でもきちんと引きずっているようである。

そして困ったことに、檻から出て自由になりたい!!!!!!!という衝動までも、なんとなく心の根底に居座っているような気がするのだ。正直今の私は自由すぎるほど自由である。自由の大海に漕ぎ出し、バッチリ漂流して、自由も考え物だな、、?のフェーズまで体験しちゃっている私なのだが、それでも自由への希求は止んでいない気がする。一体何を求めているんだろうね?こいつは。

なんとなく、スイスの大草原で何も考えずにゴロゴロしたら満足するタイプの、結構野性的な望みであるような気もする。人間やっぱり単純である。

というわけでこれからも引き続き、気が向いた時に筋トレをし、気が滅入ってきたらどこか広い景色を見に行こうと思う。

ちなみに今日は果てしなく筋トレの気分じゃない。抗わずに生きよう。


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