プラムってなんでおいしい/エッセー
プラムって、なんでおいしい。
プラムって、恋する白い天使のほっぺたみたいにピンクが混じった赤いろだ。赤むらさきよりも、深い深い赤いろだ。果肉にじわじわ色はもれてそれはグラデーションになって、黄金いろまで導かれるから砂漠の太陽みたいにきれい。
果肉を包むその濃くうすい皮からはツンとしたすももの香り。皮の裏には、ぶあつい黄金の果肉がくっつきがち。それがすき!
果肉は黄金いろで、たしかに繊維が混じってる。それは舌で触るとほんの少しだけ、柔らかくざらつく。濡れたライオンの毛並みを優しく撫でるみたい。マンゴーのような青さもほんのり香る。うすいベールに包まれるのような甘さも。熟してたら、それはもうきれいな音が飛ぶみたいに心は小さく弾む。口に含むと、くちびるの両端は静かにほっぺたを持ち上げる。
黄金いろはじゅくじゅくした柔らかさに、黄金比の香りと絡まって、みすみずしく口の中から、感じる心を巡り、流れ星のしっぽのようにすうっと消えたら、あとの余韻は私の閉じたまぶたを撫でる天使のふわふわした手のよう。途中、うすい皮を歯ですり潰すと、じゅり、と出てくる汁はさらなるアクセント!果肉はそのままうすく…うすく、ベールに甘い。なんて絶妙、なんておいしさ!とりこになる、ルビーに輝く、夏の果実。
もっと知りたい、そう思った。すきだから。まずは歴史から?実の成り方から?その繊維は、色のつき方は、香り、分類、学名、誰かさんのプラムのコラムまで…。もっと知りたい、種の髄(ずい)まで!まずはここからはじめよう、大すきなフルーツの、大すきなプラムの話を。
ああプラムって、なんでおいしい?
エッセー:プラムってなんでおいしい
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◎エッセーはここにまとまってるよ
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◎前回のエッセー
たくさん書きます。描きます。たくさんの人の心に届きますように