【10分師匠】「S君の生き方から教わったこと」〜木下晴弘〜
どうも、伊志嶺海です。
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さて、今回の師匠は木下晴弘さん。
木下さんは、もともと銀行マンとしてキャリアをスタートされたのですが、学生時代の塾講師の充実感をもう一度取り戻したいと思い、銀行をやめ塾講師となります。現在ではアクティブトレーニングという研修やセミナーを行う会社の代表取締役をお務めになられている方なんですね。
今日はそんな木下さんが塾講師時代に出会ったとある学生の物語です。その学生の生き様たるや、大人も学びになるのでご紹介させてください。
その学生はS君といいます。物語は木下先生とS君のお母さんが面談をしているところから始まります。
S君の母「あの子は小学生の頃から、この塾に通ってK学院に進学するのが夢だったんです。でもうちにはお金がなくて、、」
S君は父親を早くに亡くしており、母親が女手ひとつで育て上げて来ました。塾に行きたいというS君をなだめつつも、なんとか切り詰めてお金をため、やっと中学3年の途中で入塾させることができたのです。
そんなS君が目指しているK学院が超難関高校。S君のバッググラウンドを知った木下先生は、一緒に頑張ることを誓います。
そこから受験勉強が始まるのですが、K学院を目指す生徒は早くから通塾しているので、S君はほぼビリに近い状態でスタートします。
ただやはりこの塾で勉強するのが夢だったというだけあり、その勉強ぶりには目を見張るものがあったそうですよ。1冊しかない参考書がボロボロになるまで勉強し、なんと2ヶ月で700名中ベストテンに入るほどまで成績をあげたのです。
まさに信じがたい伸びです。
それからもS君が必死で勉強を続け、無事K学院の入試を終えました。合格発表の日、木下先生は居ても立ってもいられず、早々にK学院へ行き、合格者の掲示板が張り出されるのを待っていました。
そして、掲示板が張り出され、真っ先にS君の名前を見つけたとき、その喜びたるや言葉では言い表せないものだったそうです。
S君にも早く祝福したいと思っていたのですが、1時間、2時間と時間は過ぎ、夕方になってもS君は現れません。
ようやく夜7時すぎに、S君はお母さんと一緒にK学院に来ました。S君はお母さんの仕事が終わるのを待っていたんですね。
気がつくとS君とお母さんが、掲示板の前で泣いていたそうです。木下先生も駆け寄り、「よかったな。これでK学院の生徒だ。」と言うと、S君から衝撃のひとことが。
木下先生ははじめ、「えっ」と思いますが、すぐに理解します。
S君は初めっから、経済的にK学院には進学できないと分かっていたんです。それでも見事K学院に合格してみせたのです。そのすさまじい志には圧倒されますね。
それから3年後。木下先生は2度目の嬉しい衝撃を受けます。
週刊誌に東大・京大の合格者が掲載されており、そこになんとS君の名前を見つけるのです。
「S君やったな。」と、木下先生は心の中で叫んだのでした。
以上です。どうですかこの物語。本当に感動しますよね。
目標を高く持つこと、できる限りの努力をすること、志をしっかり持つことなど、たくさんの学びがありました。
そして合格はゴールではなく手段だということですね。S君はK学院に入ることをゴールにしておらず、合格するだけの学力を身につけることを1つの目標にしていたんですよね。
社会人になるとなかなか受験のようにひたむきに勉強することも少なくなりますが、信念を持ち、自分の志を持って生きていくことの大切さをS君から教えてもらいました。
自分のこれからの人生にも活かしていきたいと思います。
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